【完結】R-15 私はお兄様を愛している

événement principal acte 7 候補

Six

　エマはティアナが三人の侍女たちと交流を持てるように、毎日交代で数時間二人にするようにしていた。

　それが終わるとティアナと三人にそれぞれ、今日はどうだったか話を聞く。

　ブリジットは侯爵家傍流の子爵令嬢。
　ケイシーは男爵令嬢。
　セリーナも男爵令嬢だが、騎士家系の家門。

　エマ自身、タウンハウスに来てまだ日が浅くずっとアリーとティアナについているため使用人の為人を把握していない。

　まずはノーマンに話を通して侍女の身上書を確認した。時間をかけて貴族学園出身と学校出身のものをそれぞれ二人ずつ選ぶ。それからサマンサに相談して最終的には一人減らし、一人は入れ替えた。

　サマンサの評価ではブリジットは自信家で、ケイシーは真面目、セリーナは忠誠心に篤いとのことだった。

　皆勤めは二年以上と長く、ブリジットとセリーナはクリスの知人から紹介され、ケイシーはサマンサからの紹介だった。

　エマはこの中でティアナと一番合うのはセリーナだと見当を付けていた。

　しかし、どの侍女ともティアナは折り合いが悪いようだった。
　毎日、交流のあとそれとなく聞き出すが困ったように笑って口を噤む。あまり良くない傾向だった。

　対してブリジットはとても仲良くしています、と言いケイシーは自分には荷が重いです、と毎回断ろうとする。
　セリーナだけはあまり上手く交流出来ておりません、と正直に答えた。

　少し様子を見てみましょう。

　二週間後、エマはこの時の判断を後悔する。