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événement principal acte 20 思惑
Deux
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エリオットの元に、貴族院への招集状が届いた。議題は今年の秋に開催される王家主催の狩猟大会についてだと言う。
春を迎え、ティアナは進級し二年生となった。変わらずヴィヴィアンたちと一緒に過ごしており、プレスコット子爵家を前にして不用意に近づくものはいないらしく穏やかに学校生活を送っている。
また新たにフォルカも加わり、ティアナの周囲もある程度護りが固められ安心出来る環境になっていた。
ロドスからは、あれから音沙汰がない。
プレシーズによればロゼリアは部屋に籠りきりで誰とも会おうとしないらしい。おかげでテレンシア皇国には自ら婚約を頼んでおきながら保留を返すと言うなんとも言えない事態となっている。
幸いと言うか、テレンシア皇国側は鷹揚に構えていた。
別に、テレンシア皇国はロゼリアとの婚約が無くなっても困ることは何も無い。欲しいのはスル=クルールであってロゼリアではないのだから。あまり膠着状態が続くようなら流してしまっても構わない。
頷いたのは自国で生産出来れば順番を待たず手に入れることが出来るから。
利点と言えばそれくらいのものだった。
しかしそれも今ではあまり価値があるとは言えなくなっている。
バルクから報告を受けたダビデはすぐ、テレンシア皇国に赴き皇家にアーガン・シルクを献上した。
伝手はバルクから紹介されたフェリシテ・イゾルト公爵令嬢だった。イゾルト公爵家現当主の娘であり、祖母は先々代皇帝の妹。
少し遠いが皇族の血族であり、かなり低いが皇位継承権も持っている。
バルク曰く「持つべきものは権力を持つ友。」である。これが切り札の一つだった。
すんなりと謁見が叶い、アーガン・シルクを献上したダビデはすぐさま帰国。フェリシテはのびのびになっていた土の調査に入る為そのままテレンシア皇国に残った。
このまま、保留し続ければテレンシア皇国は打診を取り下げるだろう。
そうなれば、ロドスがスル=クルールを手に入れる理由は無くなる。
何故なら他国に未婚で婚約者のいない王族は他にいないからだ。居ても産まれて間もない赤子なので20歳のロゼリアは見向きもされない。
エリオットたちは座して待つだけである。
春を迎え、ティアナは進級し二年生となった。変わらずヴィヴィアンたちと一緒に過ごしており、プレスコット子爵家を前にして不用意に近づくものはいないらしく穏やかに学校生活を送っている。
また新たにフォルカも加わり、ティアナの周囲もある程度護りが固められ安心出来る環境になっていた。
ロドスからは、あれから音沙汰がない。
プレシーズによればロゼリアは部屋に籠りきりで誰とも会おうとしないらしい。おかげでテレンシア皇国には自ら婚約を頼んでおきながら保留を返すと言うなんとも言えない事態となっている。
幸いと言うか、テレンシア皇国側は鷹揚に構えていた。
別に、テレンシア皇国はロゼリアとの婚約が無くなっても困ることは何も無い。欲しいのはスル=クルールであってロゼリアではないのだから。あまり膠着状態が続くようなら流してしまっても構わない。
頷いたのは自国で生産出来れば順番を待たず手に入れることが出来るから。
利点と言えばそれくらいのものだった。
しかしそれも今ではあまり価値があるとは言えなくなっている。
バルクから報告を受けたダビデはすぐ、テレンシア皇国に赴き皇家にアーガン・シルクを献上した。
伝手はバルクから紹介されたフェリシテ・イゾルト公爵令嬢だった。イゾルト公爵家現当主の娘であり、祖母は先々代皇帝の妹。
少し遠いが皇族の血族であり、かなり低いが皇位継承権も持っている。
バルク曰く「持つべきものは権力を持つ友。」である。これが切り札の一つだった。
すんなりと謁見が叶い、アーガン・シルクを献上したダビデはすぐさま帰国。フェリシテはのびのびになっていた土の調査に入る為そのままテレンシア皇国に残った。
このまま、保留し続ければテレンシア皇国は打診を取り下げるだろう。
そうなれば、ロドスがスル=クルールを手に入れる理由は無くなる。
何故なら他国に未婚で婚約者のいない王族は他にいないからだ。居ても産まれて間もない赤子なので20歳のロゼリアは見向きもされない。
エリオットたちは座して待つだけである。
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