大嫌いなあの人が地獄に落ちるまで

花杉という女 不倫編

「えー花杉丸絵さんには今度、新たなチームリーダーとなってもらうことにしました」突然のフロア長からの発表。
どういうことだ？チームリーダーとはチーフの補佐であり、入社して6～8年目位の方がやる仕事であり、一般職と役職を繋ぐ役目がある。私のチームは少数のためリーダーという役職は不要と考えられ、設置されてなかった。
そんなチームになぜリーダーが？そして、そのリーダーになぜ彼女が？なぜ急に？？

驚いたのは私だけではない。周囲の人間どころか、別チームからも驚きの声が上がっている。
そんな中、当人は満面の笑みである。まるでこのフロアで1番偉いのは自分であると言わんばかりの表情が前面にでている。心なしか、アゴもでている。

だが、今は彼女の突き出されたアゴ事情は重要ではない。
私はすぐにフロア長を見る。こっちを見ない。明らかに私と目を合わそうとしない。おかしい。

そのまま他の定期連絡が終わり、定例会議は終わった。
「チーフ、花杉さんがリーダーになるという話は聞いていたんですか？」別のスタッフからすぐに話があった。
勿論、私も寝耳に水である。クビはあっても、リーダーなんか考えたこともない人事である。
「いや、知らなかったよ。」これだけ答えることしかできなかった。

その日の夜、フロアでの親睦会が行われた。なんだ。そういうことか。
テーブルの下では、お互いの足と足が触れ合い、肩を寄せ合い、特別な空間ができていたのだ。
あの女は、フロア長を寝取ったのだ。

その日から、リーダー若杉の二度目の暴走が始まった。
仕事は一切せず、訳の分からない指示を沢山出す。
勿論それによる責任は一切負わない。
当然である、後ろにはフロア長という強力な援護があるからである。
水を得た魚。フロア長を得たブスガエル。
ずっと座って指示を出すだけである。
両目はまるで他人の粗を探すかのように、ぎょろぎょろ動いている。
態度がでかくなると足もガニ股となり、ふんぞりカエルかのように座っている。

あー、こいつはもうダメだ。
彼女は人間として終わったよ。

ようやく私に笑みが戻った…なれ