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événement principal acte 11 真実
Cinq
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四阿で、アリーは刺繍を刺していた。
次々と図案が浮かんできて、楽しいのだ。機嫌良く過ごしていると声がした。
「アリー。」
「お父様。バルクも。いらっしゃい。」
振り向くと、久しぶりに会う父と義兄がいた。紅茶はいつも用意してある。いつ来てもいいように。
席を勧め、紅茶を注いだ。
「久しぶりだわ。お元気でした?」
ダビデに微笑むと嬉しそうに頷く。忙しかったようだが健康そうで安心した。隣に座ったバルクも機嫌が良さそうだ。
「ふふふ、待ってる間にたくさん刺したの。見てくださる?」
「あぁ、もちろん。見せておくれ。」
ハンカチを差し出され、手の上で広げる。見事な出来栄えに感嘆のため息が漏れた。隣からバルクも覗き込み、感心している。
「腕が戻ったようで安心したよ、アリー。」
「本当に。素晴らしいな。」
「良かった。」
嬉しそうにはにかんで、カップに口をつける。そのままソーサーに戻すとダビデとバルクを見て姿勢を正した。
「率直に聞かせて欲しいの。私、華としてデビュー出来るかしら。」
緊張で喉が張り付く。しっかりと二人を見て返事を待った。
ハンカチを見ていたダビデとバルクは顔を上げ、お互いに目配せする。そしてバルクが口を開いた。
「では、身内の欲目抜きで。カーリア商会副会頭として、華の担当者として答える。」
「はい。」
「採用だ、アリー。おめでとう。」
「おめでとう、アリー。」
バルクとダビデに採用と祝福を告げられ、アリーは破顔した。夢だった【華】として活躍できる。本来はデビュタントを終え、婚姻したら華としてデビューする予定だった。あの日から約十二年、やっと夢が叶う。
これで、自立してティアナと暮らしていける。
「ありがとう、お父様。ありがとうバルク。」
涙が溢れて止まらなかった。それはとても美しい涙だった。
次々と図案が浮かんできて、楽しいのだ。機嫌良く過ごしていると声がした。
「アリー。」
「お父様。バルクも。いらっしゃい。」
振り向くと、久しぶりに会う父と義兄がいた。紅茶はいつも用意してある。いつ来てもいいように。
席を勧め、紅茶を注いだ。
「久しぶりだわ。お元気でした?」
ダビデに微笑むと嬉しそうに頷く。忙しかったようだが健康そうで安心した。隣に座ったバルクも機嫌が良さそうだ。
「ふふふ、待ってる間にたくさん刺したの。見てくださる?」
「あぁ、もちろん。見せておくれ。」
ハンカチを差し出され、手の上で広げる。見事な出来栄えに感嘆のため息が漏れた。隣からバルクも覗き込み、感心している。
「腕が戻ったようで安心したよ、アリー。」
「本当に。素晴らしいな。」
「良かった。」
嬉しそうにはにかんで、カップに口をつける。そのままソーサーに戻すとダビデとバルクを見て姿勢を正した。
「率直に聞かせて欲しいの。私、華としてデビュー出来るかしら。」
緊張で喉が張り付く。しっかりと二人を見て返事を待った。
ハンカチを見ていたダビデとバルクは顔を上げ、お互いに目配せする。そしてバルクが口を開いた。
「では、身内の欲目抜きで。カーリア商会副会頭として、華の担当者として答える。」
「はい。」
「採用だ、アリー。おめでとう。」
「おめでとう、アリー。」
バルクとダビデに採用と祝福を告げられ、アリーは破顔した。夢だった【華】として活躍できる。本来はデビュタントを終え、婚姻したら華としてデビューする予定だった。あの日から約十二年、やっと夢が叶う。
これで、自立してティアナと暮らしていける。
「ありがとう、お父様。ありがとうバルク。」
涙が溢れて止まらなかった。それはとても美しい涙だった。
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