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événement principal acte 23 欲望
Douze
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ルディウスが落ち着き、カップを手にしたのを見てエリオットも手を伸ばした。
二人で少し冷めてしまった紅茶をゆっくり飲む。
ソーサーに戻すと、ルディウスがエリオットを見た。
「それで。この前の話だけれど。」
「はい。」
エリオットもソーサーに戻すと、視線を返す。
「その……アリーのことは……。本当だろうか。」
「ええ、本当です。」
「そう……。そうか。」
俯くとリボンを撫で黙り込む。
「それで、詳しい話は後ほどと言いましたが。」
「ああ。」
縋るように見てくるルディウスに緩く口角を上げ、続けた。
「私からではなく別の方から詳しく話をして頂くことにしました。」
「別?」
「はい。彼はアリー様から直接あなたの話を聞いていて、全ての事情も理解しています。」
「……。」
「アリー様の義兄です。今この領邸に滞在しています。あなたのことを調べて、公爵家に入るまでの事情を知り何とかあなたと接点を持てないものかと。機会を窺っていたんです。」
「……よく、調べられたね。」
「だいぶ、骨が折れたようですが。」
「そうか……。」
「こちらにお呼びしますから、ゆっくり話をされて下さい。」
「……ありがとう。」
エリオットは立ち上がると退室し、そのままバルクに割り当てた客室へと向かった。ノックをすると、すぐに扉が開く。
「待たせた。」
「いえ。」
「行こうか。」
「はい。」
緊張した面持ちのバルクを連れ、再びルディウスのいる部屋へと戻る。ノックをして応えを確認すると二人で入室した。
バルクを見たルディウスが瞠目する。
「こちらが、アリー様の義兄。カーリア男爵家当主、バルク・カーリア殿です。」
「初めまして、フェルティウム公爵令息様。」
バルクが会釈すると動きを止めていたルディウスが慌てて頭を下げた。
「こちらこそ。初めまして、カーリア男爵。」
「アリーから話を聞き、あなたを調べて接触する機会を窺っていました。今から少し、宜しいですか。」
「もちろん。どうぞ。」
先程までエリオットが座っていた椅子を促す。バルクが腰掛けると、エリオットはベルを鳴らしアントンを呼んだ。紅茶を入れ替えている間に、退室する。
後のことはバルクに任せて、エリオットはこれからの策を練ることにした。
まずは王宮へ手紙を出し、時間稼ぎをしなければ。
二人で少し冷めてしまった紅茶をゆっくり飲む。
ソーサーに戻すと、ルディウスがエリオットを見た。
「それで。この前の話だけれど。」
「はい。」
エリオットもソーサーに戻すと、視線を返す。
「その……アリーのことは……。本当だろうか。」
「ええ、本当です。」
「そう……。そうか。」
俯くとリボンを撫で黙り込む。
「それで、詳しい話は後ほどと言いましたが。」
「ああ。」
縋るように見てくるルディウスに緩く口角を上げ、続けた。
「私からではなく別の方から詳しく話をして頂くことにしました。」
「別?」
「はい。彼はアリー様から直接あなたの話を聞いていて、全ての事情も理解しています。」
「……。」
「アリー様の義兄です。今この領邸に滞在しています。あなたのことを調べて、公爵家に入るまでの事情を知り何とかあなたと接点を持てないものかと。機会を窺っていたんです。」
「……よく、調べられたね。」
「だいぶ、骨が折れたようですが。」
「そうか……。」
「こちらにお呼びしますから、ゆっくり話をされて下さい。」
「……ありがとう。」
エリオットは立ち上がると退室し、そのままバルクに割り当てた客室へと向かった。ノックをすると、すぐに扉が開く。
「待たせた。」
「いえ。」
「行こうか。」
「はい。」
緊張した面持ちのバルクを連れ、再びルディウスのいる部屋へと戻る。ノックをして応えを確認すると二人で入室した。
バルクを見たルディウスが瞠目する。
「こちらが、アリー様の義兄。カーリア男爵家当主、バルク・カーリア殿です。」
「初めまして、フェルティウム公爵令息様。」
バルクが会釈すると動きを止めていたルディウスが慌てて頭を下げた。
「こちらこそ。初めまして、カーリア男爵。」
「アリーから話を聞き、あなたを調べて接触する機会を窺っていました。今から少し、宜しいですか。」
「もちろん。どうぞ。」
先程までエリオットが座っていた椅子を促す。バルクが腰掛けると、エリオットはベルを鳴らしアントンを呼んだ。紅茶を入れ替えている間に、退室する。
後のことはバルクに任せて、エリオットはこれからの策を練ることにした。
まずは王宮へ手紙を出し、時間稼ぎをしなければ。
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