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閑話休題

いまさら

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 今回の担当医をAとします。

 とても丁寧で低姿勢。ゆっくり噛み砕くように説明してくれました。去年の担当医が歯茎の腫れを訴えた時にレントゲンを撮って診てくれていたらと思わなくもありません。が、このA先生は無関係。不満をぶつけても仕方ないので詳しく説明を聞くことにしました。

 入れ歯とは、部分入れ歯のこと。今の歯を抜いた後、両隣に金属で引っ掛けて入れ歯として使う。これが一つ目の選択肢。

 ブリッジとは両隣の歯も削り、抜いた歯を含め3本の歯に歯そっくりの被せものををすること。これが二つ目の選択肢。

 そして最後の選択肢インプラント。歯を抜いて顎の歯にドリルで歯そっくりな仮歯を固定すること。

 3つを提示され、抜くしかないのならインプラント一択だなと思いそう答えました。費用はピンキリですが歯科大学では1本40万くらいだと言われ「それくらいならいいか。」と納得。返す返すも不正利用に遭わなければと思いますが、今は歯の方が大事です。

 しかし、親知らずを抜くまで何の問題もなかった他の歯が、なぜこんなことに。救いは今回の担当医A先生が穏やかな先生で聞けば何でも答えてくださると言うことでした。

 聞いた診察内容を帰宅したオットーに告げたところ「え?」と驚かれてしまいました。

「今まで歯、何ともなかったのに?」
「そう。」
「歯茎が腫れて診てくれって言っても診なかったよね?」
「そう。」
「行きつけの歯医者はレントゲン撮ったのに全然分からなかったってこと?」
「そうみたい。歯の中にある、無数の管が枝葉みたいになってて、その奥に菌が入ってたらこれ以上は治療出来ないって言われてさ。CTが撮れる大きなところでって言われて行ってきたんだけど。」
「菌がどうこうじゃなくてレントゲンに映るくらいツーマの骨が無くなってそれで腫れてたってこと?レントゲンは撮ってたんでしょ?」
「うん、何枚もね。」
「ヤブじゃない!て言うか医療過誤だよそれ!今まで何ともなかったのに!訴える?」
「うーん。訴えても歯は戻ってこないしなぁ。」
「それはそうだけど。」
「それより1年前に歯科大学がちゃんと診てくれてたら行きつけの歯医者で無駄な治療と時間費やさなかったと思うと。行きつけより歯科大学に腹立つ。」
「それはまぁ。」

 オットーは憤懣やる方ないと言った感じ。ツーマより怒ってます。訴えようと言われましたが、間が悪いことにちょうど不正利用で気忙しくもうこれ以上は辛いとそのままに。

 一週間後の治療に行った時、インプラントにすると伝えようと決めたのですが。

 少しおかしな雲行きになっていきます。
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