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―虎の騎士団―決闘―
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ヒュカッ……ヒュカカッ……
無数の矢がコチラに目掛けて飛んでくる……
リハンは矢の軌道を変えて落とし、カレンは足技で落としている……
俺は剣を振り回して落とすという地味さ……
そんな目で見ないで欲しい……
分かっている……分かっているんだ……
主人公なのにカッコ悪いのは……
リハンは飛んでくる矢を足場に敵へと突っ込んでいく……
「一番乗りは僕だよ……!!」
両手には俺がクルド洞窟で召喚してやったワルサーP99が握られている……
「私だって負けないんだから……」
カレンは翼を広げ飛んで、空中から敵を攻撃している……
俺と言ったら、敵の将軍目掛けて走り、剣を振るだけ……
地味だ……だが、俺にはこれしかない……
正直、パッとしない主人公である……
すると、何処からかこんな話し声が聞こえた……
「どうだ、タツヤ……お前と同じ世界からきたという穆王隊の隊長は……」
「ヘッ……反吐が出るほどだな……」
酷い言われようだ……
でも、タツヤ……何処かで聞いた懐かしい名前だ……
俺は声のするほうを見る……
すると、中国の歴史映画に出そうな格好のオッサンの横に見覚えのある奴がいた……
きっと、あの中国の歴史映画に出てきそうなオッサンがリショク……虎の騎士団の総将軍でソンカイって人なのだろうと即座で理解出来た……
しかし、隣に居座るアイツはこっちの世界の奴ではない……
俺と共に吸い込まれて行った……タツヤ……
橘 龍哉(タチバナ タツヤ)だった……
俺は、混乱した……同じ学舎で学んだ友が今は敵なのかと……
俺が混乱しているとタツヤがコチラに向かってやってきた……
「久しぶりだな……シオン……」
「タツヤ……」
「ずいぶんと幸せそうじゃないか……」
「幸せそう……?」
「あぁ……―狗、豚、猿ハッ……何でもいいか、呼び方なんて ようするにこの世界に来た頃の俺は飼い慣らされた畜生だったってことだ。 他人の目を見て、空気を読んで、奴隷のように扱われ、怯える日々……そんな時にお前の活躍を聞いた……幸せそうだった……仲間に恵まれ、人に恵まれ、衣食住も苦ではないように見えた……でも、俺は気づいちまった……そんなお前の幸せをブッ壊す、そんなやり方……生き方を……噎せ返るほどの闘争に満ちた最高の生き方を……」
「狂った、嫉妬からなる被害妄想だな……」
「ハッ……どうでもいい……お前を殺して上に登れるのならな……」
「目を覚ましてやる……タツヤ!!」
俺はタツヤに剣を向ける……
こうして、タツヤと俺の闘いが始まった……
無数の矢がコチラに目掛けて飛んでくる……
リハンは矢の軌道を変えて落とし、カレンは足技で落としている……
俺は剣を振り回して落とすという地味さ……
そんな目で見ないで欲しい……
分かっている……分かっているんだ……
主人公なのにカッコ悪いのは……
リハンは飛んでくる矢を足場に敵へと突っ込んでいく……
「一番乗りは僕だよ……!!」
両手には俺がクルド洞窟で召喚してやったワルサーP99が握られている……
「私だって負けないんだから……」
カレンは翼を広げ飛んで、空中から敵を攻撃している……
俺と言ったら、敵の将軍目掛けて走り、剣を振るだけ……
地味だ……だが、俺にはこれしかない……
正直、パッとしない主人公である……
すると、何処からかこんな話し声が聞こえた……
「どうだ、タツヤ……お前と同じ世界からきたという穆王隊の隊長は……」
「ヘッ……反吐が出るほどだな……」
酷い言われようだ……
でも、タツヤ……何処かで聞いた懐かしい名前だ……
俺は声のするほうを見る……
すると、中国の歴史映画に出そうな格好のオッサンの横に見覚えのある奴がいた……
きっと、あの中国の歴史映画に出てきそうなオッサンがリショク……虎の騎士団の総将軍でソンカイって人なのだろうと即座で理解出来た……
しかし、隣に居座るアイツはこっちの世界の奴ではない……
俺と共に吸い込まれて行った……タツヤ……
橘 龍哉(タチバナ タツヤ)だった……
俺は、混乱した……同じ学舎で学んだ友が今は敵なのかと……
俺が混乱しているとタツヤがコチラに向かってやってきた……
「久しぶりだな……シオン……」
「タツヤ……」
「ずいぶんと幸せそうじゃないか……」
「幸せそう……?」
「あぁ……―狗、豚、猿ハッ……何でもいいか、呼び方なんて ようするにこの世界に来た頃の俺は飼い慣らされた畜生だったってことだ。 他人の目を見て、空気を読んで、奴隷のように扱われ、怯える日々……そんな時にお前の活躍を聞いた……幸せそうだった……仲間に恵まれ、人に恵まれ、衣食住も苦ではないように見えた……でも、俺は気づいちまった……そんなお前の幸せをブッ壊す、そんなやり方……生き方を……噎せ返るほどの闘争に満ちた最高の生き方を……」
「狂った、嫉妬からなる被害妄想だな……」
「ハッ……どうでもいい……お前を殺して上に登れるのならな……」
「目を覚ましてやる……タツヤ!!」
俺はタツヤに剣を向ける……
こうして、タツヤと俺の闘いが始まった……
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