上 下
222 / 520
événement principal acte 13 暗躍

Quatorze

しおりを挟む
 それから一ヶ月後に待ち侘びた王女からの使いが訪れた。今まで一度も待ったことはないが今回は違う。
 
 さて、直接ご対面と行こうか。

 ラッセルとアントンにパメラを玄関ホールまで連れてくるよう指示する。

 ノーマンと共に先に玄関ホールに辿り着くとちょうどノッカーの音が響いた。

 その後は、予定通り。
 
 パメラを引き渡し、執務室に戻るとエリオットはノーマンに指示を出した。
「予想通り、使者はマルガレータ・レドモンドからの使いだったな。」
「はい。ということは手紙の差出人は。」
「ロゼリア・シーヴァス。蛭のような女だ。」
 エリオットが吐き捨てるとノーマンは狼狽えた。

「旦那様、誰かに聞かれでもしたら。」
「お前しかいないだろ。さて、ノーマン。パメラの生家、子爵家にお前の名で手紙を出せ。内容はさっき使者に伝えた通りだ。」
「パメラは王宮侍女長に目をかけて頂き、勤め先が王宮に変わったと連絡致します。」
「ああ。急なことだったから荷物はそのままだろう?手紙と共に全て生家に送り付けろ。王宮に相応しいものを改めて用意して娘に会いに行くだろう。」
「畏まりました。」
 ノーマンが一礼して退室した。

 使いのものには引き取らせる為ああ言ったが実はパメラの生家には連絡すら入れていなかった。

 使者の反応で確信を得てからでも遅くはない。そう思っていたので後はないと嘘をついただけである。

「まぁ今から言えば結果は同じだ。」

 子爵家からしてみれば、王宮に勤めるなど破格だろう。どんな家門も喜んで吹聴するはずだ。

 マルガレータはどうするのだろう。自身の屋敷に隠すこともできないのだ。
 そうすると身近に置くしかなくなる。

 頭が悪く、すぐに騙されるパメラのことだ。早晩口を滑らせ、失態を犯すに違いない。

 そうなった時のマルガレータの慌てようが見れなくて残念だなとエリオットは思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。 病院で診てくれた医師は幼馴染みだった! 「こんなにかわいくなって・・・。」 10年ぶりに再会した私たち。 お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。 かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」 幼馴染『千秋』。 通称『ちーちゃん』。 きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。 千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」 自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。 ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」 かざねは悩む。 かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?) ※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。 想像の中だけでお楽しみください。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。 すずなり。

処理中です...