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Clive and Elliot you treasures from Theresa・Argan
愛執
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アーガン伯爵領よりも北。山間の高地にある保養地は木々が多く、涼しくて過ごしやすい。何よりここでは、人目を気にする必要がなかった。
「クライヴ!」
愛しい人を見つけ、テレジアは走り出した。普段そんなことはしないものだから、易々と草に足を取られ、転びそうになる。咄嗟に瞳を瞑るが衝撃は訪れず代わりに、ふわりと持ち上げられた。
「危ないぞ、テレジア。」
そう言って、抱きかかえたクライヴが鼻先や頬、額に口付けを降らせる。
「クライヴ。」
瞳を開け、視界いっぱいに広がる愛しい人を見つめた。手を伸ばし、首にしがみつくと自ら唇に吸い付く。
「こら。」
「ふふふ。」
叱るような声を出しながらも、クライヴは応えた。唇を食み、舌を差し入れ、テレジアを味わうように何度も口付ける。
「クライヴ。」
「テレジア。」
ここなら。ここでなら。あなたの名を好きなだけ呼べる。ずっと。いつでも。飽きることなく。
「愛してる、クライヴ。」
「ああ、私も。愛してる、テレジア。」
「ねぇ、あちらに真っ白で綺麗な花がたくさん咲いているの。行かない?」
口付けながら、誘う。
「いいな。行こうか。」
答えながら、舌を絡め唾液を啜る。
「ふふふ。しながら行くの?」
「お前を抱き上げたままか?出来なくはないな。」
「転けない?」
「俺が?」
「んもう!」
くすくすと笑い、啄み、唇を擦り合わせ、舌を絡める。周りには誰もいない。二人だけ。
「クライヴ、もっと。」
「ああ、もちろん。」
逞しい腕、厚い胸板。テレジアを難なく抱え上げたまま、ゆっくりと歩きながら約束通り口付けは続く。
「テレジア、愛してる。」
「クライヴ、愛してる。」
何度言っても言い足りない。
愛してる。愛してるの、クライヴ。初めて逢ったあの日から。わたくしには、あなただけ。今では白い結婚で良かったと心から思うの。カシア様があなたを選んでくれて良かった。あなた以外、誰にも触れられたくはない。わたくしの愛しい人。
たくさんの花々が咲き誇る中、クライヴと共に腰を下ろしたテレジアはくすくす笑いながらクライヴの胸に擦り寄った。胸いっぱいに香りを吸い込む。日向のような優しくて暖かいクライヴの香り。
ここには子が出来るまで居てもいいとカシアには言われている。とは言っても期限はある。クラークが王都から戻るその日まで。それがリミットだった。その間、クリスは別の保養地へと一人送られた。表向きは子作りの為、テレジアと二人領邸を出たことにしてある。クライヴは急な単独任務と称して私設騎士団の任務から外れていた。ヴィンスとジャックはペイジーが見てくれている。
領地経営はカシアとスコットがやってくれていた。
誰にも気兼ねせず、二人だけ。ああ、なんて幸せなんだろう。
「テレジア。」
両頬を大きな手のひらで包まれ、唇を食まれる。幸せすぎて目眩がした。諦めていた、愛しい人。この手が自分に触れることはないのだと。熱を知ることはないのだと。そう思っていた。
「クライヴ。」
たくさんの花々に囲まれて、テレジアは微笑んだ。この気持ちをどう言えば伝わるの?心置きなく名を呼べる。それだけで幸せだと感じるこの気持ちを。
「クライヴ、この花なんて言うか知ってる?」
「さあ?知らない。」
「ふふふ、聞かないの?」
「瞳の前の花の方が美しいから。俺はこの花に夢中なんだ。金色の花。俺だけの花。」
「……クライヴ。」
嬉しくて涙が溢れそうになる。剣ダコで硬くなった手のひらに頬ずりした。
