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événement principal acte 15 婚約
Deux
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アリーとティアナが別邸に戻ってきた翌日。
エリオットは朝食の後、執務室にベントリーを呼んだ。シカッルの件が無事片付き、今後アーガン伯爵家との関わりが漏れる心配はないと告げると目に見えて安堵したようだった。ベントリーにもマーカス・オルコットのその後は耳に入っており、凡その見当は付いていたようだが改めて知らされるとやはり違ったらしい。
続けて、ティアナが異母妹ではなかったことを告げた。
ダビデとバルクから聞き、実の父親についてはまだ何も分かっていないと話した。
それから自ら望んでティアナと婚約するつもりであることも。
ベントリーは瞠目したが、何も言わずに了承の一礼を返した。
ベントリーにとって、何よりも大切なのはアーガン伯爵家であり血を次代に繋ぐことだった。
エリオットの女性不信は凄まじく、婚約者が決まらないことはベントリーにとって永年不安の種だった。
異母妹でないのなら、問題ない。何より旦那様が望んでいるのなら遠くない未来、後継者は産まれるだろう。ただ、因果を感じずにはいられなかった。
エリオットは今日これからアリーと話をして承諾が得られれば改めて皆に話すので、それまでは他言無用を言い含めた。
ベントリーは了承して退室した。
昼食を終え、少ししてからダビデとバルクがタウンハウスを訪ねてきた。
二人を応接室で迎えたエリオットはエイブラハムのことで感謝された。
「上手く終わらせる事ができました。オリヴィエを預かって頂いて本当にありがとうございます。」
バルクが頭を下げ、ダビデもそれに倣った。
「別に、大したことはしていない。まだ私はやる事があってお会いすらしなかったのだし。」
媚薬の慣らしをしている最終段階だったので予定通りオリヴィエとは一度も会わなかった。返って不快に思ったのではと思ったくらいだ。
「いえ。それはオリヴィエにも忙しい方だからと言い含めておりましたので。前回といい直接お礼が伝えられずに残念がっていただけです。」
「気を遣わせたな。」
「機会がありましたら、是非紹介させて下さい。」
「そうだな。」
一旦話が途切れるとダビデが切り出した。
「あの、先日の件ですが。今からアリーを交えて話しても宜しいでしょうか。」
「ああ、もちろん。ではエマを連れて行こう。セリーナがまだ戻っていないから、話している間、見てもらった方がいい。」
「はい。」
ベルを鳴らしてアントンを呼ぶとエマに別邸へ来るようにと指示をだし、三人で向かった。
アリーとティアナに会うのは久しぶりだった。
エリオットは朝食の後、執務室にベントリーを呼んだ。シカッルの件が無事片付き、今後アーガン伯爵家との関わりが漏れる心配はないと告げると目に見えて安堵したようだった。ベントリーにもマーカス・オルコットのその後は耳に入っており、凡その見当は付いていたようだが改めて知らされるとやはり違ったらしい。
続けて、ティアナが異母妹ではなかったことを告げた。
ダビデとバルクから聞き、実の父親についてはまだ何も分かっていないと話した。
それから自ら望んでティアナと婚約するつもりであることも。
ベントリーは瞠目したが、何も言わずに了承の一礼を返した。
ベントリーにとって、何よりも大切なのはアーガン伯爵家であり血を次代に繋ぐことだった。
エリオットの女性不信は凄まじく、婚約者が決まらないことはベントリーにとって永年不安の種だった。
異母妹でないのなら、問題ない。何より旦那様が望んでいるのなら遠くない未来、後継者は産まれるだろう。ただ、因果を感じずにはいられなかった。
エリオットは今日これからアリーと話をして承諾が得られれば改めて皆に話すので、それまでは他言無用を言い含めた。
ベントリーは了承して退室した。
昼食を終え、少ししてからダビデとバルクがタウンハウスを訪ねてきた。
二人を応接室で迎えたエリオットはエイブラハムのことで感謝された。
「上手く終わらせる事ができました。オリヴィエを預かって頂いて本当にありがとうございます。」
バルクが頭を下げ、ダビデもそれに倣った。
「別に、大したことはしていない。まだ私はやる事があってお会いすらしなかったのだし。」
媚薬の慣らしをしている最終段階だったので予定通りオリヴィエとは一度も会わなかった。返って不快に思ったのではと思ったくらいだ。
「いえ。それはオリヴィエにも忙しい方だからと言い含めておりましたので。前回といい直接お礼が伝えられずに残念がっていただけです。」
「気を遣わせたな。」
「機会がありましたら、是非紹介させて下さい。」
「そうだな。」
一旦話が途切れるとダビデが切り出した。
「あの、先日の件ですが。今からアリーを交えて話しても宜しいでしょうか。」
「ああ、もちろん。ではエマを連れて行こう。セリーナがまだ戻っていないから、話している間、見てもらった方がいい。」
「はい。」
ベルを鳴らしてアントンを呼ぶとエマに別邸へ来るようにと指示をだし、三人で向かった。
アリーとティアナに会うのは久しぶりだった。
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