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événement principal acte 17 初恋
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学校の教職員棟は緊張感に包まれていた。
アーガン伯爵家当主エリオット・アーガンから学長宛に手紙が届き、注意喚起と言う名の警告がなされたからだ。
「先日、婚約者のティアナ・シュトラウに暴言を吐いたものがいる。名はマシュー。レミントン商会の支店を経営している平民の息子だ。二度と我が婚約者に近付けることのないように。次はない。」
「全く。なんてことをしてくれたのだ。」
「頭が痛い。」
「しかし、どうする。」
「マシューの家からは多額の寄付が。」
「寄付が無くなるのは困る。」
「しかしアーガン伯爵家に睨まれる方が。」
「確かに。」
会議場に集められた全教職員たちは狼狽えていた。全員を見渡し、学長が厳かに告げる。
「この警告を無視することは出来ない。次はない、と言うことは我々にも次はないと言うことだ。」
しん。
学長の言葉に静まり返った。
確かにそうだ。平民が貴族令嬢に暴言を吐いたのだ。未成年の場合、両親も共に不敬罪で罰せられる。場所がここ、学校だったのだから管理不行き届きで学長を始め全教職員も無事では済まない。
それを今回見逃す代わりに次はないと言われているのだ。
「分かりましたね、しかもマシューだけではありません。他の男子生徒もです。今まで以上に気を付けるように。」
全教職員は一礼して合意を示した。確かに今回はマシューだが他の男子生徒が近寄れば同じくアーガン伯爵は反応するだろう。もし間違いが起きればどうなるか分からない。
少なくとも今年から三年間。ティアナ・シュトラウに男子生徒は誰一人近付けてはならないと周知徹底された。
アーガン伯爵家当主エリオット・アーガンから学長宛に手紙が届き、注意喚起と言う名の警告がなされたからだ。
「先日、婚約者のティアナ・シュトラウに暴言を吐いたものがいる。名はマシュー。レミントン商会の支店を経営している平民の息子だ。二度と我が婚約者に近付けることのないように。次はない。」
「全く。なんてことをしてくれたのだ。」
「頭が痛い。」
「しかし、どうする。」
「マシューの家からは多額の寄付が。」
「寄付が無くなるのは困る。」
「しかしアーガン伯爵家に睨まれる方が。」
「確かに。」
会議場に集められた全教職員たちは狼狽えていた。全員を見渡し、学長が厳かに告げる。
「この警告を無視することは出来ない。次はない、と言うことは我々にも次はないと言うことだ。」
しん。
学長の言葉に静まり返った。
確かにそうだ。平民が貴族令嬢に暴言を吐いたのだ。未成年の場合、両親も共に不敬罪で罰せられる。場所がここ、学校だったのだから管理不行き届きで学長を始め全教職員も無事では済まない。
それを今回見逃す代わりに次はないと言われているのだ。
「分かりましたね、しかもマシューだけではありません。他の男子生徒もです。今まで以上に気を付けるように。」
全教職員は一礼して合意を示した。確かに今回はマシューだが他の男子生徒が近寄れば同じくアーガン伯爵は反応するだろう。もし間違いが起きればどうなるか分からない。
少なくとも今年から三年間。ティアナ・シュトラウに男子生徒は誰一人近付けてはならないと周知徹底された。
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