10 / 62
dazzling you, Bulk from Olivier・Wise
看病
しおりを挟む
カーリア商会として、王国民を支援することに決めたダビデの動きは早かった。まずバルクを副会頭に据えると流行病の対応をする責任者に任命した。その為バルクは連日、薬と日用品の配布や教会への寄付にと走り回ることとなった。
オリヴィエももちろん、出来るだけ手伝った。一人暮らしも一年経つとそれなりに出来るようになるもので、平民に混じって炊き出しなどにも率先して加わった。そんな風に忙しくしていたある日、商会でバルクが倒れたとダビデから聞かされたオリヴィエは声にならない悲鳴を上げた。
「大丈夫だ、流行病に罹患したわけじゃない。疲労が溜まって倒れただけだ。元々体力があるから過信したんだろう。」
ダビデが落ち着けと取りなすが、オリヴィエはおろおろと狼狽えた。
「オリヴィエ、看病を頼めるかい?」
「はい。」
一も二もなく頷く。
「倒れたのは商会に戻ってすぐだったから、仮眠室で休ませているんだ。医師にはもう診せたし、動かすよりここで休ませた方がいいだろう。」
「分かりました、任せてください。」
仮眠室と言っても広く、ゆったりとしたベッドとサイドテーブル、椅子が置いてある。窓辺には小さなソファがあって看病するのに不便はなかった。桶とタオルを持ち込み、魘されるバルクの額にそっと手を乗せる。思ったより熱く、慌ててタオルを濡らし絞ると、そっと額に乗せた。
苦しそうだった呼吸が少し落ち着く。そのまま椅子を近くに寄せ、寝顔を見つめた。こまめにタオルを替え、伝う汗を拭う。
「ん……。」
小さく唸ってバルクの瞼が震えた。少しだけ持ち上がり、ぼんやりと視線が泳ぐ。じっと見つめていると、掠れた声が漏れた。
「み、ず。」
「あ、はい。」
立ち上がり、サイドテーブルに置いてあった水差しを掴むとグラスに注ぐ。そのまま渡そうとして、はたと気が付いた。横になったままでは飲みにくいだろう、少し起き上がってもらえるだろうか。
「あの、起き上がれますか?」
「……ああ。」
もぞもぞと動き出し、上体を起こしたバルクがふらっと傾いた。咄嗟に支えようとしてグラスが傾き、ぱしゃりとドレスの胸元に溢してしまう。バルクにかからなくて良かったと思いながら、サイドテーブルへとグラスを戻した。
濡れて張り付き気持ち悪いが、今はバルクが気にかかる。改めてバルクを支えようと向き直り屈むと、ふらりと抱き付くようにバルクが倒れ込んできた。受け止めてそのまま、ぽすんとベッドの端に座り込んでしまう。
「……みず。」
「ごめんなさい、今すぐ……に……。」
言いかけて固まる。ぴちゃりと水音がしたかと思ったら、肩口に顔を埋めたバルクが舌を伸ばし鎖骨を舐めていた。
「え?え?」
「……もっと。」
朦朧としながらも舌を這わせて鎖骨の窪みをバルクが舐めてくる。腰をがっちりと掴まれていて逃げられない。動揺したオリヴィエはバルクの両肩に手を突き押し返した。
「バ、バルク様!」
咄嗟に名を呼んで、両手に力を込める。涙目になって身を捩ると、ますます抱き込まれた。
「え?泣いちゃってんの?なにそれ、かわい。」
羞恥で真っ赤になりながら涙目で睨むと、甘えるように、ふいっと顔を伏せ、ぐりぐりと鼻先を濡れた胸元に埋められた。そのまま、ぼんやりとした瞳でオリヴィエをちらちらと見上げてくる。
「いい匂い。やらかい。」
「や、や。」
恥ずかしさに堪えきれず、ぽろっと涙が落ちる。途端にバルクがでれっと鼻の下を伸ばした。
「あー。かわいー。滾るー。」
そのまま、ちゅっちゅっと音を立てながら首筋に吸い付かれた。突然のことに混乱する。
いや!いや!こんなの……!
