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my lord from Emma
母親
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エマがエリオットの乳母になって一年経ったある日。沐浴の準備をしていると、ふらりと人影が視界に入った。金髪金瞳の年若い女性。まるで少女のようなその人はエリオットの母、テレジアだった。
そっとエリオットが眠るベッドへ近づくと、身を屈め食い入るように見つめる。エマがその様を見守っていると、テレジアがそぅっと手を伸ばしエリオットの頭を撫でた。ゆったりと何度か撫で、頬を擽る。小さく握り込んだ手に、するすると指を滑らせた。
「この子はよく、乳を飲んでいるの?」
鈴が転がるような声とは、こう言う声のことではないだろうか。そんな可愛らしい声だった。
「はい。たくさん飲まれます。」
「そう……。」
カシアからテレジアは全く乳が出ず初乳をエリオットにあげて以来、乳をあげることが出来なかったと聞いている。夫婦仲はあまり良くないらしく、今まで一緒にいるところを見たことがない。テレジアは極たまにこうやって人目を忍び、ふらりとエリオットの元に訪れるがクリスは一度としてエリオットに会いに来たことはなかった。
「よく、寝ているわね。」
「ええ。ですがもうすぐ起きられますよ。沐浴の時間がお気に入りですから。」
「……見ていてもいいかしら。」
「ええ、もちろんです。」
その後エマがエリオットに沐浴をさせている様をテレジアは飽きることなく、じっと見つめていた。
「お前の瞳の色、綺麗ね。」
ぽつりとテレジアが口にする。
エマはエリオットの身体を拭きあげると優しく包み、「どうぞ。」とテレジアに差し出した。何故かテレジアはエリオットを気に掛けていることを周囲に知られないよう振る舞う。しかしこうやって、会いに来た時くらいはと勧めてみた。
エマの顔をちらりと見た後、テレジアはエリオットを受け取った。そのまま、エマは沐浴の片付けをする体で二人から距離を取る。
テレジアは腕の中で、ふわぁと欠伸をしたエリオットに頬擦りした。
「エリオット、エリィ。側にいられない母を許して。」
そっとエリオットが眠るベッドへ近づくと、身を屈め食い入るように見つめる。エマがその様を見守っていると、テレジアがそぅっと手を伸ばしエリオットの頭を撫でた。ゆったりと何度か撫で、頬を擽る。小さく握り込んだ手に、するすると指を滑らせた。
「この子はよく、乳を飲んでいるの?」
鈴が転がるような声とは、こう言う声のことではないだろうか。そんな可愛らしい声だった。
「はい。たくさん飲まれます。」
「そう……。」
カシアからテレジアは全く乳が出ず初乳をエリオットにあげて以来、乳をあげることが出来なかったと聞いている。夫婦仲はあまり良くないらしく、今まで一緒にいるところを見たことがない。テレジアは極たまにこうやって人目を忍び、ふらりとエリオットの元に訪れるがクリスは一度としてエリオットに会いに来たことはなかった。
「よく、寝ているわね。」
「ええ。ですがもうすぐ起きられますよ。沐浴の時間がお気に入りですから。」
「……見ていてもいいかしら。」
「ええ、もちろんです。」
その後エマがエリオットに沐浴をさせている様をテレジアは飽きることなく、じっと見つめていた。
「お前の瞳の色、綺麗ね。」
ぽつりとテレジアが口にする。
エマはエリオットの身体を拭きあげると優しく包み、「どうぞ。」とテレジアに差し出した。何故かテレジアはエリオットを気に掛けていることを周囲に知られないよう振る舞う。しかしこうやって、会いに来た時くらいはと勧めてみた。
エマの顔をちらりと見た後、テレジアはエリオットを受け取った。そのまま、エマは沐浴の片付けをする体で二人から距離を取る。
テレジアは腕の中で、ふわぁと欠伸をしたエリオットに頬擦りした。
「エリオット、エリィ。側にいられない母を許して。」
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