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événement principal acte 6 comté de Argan中編

vingt-cinq

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「しかし、絶滅種となると使うのは難しいか。」
「何故ですか?」
「倫理上というか道義的にというか。」
「そんな重い話ですかねぇ?」
 バルクが首を捻る。

「百年の間に染色技法はかなり進んだと言えます。言ってしまえば無くなった方法があるから新しい方法が生まれてくるわけでしょう?まぁ既存のものが進化する場合もありますけど。無くなったと思ってたら実はまだあった、だったらまた使ってみるかで良くないですか?」
 軽く言われて呆気に取られる。
 まるで拘る自分がおかしいみたいだ。

「そうは言っても私はこれが新種だと思っていたんだ。見つかった後すぐに大陸中の図鑑を調べさせた。どこにも載っていないから新種だと判断したんだ。だから我が領地にしかない植物だと言った。なのに絶滅種だったのなら真逆だろう?国内の何処かにあるかもしれない。そうだとしたら価値が下がるじゃないか。」
「使い方知らないんなら価値も分かりませんよ。」
「それは。」
「でしょ?」
「……。」
 バルクに丸め込まれているようで面白くない。

「昔の人は、染色に使っていたから名前がアンシェルだったのかもしれませんね。」
「……。」
「シャボンの虹色は後付けかもしれません。いやもしかしたら二つの意味から付けられていたのに、染色の方が廃れたのかも。」
「それは、そうかもしれない。」
「仮に新種だったとして、エリオット様が栽培に失敗したらやっぱり絶滅種になりますよ。」
 ぎょっとしてバルクを見る。それからアンシェルを見渡した。

「エリオット様。栽培して増やして使いましょう。」

 風がそよと吹く。
 バルクの前髪が上がって額が晒された。
「国内にしろ他国にしろ、他に生息していないか調べてみましょう。不安なら調べて対策を立てればいいんです。」

 バルクはエリオットを見ていつものように、にやりと笑った。
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