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événement principal acte 8 始動

Trois

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 その日の夜。
 エリオットは昼間ティアナが使っている客室にいた。

 ソファに座り、エマの隣にいるセリーナを見る。
「名は。」
「セリーナ・エッカートと申します。」
「武門エッカートか。」
「はい。」
 ふむ、とセリーナを改めて見た。
 相変わらずの無表情でエリオットを見てもすん、としている。

「鍛えているのか。」
 セリーナが目を見開く。

「はい。騎士を目指しておりました。」
「そうか。」
「ですが王立騎士団に女性は入団出来ませんので。諦めました。」
「今からでも鍛える気はあるか。」
「それは……はい。」
「ティアナの侍女が護衛も兼ねるのなら心強い。」
「是非!」
 セリーナが勢い込んでエリオットに食いついた。

「明日、ジャックと手合わせしろ。」
「ジャック?料理人見習いのジャックでしょうか?」
「そうだ。力を見て、どうするか決める。」
「畏まりました、宜しくお願い致します。」
 セリーナが一礼するのを見て、エリオットは頷いた。

 全ての女性が自分を見て目の色を変えるとは言わないが、やはりセリーナは数少ない女性だと言えた。
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