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événement principal acte 16 歓迎

dix-huit

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 エリオットはシリルたちと食堂で昼食を終えると、スコットを呼んだ。

「ティアナはどうしている。」
「はい。セリーナを伴い、領邸の案内をご希望されましたので一階フロアを案内致しました。客室で昼食の後、午後からは二階フロアを案内する予定です。」
「そうか。ではその案内はエマに。三階フロアの最後にティアナを私の自室に案内するよう伝えろ。セリーナは夕食まで自由に過ごして良い。スコット、少し話がある。自室へ。」
「畏まりました。」
「シリルたちは先に戻って午後からの準備を。」
「「「はい。」」」

 エリオットが席をたち、食堂を後にする。ラッセルを伴い、後ろからシリル、アイザック、ケビンと続いた。
 皆三階フロアに向かい、自室と執務室それぞれに入室する。エリオットはソファに近づき座るとラッセルに呼ぶまで下がるよう告げた。

 スコットはエマに指示を出すと、エリオットの自室を訪れた。ノックをし応えを確認してから一礼の後入室する。
 ワゴンから紅茶を淹れ、そっとテーブルに置いた。
 エリオットはカップを手に取って一口飲むとソーサーに戻しそのまま、スコットを見つめた。

「前回、帰領したときに処分した下女のことだが。」

 ぴくり、とスコットが反応した。

「ベントリーから聞いた。経緯も聞かず、悪かった。」
「……そんな。旦那様は何も間違っておられません。」
「……そうだな。あの時のようなことが、もしまたあれば私はやはり同じように判断するだろうし処分を躊躇わないだろう。」
「はい。」
「だが、お前の心情を慮ることとは別だ。」
「……そんな……ありがとう、ございます。」
 俯いたスコットは肩を震わせた。
 
 彼の娘アリアンは王都にいるスコットの知人を頼り、下宿して学校を卒業した。その後、「お世話になった恩を返したい。」と知人の経営する食堂で働き暮らしていたが運悪く流行病に罹ってしまい若くして亡くなる。スコットは領地にいた為、接触は許されず最後は死に目にすら会えなかった。遅くに婚姻したスコットは、産まれたアリアンを溺愛していた。その歳の差でよく孫に間違えられるくらいだった。しかも娘が産まれてすぐ妻も亡くしていた為、彼女は唯一の家族だった。

 その、気持ちを思い出を踏み躙ったのだ。

 エリオットの自室にスコットの嗚咽が響いた。彼が落ち着くまで、エリオットは黙って紅茶を口にした。
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