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événement principal acte 13 暗躍

vingt et un

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 ダビデからの返信にエリオットは首を傾げていた。

 これから一年、預かるのは構わないが出来ればセリーナをこちらに寄越して欲しいとあった。
 理由はティアナが寂しがっていると言うのだ。

 別に構わないが、楽しんでいたのではなかったのか?

 続けてダビデは一度王都に戻るとあった。そろそろバルクの結婚式の準備が佳境に入るからだ。

 ティアナからたまに届く手紙には如何に楽しいかが便箋いっぱいに書かれていた。
 エリオットはまさか、ティアナが帰りたがっているとは思わず了承の返事だけ送った。
 同時にスコットとクライヴ宛にセリーナの訓練が終わり次第、休暇を取らせた後カーリア男爵領に向かうよう認める。
 ティアナが待っていると書けば恐らくあのセリーナのことだ。単騎で駆けつけるだろう。

 次にシリルから届いた手紙に目を通した。
 アイザックとケビン、三人で話し合い分担しながらアンシェルの事業に取り組んでいるらしい。
 執務に関してはスコットから引き継ぎを受けながらこなしていると書かれていた。シリルが習得したものはアイザックとケビンに。それぞれが補佐をやる時に支障が出ないよう今のうちから関わっていると言う。今まで通りスコットが使っていた部屋で三人籠って取り掛かっているらしく、「旦那様が四階に上がられる時にご一緒します。」と書かれていた。一から調度品を揃える必要がある為、まぁそれでもいいかと納得した。

 フェリシテの土壌生成は上手くいき、株分けから試しているとのことだった。また、途中経過を知らせますとある。

 順調に回っていて安堵する。

 しかし同じ順調でも一つだけ不本意な事象がエリオットを苦しめていた。
 微熱が続いたような怠さが常に続いている。

 熱がうちにこもり、吐く息まで熱い気がする。

 肌は常にしっとりと汗ばみ全身薄桃色に上気していた。
 長い銀髪が首筋に張り付き鬱陶しい。
 金瞳は潤んでいて、ちらちらと薄い緑の虹彩が瞬いている。

 視線をやると、認め難いが陰茎が緩く立ち上がりスラックスの前立てを押し上げていた。

「くそ。」

 そのままやり過ごすことにした。
 なるべく抑えなければ。
 成人してからの慣らしはきついと聞くが、本当だなと息を吐いた。

 それでも誰とも褥を共にしたいとは思わなかった。

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