熱に浮かされて、手を出されるなんて。気持ちもないのに、好かれて、ないのに……。
きゅっと唇を噛み締めて、いやいやと首を振るとバルクがぴたりと止まった。
「いや?」
「……はい。」
「なんで?」
「き、気持ちがない、のは……。いや……。」
閊え閊え言葉にすると、肩が震え涙が止まらなくなった。嗚咽を堪えてしゃくり上げるとバルクがゆっくり腕を解く。途端に胸が軋んだ。拒絶しておきながら、気持ちが貰えなかったと傷付く自分が嫌だった。
「あーっ……と。」
「っ…ひっ。」
顔を逸らして泣き顔を見られないように小さくなると、バルクがわしわしと頭を掻きむしった。
「つか、かわいいな。おい。」
「……え?」
「瞳、うるうるしちゃって。」
「し、してません!見ないで下さい!」
「いや無理。見る。つか見せて。」
「や、や!」
「あーもーなんだ。要するに。」
ぐいっと腕を掴まれ、再度抱き込まれる。
「気持ちがあれば、いいんだな?」
低い声が耳に落ちる。固まったオリヴィエの耳殻にバルクがぬるっと舌を這わせた。
「あ!や!やぁ!」
「ちょっとだけ。ちょっとだけ、な?」
何がちょっとなのよ!ばか!へんたい!
「やばい。かわいい。耳真っ赤。んー。」
べろりと舐めた後、歯を立てられる。ぞくりと背筋に痺れが走ってますます涙が溢れた。
「あー。あぁ!ゃ、やだぁ!」
「オリヴィエ、リヴィ。可愛い。つかもう我慢できん。」
「やぁ!」
「決めた、絶対嫁にする。」
ぴきんと固まる。
なんで?どうして、そうなったの?
びっくりして涙が止まる。ぽかんと見つめると、至近距離でバルクがにやりと笑った。
「パンジー、刺してたよな?夜会服の胸ポケットに。」
急に話が飛んで意味が分からない。
「花言葉、私を思って。だっけ?」
なんで今そんなこと!
「可愛いことするなぁ。そりゃあ好きになるっつの。心臓射抜かれたわ。」
「……!な、なに、言って。」
「なー。宝石にも石言葉ってのがあんの、知ってる?」
ぽんぽん話が飛んで、ついていけない。
「デビュタントの時、贈ったブレスレットに使ってた宝石スフェーンていうんだけどさ。」
何故かしら、聞くのが怖いと感じるなんて。
「石言葉、永久不変だって。」
「え…っと。」
「んで、一緒に贈った花、桃っての。こっちじゃ中々手に入んなくて、花言葉知られてないけどさ。」
「……。」
「聞きたい?」
「……はい。」
「私はあなたのとりこ、だって。」
かぁっと頬が熱くなる。そんなの知らない。珍しく木に付いたままの花束で可愛らしくて、いい匂いがするなぁって。そう思ってたけど。
「さぁて。何が永久に変わらないんだろうなぁ?」
ぱくぱくと口を開け閉めしてしまう。
「つーわけで。看病してくれるんならさ、ちょっとだけ、味見してい?」
「あ、じみ?」
「だって義父上がリヴィに看病頼んだんだろ?やっとお許し出たってことだよな?」
「お許しって。」
「俺がリヴィ嫁にしたいって言ったら、まずは副会頭になって実績積むまでは認めんってさー。いや、分かるけどひどくない?お陰で俺、倒れるまで頑張っちゃったよ。そのご褒美に、オリヴィエの味見。」
頷いたら駄目な気がするわ。
その後、素直になれないオリヴィエはバルクの猛追を三年かけて躱し続け、結局最後にがっぷり捕まったのだった。
