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芽生え
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石次が入社して、半年が経った頃初めてのプレゼンに挑戦することになった。
明日香は、プレゼンの手伝いをしていた。木村は、準備中に何度も「不安」
であることを吐露してたが、その都度
「大丈夫!初めてのことは誰でも緊張するから。」と明日香が宥めていた。
そして、迎えたプレゼン当日。
石次は、移動の車中で不安がピークに達していましたが、目的地に着いてからは
何度も「大丈夫」と何度も自分に言い聞かせていた。
無事にプレゼンは成功して、安堵していた。
その夜、初のプレゼン成功祝いに明日香と石次は同僚と一緒に飲んでいた。
その最中明日香は「誰かに何かを教えて、結果が出る。」ということに達成感を覚え、亮太の顔が刹那に蘇ってきた。「お兄ちゃんも、こんな気持ちだったのかな?」
自分の顔に寂しさの色が出ていることを感じた明日香は、そのことを周りに悟られないようにしながら店を出た。
家に帰り、自室に戻った明日香は
「お兄ちゃんも、こんな達成感を感じてたのかな?」と大学受験の時のことを
回想していると明日香の頬を涙が流れていった。
それから更に半年が経った頃。
石次は入社から1年が経過したため、明日香は指導係から外れていたが、一年間サポートをしていたせいか、心配になりチラチラ様子を見ていた。その時、明日香に感じたことのない感情が芽生えてきた。
「なんだろう。この胸が熱くなって、ドキドキする。この感覚は?」
すると、明日香の脳裏に一文字の漢字がよぎった。それは「恋」だった。
明日香は、必死に「恋」というものを否定しようとしたが、否定するための言葉が見つからなかった。
すると、石次が「水谷さん。今夜時間ありますか?ちょっと仕事のことで尋ねたいことがありまして。」と聞くと
明日香は、動揺しながらも「え、あ、だ、大丈夫。空いてる。」というと
「ありがとうございます。じゃあ6時くらいに会社前で待ってます。」
というと席を外した。
明日香は自分の心拍が速くなっていることを認識した。
その後約束の時間になり石次と合流した明日香は、2人で夕食を食べに行った。
すると、「石次くん。相談したいことってなに?」と聞くと、「水谷さん。僕、好きな人がいるんです。その人は、職場が一緒なんです。でも、その人のことを意識すると仕事に集中できなくて、困ってるんです。水谷さんは、こんな時どうしてますか?」と質問すると
「私は、やらなければいけない事だって思うと自然と仕事に没頭できる。
ちなみに石次くんの好きな人って誰なの?あ、もちろんいいたくなかったら言わなくていいんだけど。」と取り繕うとする明日香の言葉を遮り「水谷さんです。」と言った。
そのカミングアウトに明日香は言葉を失った。続けて「水谷さん。先輩にこんな事言っていいのかわかりませんけど、
よろしければ僕と付き合ってくださいませんか?」と告白すると、明日香は更に混乱して頭を抱えた。我に返った石次は、「あ、ごめんなさい。今のことは忘れてください!」と懸命に取り繕おうとしましたが、「いや、忘れられるかい!」と思いながらも「石次くん。ちょっと考える時間をくれない?」
と言った。その返事を聞いた石次は混乱して
「え、あ、どうぞ。いくらでも待ちます。」と言ってビールを一気に煽った。
石次と別れて帰路についた明日香は木村のことを考えていた。
それから1週間後明日香は石次を呼び出した。「石次くん。この前のことなんだけど、私結構考えた。それで答えが見つかった。石次くん。私と、付き合って
ください。」と逆告白をした。
これが、明日香の初めての告白であり
恋が成就した瞬間であった。
明日香は、プレゼンの手伝いをしていた。木村は、準備中に何度も「不安」
であることを吐露してたが、その都度
「大丈夫!初めてのことは誰でも緊張するから。」と明日香が宥めていた。
そして、迎えたプレゼン当日。
石次は、移動の車中で不安がピークに達していましたが、目的地に着いてからは
何度も「大丈夫」と何度も自分に言い聞かせていた。
無事にプレゼンは成功して、安堵していた。
その夜、初のプレゼン成功祝いに明日香と石次は同僚と一緒に飲んでいた。
その最中明日香は「誰かに何かを教えて、結果が出る。」ということに達成感を覚え、亮太の顔が刹那に蘇ってきた。「お兄ちゃんも、こんな気持ちだったのかな?」
自分の顔に寂しさの色が出ていることを感じた明日香は、そのことを周りに悟られないようにしながら店を出た。
家に帰り、自室に戻った明日香は
「お兄ちゃんも、こんな達成感を感じてたのかな?」と大学受験の時のことを
回想していると明日香の頬を涙が流れていった。
それから更に半年が経った頃。
石次は入社から1年が経過したため、明日香は指導係から外れていたが、一年間サポートをしていたせいか、心配になりチラチラ様子を見ていた。その時、明日香に感じたことのない感情が芽生えてきた。
「なんだろう。この胸が熱くなって、ドキドキする。この感覚は?」
すると、明日香の脳裏に一文字の漢字がよぎった。それは「恋」だった。
明日香は、必死に「恋」というものを否定しようとしたが、否定するための言葉が見つからなかった。
すると、石次が「水谷さん。今夜時間ありますか?ちょっと仕事のことで尋ねたいことがありまして。」と聞くと
明日香は、動揺しながらも「え、あ、だ、大丈夫。空いてる。」というと
「ありがとうございます。じゃあ6時くらいに会社前で待ってます。」
というと席を外した。
明日香は自分の心拍が速くなっていることを認識した。
その後約束の時間になり石次と合流した明日香は、2人で夕食を食べに行った。
すると、「石次くん。相談したいことってなに?」と聞くと、「水谷さん。僕、好きな人がいるんです。その人は、職場が一緒なんです。でも、その人のことを意識すると仕事に集中できなくて、困ってるんです。水谷さんは、こんな時どうしてますか?」と質問すると
「私は、やらなければいけない事だって思うと自然と仕事に没頭できる。
ちなみに石次くんの好きな人って誰なの?あ、もちろんいいたくなかったら言わなくていいんだけど。」と取り繕うとする明日香の言葉を遮り「水谷さんです。」と言った。
そのカミングアウトに明日香は言葉を失った。続けて「水谷さん。先輩にこんな事言っていいのかわかりませんけど、
よろしければ僕と付き合ってくださいませんか?」と告白すると、明日香は更に混乱して頭を抱えた。我に返った石次は、「あ、ごめんなさい。今のことは忘れてください!」と懸命に取り繕おうとしましたが、「いや、忘れられるかい!」と思いながらも「石次くん。ちょっと考える時間をくれない?」
と言った。その返事を聞いた石次は混乱して
「え、あ、どうぞ。いくらでも待ちます。」と言ってビールを一気に煽った。
石次と別れて帰路についた明日香は木村のことを考えていた。
それから1週間後明日香は石次を呼び出した。「石次くん。この前のことなんだけど、私結構考えた。それで答えが見つかった。石次くん。私と、付き合って
ください。」と逆告白をした。
これが、明日香の初めての告白であり
恋が成就した瞬間であった。
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