【完結】R-15 私はお兄様を愛している《Spin-Off》〜あのときは、これからも〜

遥瀬 ひな

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dazzling you, Bulk from Olivier・Wise

霹靂

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 それはオリヴィエにとって夢が叶った瞬間だった。

「おめでとう、オリヴィエ嬢。合格だよ。」

 オリヴィエが刺繍したショールをじっくり見つめた後、ダビデが告げた。ぶわっと身体中に喜びが満ち溢れる。13歳の初秋にバルクから声をかけてもらい、ダビデと引き合わされてから15歳の初夏まで。
 大好きな刺繍をひたすら刺し、腕を磨いてきた努力が今、報われたのだ。

「ありがとうございます、カーリア男爵様。」
「こちらこそ。よくここまで頑張ったね。デビューは来年、貴族学園の卒業と同時でいいかな?」
「はい。」
「それで……デビューするなら今後のことをもう少し詳しく話しておきたいんだが。」

 言いにくそうにダビデが口にする。

「卒業のあと、オリヴィエ嬢はどうしたいんだい?希望はあるのかな?」
「どう、とは。」
「いやね、これでもまぁ私も男爵なんて言う爵位持ちだからね。君の今後について、ワイズ子爵様が色々と周囲に声掛けしていると言う噂を耳にしているんだよ。」
「……声掛けですか。」
「ああ。行儀見習いとしてどうか、と君のことを頼んで回っていると聞いている。そうなると、華として活動するのは難しいのではないかと思ってね。」

 ダビデの言葉にオリヴィエは真っ青になった。父が婚約や奉公先について何も言わないので、これ幸いとこちらからは触れなかった。卒業後は華となり、職業夫人として身を立てるつもりだったのだ。

「私は、華として活動したいと思っています。自分で身を立て、生きていきたいと。」
「そうか……。ならば一度お父上と話し合った方がいい。もし行儀見習いの話が確定しているのなら家門同士の話になるからね。」
「……分かりました。」

 父からは何も聞いてはいないけれど、あの人なら当日身一つで出て行けと言ってもおかしくはないとオリヴィエは俯いた。
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