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my lord from Emma
哀哭
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テレジアが発った二日後の夕方。領邸内が俄かに騒がしくなり、使用人たちが慌ただしく立ち行く姿を見てエマは困惑した。只事ではない雰囲気に、抱きしめていたエリオットをベッドへと寝かしつける。自分にも関係があることなら、知らせがあるはずだ。そう言い聞かせエリオットの側を離れなかった。
しばらくして、ノックが鳴り答えるとスコットが顔を出した。何度か口を開け閉めし、言いにくそうにする。急かさずに辛抱強く待っていると、搾り出すように話し出した。
「旦那様と奥様が。亡くなられました。」
ぐわん、と耳鳴りがした。わなわなと唇が震える。
「南西から南東に流れる川の。東の演習場近くで。正午過ぎから船遊びに揃って出掛けられていたのですが。誤って転覆したらしく。そのまま……。」
「……そんな!うそ!うそよ!」
立ち上がり駆け出そうとして足に力が入らずつんのめる。そのまま座り込み、茫然とした。エマの声に驚いたエリオットがふぇっと声を漏らす。
今朝、カシアに会ったばかりなのだ。いつもエリオットのことを見てくれて、ありがとうと。そう仰って下さったばかりなのだ。「久しぶりにお茶の相手をして。」と言われ、朝食後のお茶にお付き合いしたのだ。カシアはエリオットを抱きながら微笑んでいた。
「エマ。あなた、この子に仕えてくれる?」
「ええ、もちろん。」
「アーガン伯爵家にではないわ。この子に。エリオット自身に仕えてちょうだい。」
「カシア様?」
「この子には、この子だけの味方が必要なの。」
そう言ってエリオットに頬擦りすると、カシアは弾けるように笑った。
「エマ。あなたが、わたくしたちの元に来てくれて本当に良かったわ。これからもよろしくね。」
そう仰って下さったではありませんか、カシア様。なのにどうして。
エマは身も世もなく泣いた。床に倒れ込み、胸の奥に詰まった何かを吐き出すように。エリオットがつられたように、大きな泣き声を上げた。
しばらくして、ノックが鳴り答えるとスコットが顔を出した。何度か口を開け閉めし、言いにくそうにする。急かさずに辛抱強く待っていると、搾り出すように話し出した。
「旦那様と奥様が。亡くなられました。」
ぐわん、と耳鳴りがした。わなわなと唇が震える。
「南西から南東に流れる川の。東の演習場近くで。正午過ぎから船遊びに揃って出掛けられていたのですが。誤って転覆したらしく。そのまま……。」
「……そんな!うそ!うそよ!」
立ち上がり駆け出そうとして足に力が入らずつんのめる。そのまま座り込み、茫然とした。エマの声に驚いたエリオットがふぇっと声を漏らす。
今朝、カシアに会ったばかりなのだ。いつもエリオットのことを見てくれて、ありがとうと。そう仰って下さったばかりなのだ。「久しぶりにお茶の相手をして。」と言われ、朝食後のお茶にお付き合いしたのだ。カシアはエリオットを抱きながら微笑んでいた。
「エマ。あなた、この子に仕えてくれる?」
「ええ、もちろん。」
「アーガン伯爵家にではないわ。この子に。エリオット自身に仕えてちょうだい。」
「カシア様?」
「この子には、この子だけの味方が必要なの。」
そう言ってエリオットに頬擦りすると、カシアは弾けるように笑った。
「エマ。あなたが、わたくしたちの元に来てくれて本当に良かったわ。これからもよろしくね。」
そう仰って下さったではありませんか、カシア様。なのにどうして。
エマは身も世もなく泣いた。床に倒れ込み、胸の奥に詰まった何かを吐き出すように。エリオットがつられたように、大きな泣き声を上げた。
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