137 / 520
événement principal acte 7 候補
Dix
しおりを挟む
紅茶を淹れ、ティアナの前に置く。
セリーナは戻る途中、近くにいた侍従を捕まえ至急エマに報告したいことがあると告げた。
頷いてとって返す侍従を見送ると、ティアナとロロを連れ、客室に入る。
ロロはティアナのそばを離れず、足元に丸くなった。
「すぐにエマ様が参ります。」
びくっとティアナは震えると、セリーナを見上げた。
「怒られる?」
「いえ。そんなことはありません。」
「ほんとう?」
「はい。あの藁草色の貧相な縦ロールがそう言いましたか。」
あまりの口の悪さに一瞬意味が分からず固まるとセリーナがこほん、と咳払いした。
「失礼致しました。口が悪いので普段はあまり喋らないよう気をつけているのですが。」
「そうだったの?」
「はい。不興を買いたくありませんので。」
「……ふっふふ。」
真面目腐った顔で頷かれて笑ってしまった。
「二人でいる時は、そっちのセリーナがいい。」
目を丸くして見返してきたセリーナを見上げて続ける。
「意地悪なブリジットより、知らん顔するケイシーより。口が悪いので無口でいますっていう、セリーナがいい。セリーナお願い、私の侍女になって。」
潤んだクンツァイトの瞳で見つめられて、セリーナは喉を詰まらせた。咳払いをすると恭しく一礼する。
「お嬢様に忠節を。この身に代えましても。」
セリーナは戻る途中、近くにいた侍従を捕まえ至急エマに報告したいことがあると告げた。
頷いてとって返す侍従を見送ると、ティアナとロロを連れ、客室に入る。
ロロはティアナのそばを離れず、足元に丸くなった。
「すぐにエマ様が参ります。」
びくっとティアナは震えると、セリーナを見上げた。
「怒られる?」
「いえ。そんなことはありません。」
「ほんとう?」
「はい。あの藁草色の貧相な縦ロールがそう言いましたか。」
あまりの口の悪さに一瞬意味が分からず固まるとセリーナがこほん、と咳払いした。
「失礼致しました。口が悪いので普段はあまり喋らないよう気をつけているのですが。」
「そうだったの?」
「はい。不興を買いたくありませんので。」
「……ふっふふ。」
真面目腐った顔で頷かれて笑ってしまった。
「二人でいる時は、そっちのセリーナがいい。」
目を丸くして見返してきたセリーナを見上げて続ける。
「意地悪なブリジットより、知らん顔するケイシーより。口が悪いので無口でいますっていう、セリーナがいい。セリーナお願い、私の侍女になって。」
潤んだクンツァイトの瞳で見つめられて、セリーナは喉を詰まらせた。咳払いをすると恭しく一礼する。
「お嬢様に忠節を。この身に代えましても。」
0
お気に入りに追加
725
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる