【完結】R-15 私はお兄様を愛している

événement principal acte 12 生起

Sept

　領邸のスコットから手紙が届いた。

　エリオットが側近とその補佐として考えていた三人が私設騎士団を任期満了で退団したこと。その三人がタウンハウスまで挨拶に行きたいと言っていることが書かれていた。

　確かに、当分領地に行く予定はない。アンシェルの事業を任せるにしてもその前に顔を見て話をしておきたいと思った。

　それに、ここであれば領邸ほど周囲を気にせずに父の話をしておくことが出来る。元々父はタウンハウスにあまり居なかった為、使用人たちからの関心が薄い。
　今後事態がどう動くか分からないが、密輸ルートと関係者を潰すと決めたからには何処かで彼らに話しておかなければならない。それに入院には送り届ける為の付き添いが必要だろう。

　三人がこちらにくるなら、領地に戻る時はフェリシテを連れて行ってもらうか。と思いつく。土壌生成が終わってフェリシテが王都に戻ってくる時はセリーナが護衛すればいい。ティアナも喜ぶだろうし、そうするか。

　ティアナのことを思い出すと芋づる式にバルクが言った婚約を思い出す。

　あんな子供相手に何を言ってるんだかと溜め息をついた。

　スコットに了承の返事を認め、侍従に出すよう渡す。今日の担当はアントンだった。ラッセルとは一ヶ月置きに交代している。

　どちらも今のところ問題なく勤めてくれている。エリオットとしては気持ちに余裕が生まれ、選んでよかったと思っている。