「ねぇ。部屋に戻りたい。」
わたくしのことを全部覚えていて。ずっと。忘れないでいて。楽しいことだけ、幸せなことだけ。あなたには覚えていて欲しい。
あなたを愛してる。
「クライヴ!」
愛しい人を見つけ、テレジアは走り出した。普段そんなことはしないものだから、易々と草に足を取られ、転びそうになる。咄嗟に瞳を瞑るが衝撃は訪れず代わりに、ふわりと持ち上げられた。
「危ないぞ、テレジア。」
そう言って、抱きかかえたクライヴが鼻先や頬、額に口付けを降らせる。
「クライヴ。」
瞳を開け、視界いっぱいに広がる愛しい人を見つめた。手を伸ばし、首にしがみつくと自ら唇に吸い付く。
「こら。」
「ふふふ。」
叱るような声を出しながらも、クライヴは応えた。唇を食み、舌を差し入れ、テレジアを味わうように何度も口付ける。
「クライヴ。」
「テレジア。」
ここなら。ここでなら。あなたの名を好きなだけ呼べる。ずっと。いつでも。飽きることなく。
「愛してる、クライヴ。」
「ああ、私も。愛してる、テレジア。」
「ねぇ、あちらに真っ白で綺麗な花がたくさん咲いているの。行かない?」
口付けながら、誘う。
「いいな。行こうか。」
答えながら、舌を絡め唾液を啜る。
「ふふふ。しながら行くの?」
「お前を抱き上げたままか?出来なくはないな。」
「転けない?」
「俺が?」
「んもう!」
くすくすと笑い、啄み、唇を擦り合わせ、舌を絡める。周りには誰もいない。二人だけ。
「クライヴ、もっと。」
「ああ、もちろん。」
逞しい腕、厚い胸板。テレジアを難なく抱え上げたまま、ゆっくりと歩きながら約束通り口付けは続く。
「テレジア、愛してる。」
「クライヴ、愛してる。」
何度言っても言い足りない。
愛してる。愛してるの、クライヴ。初めて逢ったあの日から。わたくしには、あなただけ。今では白い結婚で良かったと心から思うの。カシア様があなたを選んでくれて良かった。あなた以外、誰にも触れられたくはない。わたくしの愛しい人。
たくさんの花々が咲き誇る中、クライヴと共に腰を下ろしたテレジアはくすくす笑いながらクライヴの胸に擦り寄った。胸いっぱいに香りを吸い込む。日向のような優しくて暖かいクライヴの香り。
ここには子が出来るまで居てもいいとカシアには言われている。とは言っても期限はある。クラークが王都から戻るその日まで。それがリミットだった。その間、クリスは別の保養地へと一人送られた。表向きは子作りの為、テレジアと二人領邸を出たことにしてある。クライヴは急な単独任務と称して私設騎士団の任務から外れていた。ヴィンスとジャックはペイジーが見てくれている。
領地経営はカシアとスコットがやってくれていた。
誰にも気兼ねせず、二人だけ。ああ、なんて幸せなんだろう。
「テレジア。」
両頬を大きな手のひらで包まれ、唇を食まれる。幸せすぎて目眩がした。諦めていた、愛しい人。この手が自分に触れることはないのだと。熱を知ることはないのだと。そう思っていた。
「クライヴ。」
たくさんの花々に囲まれて、テレジアは微笑んだ。この気持ちをどう言えば伝わるの?心置きなく名を呼べる。それだけで幸せだと感じるこの気持ちを。
「クライヴ、この花なんて言うか知ってる?」
「さあ?知らない。」
「ふふふ、聞かないの?」
「瞳の前の花の方が美しいから。俺はこの花に夢中なんだ。金色の花。俺だけの花。」
「……クライヴ。」
嬉しくて涙が溢れそうになる。剣ダコで硬くなった手のひらに頬ずりした。
「ねぇ。部屋に戻りたい。」
わたくしのことを全部覚えていて。ずっと。忘れないでいて。楽しいことだけ、幸せなことだけ。あなたには覚えていて欲しい。
あなたを愛してる。
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