【完結】R-15 私はお兄様を愛している《Spin-Off》〜あのときは、これからも〜

遥瀬 ひな

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the warmth of life I give to you ,Felicite and Owen

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「ごめん!フェリ!」
「……。」
「フェリ、話を。」
「……。」
「フェ、フェリ。」

 自室の窓から外を眺めるフェリの背中に声を掛ける。ほっそりした肩、薄い背中。頼りなく見えるその後ろ姿に胸が引き絞られる。自分のことばかりで彼女を傷付けてしまった。

「フェリ……。」
「……。」
「ごめん。」

 あの日の夜からフェリは私を避けるようになった。あからさまではないそれは、自分がフェリにしていた態度とそう変わらなかった。こんなに辛い思いをさせていたのかと今更ながらに思い知らされた私は僅か三日で根を上げた。

「オーウェン。」
「……うん。」
「……許して欲しい?」
「ああ、許しを乞いたい。」
「そう……分かったわ。許してあげる。」
「ありがとう……フェリ。」

 ほっと息を吐き、細い肩を引き寄せ抱き締める。腕の中で見上げてくるララマールの瞳は澄んでいて、胸が苦しくなった。

「フェリ。」
「オーウェン、私すごく傷付いたの。」
「うん……。」
「だから考え込む前に、これからは話して。」
「分かった。」

 情けなくて俯くと、ふわりと唇に暖かいものが触れた。柔らかくて、しっとりとしたフェリの唇。久しぶりに味わって酩酊したような気分になる。細い腰を抱き寄せ、しゃぶるように吸い付いた。

 背後で静かに扉が閉まり、フェリの侍女が出て行ったと分かる。そのまま抱き上げ、舌を絡めた。

「フェリ、フェリ。愛してる。」
「オーウェン。」
「君に触れられないなんて耐えられない。すまない、許してくれ。」
「ほんと?」
「ああ。」
「反省した?」
「した。したよ。本当にごめん。」
「じゃあ、一つだけ願いを聞いて。」
「もちろん。なんでも。」
「そう?後悔しない?」
「しないよ。しない。」

 私の両頬を手で包み、覗き込んだフェリが微笑む。少し瞳が潤んでいて、悲しませ傷つけたことを激しく後悔した。出来ることは何でもする。だから許して欲しい。

「じゃあ、今夜。」
「分かった。」

 鼻を擦り合わせ、再び口付ける。許してくれたフェリに心から感謝した。
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