オリヴィエももちろん、出来るだけ手伝った。一人暮らしも一年経つとそれなりに出来るようになるもので、平民に混じって炊き出しなどにも率先して加わった。そんな風に忙しくしていたある日、商会でバルクが倒れたとダビデから聞かされたオリヴィエは声にならない悲鳴を上げた。
「大丈夫だ、流行病に罹患したわけじゃない。疲労が溜まって倒れただけだ。元々体力があるから過信したんだろう。」
ダビデが落ち着けと取りなすが、オリヴィエはおろおろと狼狽えた。
「オリヴィエ、看病を頼めるかい?」
「はい。」
一も二もなく頷く。
「倒れたのは商会に戻ってすぐだったから、仮眠室で休ませているんだ。医師にはもう診せたし、動かすよりここで休ませた方がいいだろう。」
「分かりました、任せてください。」
仮眠室と言っても広く、ゆったりとしたベッドとサイドテーブル、椅子が置いてある。窓辺には小さなソファがあって看病するのに不便はなかった。桶とタオルを持ち込み、魘されるバルクの額にそっと手を乗せる。思ったより熱く、慌ててタオルを濡らし絞ると、そっと額に乗せた。
苦しそうだった呼吸が少し落ち着く。そのまま椅子を近くに寄せ、寝顔を見つめた。こまめにタオルを替え、伝う汗を拭う。
「ん……。」
小さく唸ってバルクの瞼が震えた。少しだけ持ち上がり、ぼんやりと視線が泳ぐ。じっと見つめていると、掠れた声が漏れた。
「み、ず。」
「あ、はい。」
立ち上がり、サイドテーブルに置いてあった水差しを掴むとグラスに注ぐ。そのまま渡そうとして、はたと気が付いた。横になったままでは飲みにくいだろう、少し起き上がってもらえるだろうか。
「あの、起き上がれますか?」
「……ああ。」
もぞもぞと動き出し、上体を起こしたバルクがふらっと傾いた。咄嗟に支えようとしてグラスが傾き、ぱしゃりとドレスの胸元に溢してしまう。バルクにかからなくて良かったと思いながら、サイドテーブルへとグラスを戻した。
濡れて張り付き気持ち悪いが、今はバルクが気にかかる。改めてバルクを支えようと向き直り屈むと、ふらりと抱き付くようにバルクが倒れ込んできた。受け止めてそのまま、ぽすんとベッドの端に座り込んでしまう。
「……みず。」
「ごめんなさい、今すぐ……に……。」
言いかけて固まる。ぴちゃりと水音がしたかと思ったら、肩口に顔を埋めたバルクが舌を伸ばし鎖骨を舐めていた。
「え?え?」
「……もっと。」
朦朧としながらも舌を這わせて鎖骨の窪みをバルクが舐めてくる。腰をがっちりと掴まれていて逃げられない。動揺したオリヴィエはバルクの両肩に手を突き押し返した。
「バ、バルク様!」
咄嗟に名を呼んで、両手に力を込める。涙目になって身を捩ると、ますます抱き込まれた。
「え?泣いちゃってんの?なにそれ、かわい。」
羞恥で真っ赤になりながら涙目で睨むと、甘えるように、ふいっと顔を伏せ、ぐりぐりと鼻先を濡れた胸元に埋められた。そのまま、ぼんやりとした瞳でオリヴィエをちらちらと見上げてくる。
「いい匂い。やらかい。」
「や、や。」
恥ずかしさに堪えきれず、ぽろっと涙が落ちる。途端にバルクがでれっと鼻の下を伸ばした。
「あー。かわいー。滾るー。」
そのまま、ちゅっちゅっと音を立てながら首筋に吸い付かれた。突然のことに混乱する。
いや!いや!こんなの……!
