一生の約束。

伊藤龍太郎

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諦め

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「私、何のために勉強してるんだろ?」
と明日香が沙奈に言った。
「明日香、急にどうしたの?亮太と一緒に大学目指すんじゃなかったの?」
「そうだけど、結果が出てないの!」と
少し強めに言った。
すると沙奈は諭すように「結果が出た•出ないは今判断することじゃないの。
判断するのは受験の時だから。それを忘れないで。」
すると、明日香は「お姉ちゃんには関係ないでしょ?」と反発し部屋を出ていった。

同じ頃亮太は、頻繁に起こる頭痛に悩まされていた。しかし、「明日香に心配をかけてはいけない」と思い黙っていた。

明日香は外を歩きながら沙奈が言ったことを反芻していた。その時亮太が明日香を見つけて声をかけようとしたその時
トラックが明日香に向かって走るのが見えた。咄嗟に亮太は明日香を突き飛ばした。明日香は少し離れたところに倒れ込むと同時にバンという鈍い音が聞こえた。明日香は何が起こったのかわからなかったが、亮太が車道で倒れているのを見て
ハッと我にかえり亮太に駆け寄りました。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!目を覚まして!」と呼びかけると亮太が目をうっすら開けて「明日香、怪我はないか?」
と言い、明日香が頷くと微笑みながら「よかった。ちゃんと、周りを、見て、歩けよ!約束だ!」と言い、小指を出し、明日香が小指を絡めようとした瞬間に意識を失った。
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