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événement principal acte 25 夜会
Cinq
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馬車にライが乗り込むと、緩やかに走り出した。
最初に沈黙を破ったのはアッシュだった。
「あんな非常識な王女はなかなかお目に掛かれないね。」
「そうね、びっくりしたわ。今頃私、呪いでもかけられていそうよ。あれは王女と言うより魔女よ、魔女。」
フェリシテが言い返す。ライがぼそりと続けた。
「宰相が真っ青になって謝っていましたよ。すぐに近衛騎士たちに囲まれて連れて行かれました。」
「……それは。見たかったな。」
エリオットが漏らすと馬車の中は途端に笑いで包まれた。
「で、あれってそう言うことですか?」
一頻り笑うとフェリシテがエリオットに問いかけた。
「まあ。認めたくはないですが。」
「……怖いですね。」
心底同情すると瞳が訴える。げんなりとして溜め息をついた。
「もう、八年目です。」
「「「は?」」」
三人揃って口が開く。
「15歳の秋からです。今年に入って八年目になります。」
「……なんて言うか。熟成してますね。」
「発酵よ。」
「それ、腐っているとも言います。」
アッシュ、フェリシテ、ライの順に可哀想なものを見る瞳で見られる。エリオットは瞳を瞑った。
「そろそろ、本気でどうにかしないと。」
「あれを。我が国の皇弟殿下に押し付けようとしたんですか。」
ライが唸る。アッシュが苦虫を噛み潰したように唇をひん曲げだ。
フェリシテが眉をこれでもかと下げる。
「あれは。ないです。いりません。タダでもいりません。あれが皇族に名を連ねるとか。おお!寒い!やだ!さっきより鳥肌が!!!」
「アーガン伯爵には申し訳ないが……ごねてくれて良かったよ。」
アッシュがぽつりと呟く。フェリシテもライも頷いた。エリオットは瞳を開くとじっとアッシュを見つめながら続けた。
「今ではどこからも縁談が来なくなったようです。このままでは王命で押し付けられる未来も否定できない。まあ、全力で回避しますが。」
エリオットが嘆息するとフェリシテが瞳を輝かせて見つめてくる。
「どうするんですか?」
「まあ。今年中には。どうにかします。」
エリオットが言葉を濁すと三人が唇を尖らせた。
変な所が似ているな、と笑った。
最初に沈黙を破ったのはアッシュだった。
「あんな非常識な王女はなかなかお目に掛かれないね。」
「そうね、びっくりしたわ。今頃私、呪いでもかけられていそうよ。あれは王女と言うより魔女よ、魔女。」
フェリシテが言い返す。ライがぼそりと続けた。
「宰相が真っ青になって謝っていましたよ。すぐに近衛騎士たちに囲まれて連れて行かれました。」
「……それは。見たかったな。」
エリオットが漏らすと馬車の中は途端に笑いで包まれた。
「で、あれってそう言うことですか?」
一頻り笑うとフェリシテがエリオットに問いかけた。
「まあ。認めたくはないですが。」
「……怖いですね。」
心底同情すると瞳が訴える。げんなりとして溜め息をついた。
「もう、八年目です。」
「「「は?」」」
三人揃って口が開く。
「15歳の秋からです。今年に入って八年目になります。」
「……なんて言うか。熟成してますね。」
「発酵よ。」
「それ、腐っているとも言います。」
アッシュ、フェリシテ、ライの順に可哀想なものを見る瞳で見られる。エリオットは瞳を瞑った。
「そろそろ、本気でどうにかしないと。」
「あれを。我が国の皇弟殿下に押し付けようとしたんですか。」
ライが唸る。アッシュが苦虫を噛み潰したように唇をひん曲げだ。
フェリシテが眉をこれでもかと下げる。
「あれは。ないです。いりません。タダでもいりません。あれが皇族に名を連ねるとか。おお!寒い!やだ!さっきより鳥肌が!!!」
「アーガン伯爵には申し訳ないが……ごねてくれて良かったよ。」
アッシュがぽつりと呟く。フェリシテもライも頷いた。エリオットは瞳を開くとじっとアッシュを見つめながら続けた。
「今ではどこからも縁談が来なくなったようです。このままでは王命で押し付けられる未来も否定できない。まあ、全力で回避しますが。」
エリオットが嘆息するとフェリシテが瞳を輝かせて見つめてくる。
「どうするんですか?」
「まあ。今年中には。どうにかします。」
エリオットが言葉を濁すと三人が唇を尖らせた。
変な所が似ているな、と笑った。
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