169 / 520
événement principal acte 9 反撃
Dix
しおりを挟む
カーリア商会会頭室。
ダビデに呼ばれ、バルクが入室するとソファにはプレシーズのロウが座っていた。
テーブルには珍しく、紅茶が置かれている。
対面にバルクが座ると執務机についているダビデが声をかけた。
「受けてくれるそうだぞ、バルク。」
「それはそれは。」
にやにや笑ってロウを見ると面白くなさそうに唇を歪めた。
「なぁんか腹立つなぁ。」
「まぁそう言うな。」
はははっと声を上げる。機嫌がいい。
「上手く行ったんだな。」
「ああ。」
懸念事項はオリヴィエを始めとする刺繍作家、華や元華たちの保護だった。
レイリア夫人に軟禁されたオリヴィエを保護してもらい、向こうの気が逸れているうちにアパートメントに居た華や元華たちを移動させた。アパートメントを見張っていた男を酔い潰したのはダビデが放った男だった。
「プレシーズを買い取りたい。」
あの日そう言ったダビデに後日ロウが交渉したのはスカウト料と「自分たちは情報だけが仕事ではない。それでも良いのか。」と言うことだった。
明言はしないが暗部の仕事もやる。それを抱える覚悟はあるのかと問うたのだ。
もちろん、ダビデは受け入れた。綺麗事だけで渡っていけるほど甘くないのは嫌と言うほど分かっている。決断する責任は負う。その代わりどこまでも届く手が欲しい。
報告書を読んで、海に四方を囲まれたあの国の情報をここまで探れるのなら実力に問題はないと判断した。こちらに引き入れられれば心強い。
「さて。新しい仲間が出来た。これであの老害を片付けられる。」
ダビデの言葉にバルクが頷いた。向かいでロウが軽く肩を竦めた。
ダビデに呼ばれ、バルクが入室するとソファにはプレシーズのロウが座っていた。
テーブルには珍しく、紅茶が置かれている。
対面にバルクが座ると執務机についているダビデが声をかけた。
「受けてくれるそうだぞ、バルク。」
「それはそれは。」
にやにや笑ってロウを見ると面白くなさそうに唇を歪めた。
「なぁんか腹立つなぁ。」
「まぁそう言うな。」
はははっと声を上げる。機嫌がいい。
「上手く行ったんだな。」
「ああ。」
懸念事項はオリヴィエを始めとする刺繍作家、華や元華たちの保護だった。
レイリア夫人に軟禁されたオリヴィエを保護してもらい、向こうの気が逸れているうちにアパートメントに居た華や元華たちを移動させた。アパートメントを見張っていた男を酔い潰したのはダビデが放った男だった。
「プレシーズを買い取りたい。」
あの日そう言ったダビデに後日ロウが交渉したのはスカウト料と「自分たちは情報だけが仕事ではない。それでも良いのか。」と言うことだった。
明言はしないが暗部の仕事もやる。それを抱える覚悟はあるのかと問うたのだ。
もちろん、ダビデは受け入れた。綺麗事だけで渡っていけるほど甘くないのは嫌と言うほど分かっている。決断する責任は負う。その代わりどこまでも届く手が欲しい。
報告書を読んで、海に四方を囲まれたあの国の情報をここまで探れるのなら実力に問題はないと判断した。こちらに引き入れられれば心強い。
「さて。新しい仲間が出来た。これであの老害を片付けられる。」
ダビデの言葉にバルクが頷いた。向かいでロウが軽く肩を竦めた。
1
お気に入りに追加
726
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる