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Hauptteil Akt 2
dreiundzwanzig
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それから、表向き何も変わらない日常が穏やかに過ぎていった。緑のランプが点るたび、入ってきたお客様を見ては溜め息を押し殺す、そんな毎日。篤臣くんが来なくなって、もうすぐ一ヶ月経つ。
彼が来るようになってから、携帯のカレンダーに印を付けるようになっていた僕は、その日何を話したのか眠る前にメモしていた。時間さえあれば読み返して、振り返って。大したことは話してなくても、彼との関わりが増えていくようで嬉しかった。いじましくも続けていたその習慣はぴたりと止み、以前のように携帯を放っておくことが増えていった。
「桜庭さん、あれから貴宮さんって来なくなりましたよね?何か聞いてますか?」
「うぅん。」
「本当にそこまで親しくなかったんですね~。」
茉莉の悪気ない言葉が痛い。そうだよ、親しくなんてなかった。篤臣くんが来て、少し話をして。ただ、それだけ。クシュダートの頃よりは交わす言葉が増えたけど、天気の話にプラスαなだけだった。狗狼の方がよっぽど話してたと思う。
「せっかく、お友だちになれたのに。連絡先くらい聞いとけば良かったぁ。」
唇を尖らせ、茉莉が呟く。
前向きな彼女が羨ましい。クシュダートで同級生だったあの頃、篤臣が自分をどう思っているのか知ってからウルは徹底的に篤臣を避けるようになった。怖かった。もしも、冷たい視線を寄越されたら。もしも、存在さえ無視されたら。それまでは何とか仲良くなれないかな、と思って周囲をちょろちょろしていたのだ。一生懸命話しかけたことも一度や二度ではなかった。
でも。聞いちゃったから。
興味がないと。関わりたくないと。そう言っている所に居合わせてしまった。
だから庇護してくれる狗狼にぴたりと張り付き、唯一の友だち以外とは関わらなかった。思春期のフェイは身体が急激に育ち、大人のそれとは変わらない位大きくなる。ほぼ、この時期に出来上がるのだ。だが反して精神面が急に育つわけではない。大きな身体で子供がやるような嫌がらせや悪戯をするものが一定数いて、それには性的なものも含まれていた。
そう言ったことを篤臣はしなかったけれど、周囲は違う。たまにグラスの同級生で、泣かされている子たちもいた。狗狼がいなかったら、きっとウルは真っ先に目をつけられていただろう。
「もうメイニー作りたいって焦る気はないから、せめてイケメン愛でたかった~。」
ぼやく茉莉に苦笑する。見てるだけで良い。そう思えるくらいに気持ちが落ち着くまで、あとどのくらい時間が必要なんだろう。
彼が来るようになってから、携帯のカレンダーに印を付けるようになっていた僕は、その日何を話したのか眠る前にメモしていた。時間さえあれば読み返して、振り返って。大したことは話してなくても、彼との関わりが増えていくようで嬉しかった。いじましくも続けていたその習慣はぴたりと止み、以前のように携帯を放っておくことが増えていった。
「桜庭さん、あれから貴宮さんって来なくなりましたよね?何か聞いてますか?」
「うぅん。」
「本当にそこまで親しくなかったんですね~。」
茉莉の悪気ない言葉が痛い。そうだよ、親しくなんてなかった。篤臣くんが来て、少し話をして。ただ、それだけ。クシュダートの頃よりは交わす言葉が増えたけど、天気の話にプラスαなだけだった。狗狼の方がよっぽど話してたと思う。
「せっかく、お友だちになれたのに。連絡先くらい聞いとけば良かったぁ。」
唇を尖らせ、茉莉が呟く。
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でも。聞いちゃったから。
興味がないと。関わりたくないと。そう言っている所に居合わせてしまった。
だから庇護してくれる狗狼にぴたりと張り付き、唯一の友だち以外とは関わらなかった。思春期のフェイは身体が急激に育ち、大人のそれとは変わらない位大きくなる。ほぼ、この時期に出来上がるのだ。だが反して精神面が急に育つわけではない。大きな身体で子供がやるような嫌がらせや悪戯をするものが一定数いて、それには性的なものも含まれていた。
そう言ったことを篤臣はしなかったけれど、周囲は違う。たまにグラスの同級生で、泣かされている子たちもいた。狗狼がいなかったら、きっとウルは真っ先に目をつけられていただろう。
「もうメイニー作りたいって焦る気はないから、せめてイケメン愛でたかった~。」
ぼやく茉莉に苦笑する。見てるだけで良い。そう思えるくらいに気持ちが落ち着くまで、あとどのくらい時間が必要なんだろう。
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