【完結】R-15 私はお兄様を愛している

événement principal acte 24 日常

☆Trois

　王都庭園前の広場に着くと、ティアナは嬉しそうにはしゃいだ。馬車の窓から外を眺め、振り返る。

「リオ様、私ここにくるのは初めてです。」
「そうか。ここはとても広くてたくさんの花が年中咲いている。中には四阿も点在していて休憩も出来るから、楽しんでくると良い。」
「はい。」
　微笑むティアナの頬を両手で包み、唇に吸い付く。
　軽く何度も吸い付き、柔らかさを味わった。ティアナも軽く合わせてくる。

「ふふふ。唇が赤くなっちゃう。」
「そうだな。」
　二人で額を合わせ、くすくすと笑い合う。エマやサマンサと違い、セリーナやフォルカは何も言わないのでエリオットは気にせず再び唇に吸い付いた。

「ティア。愛してる。」
「私も。リオ様。」

　二人きりでいちゃいちゃしていたら遠慮がちに扉がノックされた。
　慌ててティアナが胸を押す。

「ティア。」
「後で。後で、ね？」
「ちょおっとー。まだ？ねぇ、まだかしら？」
　フェリシテの無遠慮な声が響く。

　エリオットが天を仰ぎ、ティアナが真っ赤になっていると外から「邪魔するんじゃないよ。」と言う声の後「いたぁい！」と叫び声が聞こえた。

　どうやらまた、フェリシテがアッシュに叩かれたようだった。