熱に浮かされて、手を出されるなんて。気持ちもないのに、好かれて、ないのに……。
きゅっと唇を噛み締めて、いやいやと首を振るとバルクがぴたりと止まった。
「いや?」
「……はい。」
「なんで?」
「き、気持ちがない、のは……。いや……。」
閊え閊え言葉にすると、肩が震え涙が止まらなくなった。嗚咽を堪えてしゃくり上げるとバルクがゆっくり腕を解く。途端に胸が軋んだ。拒絶しておきながら、気持ちが貰えなかったと傷付く自分が嫌だった。
「あーっ……と。」
「っ…ひっ。」
顔を逸らして泣き顔を見られないように小さくなると、バルクがわしわしと頭を掻きむしった。
「つか、かわいいな。おい。」
「……え?」
「瞳、うるうるしちゃって。」
「し、してません!見ないで下さい!」
「いや無理。見る。つか見せて。」
「や、や!」
「あーもーなんだ。要するに。」
ぐいっと腕を掴まれ、再度抱き込まれる。
「気持ちがあれば、いいんだな?」
低い声が耳に落ちる。固まったオリヴィエの耳殻にバルクがぬるっと舌を這わせた。
「あ!や!やぁ!」
「ちょっとだけ。ちょっとだけ、な?」
何がちょっとなのよ!ばか!へんたい!
「やばい。かわいい。耳真っ赤。んー。」
べろりと舐めた後、歯を立てられる。ぞくりと背筋に痺れが走ってますます涙が溢れた。
「あー。あぁ!ゃ、やだぁ!」
「オリヴィエ、リヴィ。可愛い。つかもう我慢できん。」
「やぁ!」
「決めた、絶対嫁にする。」
ぴきんと固まる。
なんで?どうして、そうなったの?
びっくりして涙が止まる。ぽかんと見つめると、至近距離でバルクがにやりと笑った。
「パンジー、刺してたよな?夜会服の胸ポケットに。」
急に話が飛んで意味が分からない。
「花言葉、私を思って。だっけ?」
なんで今そんなこと!
「可愛いことするなぁ。そりゃあ好きになるっつの。心臓射抜かれたわ。」
「……!な、なに、言って。」
「なー。宝石にも石言葉ってのがあんの、知ってる?」
ぽんぽん話が飛んで、ついていけない。
「デビュタントの時、贈ったブレスレットに使ってた宝石スフェーンていうんだけどさ。」
何故かしら、聞くのが怖いと感じるなんて。
「石言葉、永久不変だって。」
「え…っと。」
「んで、一緒に贈った花、桃っての。こっちじゃ中々手に入んなくて、花言葉知られてないけどさ。」
「……。」
「聞きたい?」
「……はい。」
「私はあなたのとりこ、だって。」
かぁっと頬が熱くなる。そんなの知らない。珍しく木に付いたままの花束で可愛らしくて、いい匂いがするなぁって。そう思ってたけど。
「さぁて。何が永久に変わらないんだろうなぁ?」
ぱくぱくと口を開け閉めしてしまう。
「つーわけで。看病してくれるんならさ、ちょっとだけ、味見してい?」
「あ、じみ?」
「だって義父上がリヴィに看病頼んだんだろ?やっとお許し出たってことだよな?」
「お許しって。」
「俺がリヴィ嫁にしたいって言ったら、まずは副会頭になって実績積むまでは認めんってさー。いや、分かるけどひどくない?お陰で俺、倒れるまで頑張っちゃったよ。そのご褒美に、オリヴィエの味見。」
頷いたら駄目な気がするわ。
その後、素直になれないオリヴィエはバルクの猛追を三年かけて躱し続け、結局最後にがっぷり捕まったのだった。
36
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
溺愛彼氏は消防士!?
すずなり。
恋愛
彼氏から突然言われた言葉。
「別れよう。」
その言葉はちゃんと受け取ったけど、飲み込むことができない私は友達を呼び出してやけ酒を飲んだ。
飲み過ぎた帰り、イケメン消防士さんに助けられて・・・新しい恋が始まっていく。
「男ならキスの先をは期待させないとな。」
「俺とこの先・・・してみない?」
「もっと・・・甘い声を聞かせて・・?」
私の身は持つの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界と何ら関係はありません。
※コメントや乾燥を受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非!
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。

私の手からこぼれ落ちるもの
アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。
優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。
でもそれは偽りだった。
お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。
お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。
心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。
私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。
こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら…
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。
❈ ざまぁはありません。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる