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événement principal acte 33 交渉

Sept

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 それから三日後。当初の予定では皆でアーガン伯爵領へ発つだったその日、ようやくティアナの熱は下がり皆安堵した。このまま様子を見て、体調が戻り次第先にアーガン伯爵領へアリーとルディウス、オリヴィエたちと共に発つこととなった。使用人たちや騎士たち、門兵たちも連れて大規模な移動となる。

 本来なら当然エリオットやバルク、ダビデも一緒に向かうはずだった。しかしロウの報告では間違いなく近いうちに登城要請が降りる。このまま王都に残り、全て片付けてから気持ちよく結婚式に臨みたい。三人の気持ちが一致した。登城要請まで三人でタウンハウスにいても仕方がないので一旦カーリア男爵家へ移ることに決めた。

 三日後ティアナが復調し、アーガン伯爵領へと発つのを見送ると予定通りタウンハウスをシークレット・ロータスの社長に明け渡した。

 長きに亘り、アーガン伯爵家の歴史が刻まれたタウンハウスは固く閉ざされ、表には私有地への立ち入りを禁止する旨の告知が張り出された。

 こうしてエリオットはタウンハウスから一人立ち去り、ダビデやバルクと共にカーリア男爵家へ束の間身を寄せたのである。

 初めて訪れたカーリア男爵家は温かく居心地のいい屋敷で使用人たちは皆平民や孤児だと紹介された。領邸の使用人たちに似通った雰囲気の彼らはエリオットに対して特別阿ることも謙ることもなく、自然体で過ごしやすい。
 どうしても人前では構える癖があったものの妙齢の女性や壮年の男性ばかりでエリオットはすぐに肩の力を抜くことができた。

 住まう当主の人柄だろうな。

 そうやって想像よりも快適に過ごし、五日後バルクとダビデに登城要請が降りた。二日後登城するよう書かれている。ダビデはエリオットも同行するようにと告げた。

「呼ばれていませんが。」
 もちろんその場に立ち会い、国王ロドスと王女ロゼリアに最後通牒を突きつけたい気持ちはある。いや、その気持ちしかない。だが呼ばれていないのに登城するのはバルクやダビデの立場を悪くはしないだろうか。

 提示した策はエリオットが居なくても間違いなく成功する。それは保証する。ここに残ったのはあの愚か者たち、国王ロドスと王女ロゼリアそして三人の襲撃者たちの最後がどうなるのか見届けるためだった。

 少なくとも、ティアナを攫いラッセルとアントンを襲った三人の斬首刑は見届ける。

「エリオット様には居てもらわないと。」
「私らも心強い。」
 バルクとダビデそれぞれに肩を叩かれ、エリオットは頷いた。

 結婚式まで後二週間。

「では、さっさと片付けてティアたちの元へ帰りましょう。」
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