【完結】誓いの鳥籠

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第三十三話

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「あ、あっ、おっ、あ、あ゛ぁ!」
 結腸を抜け、休みなくねじ込まれる快楽に勇士は喘ぐことしか出来ない。絶頂しても射精した時のようにすぐには冷めずぐるぐると体の中を快楽が暴れ回る。
 体は脱力し、全てを龍一郎に委ねる。
 後孔は従順に雄を受け入れ、皺一つなく彼の形に沿っていた。
 龍一郎は激しく勇士を求めた。何時間も中を突き、過ぎた快楽に勇士は狂いそうだった。だが龍一郎はまだ足りていない。
 後孔から白濁が溢れ、一度中を掻き出そうと龍一郎は中に挿入れたまま勇士を抱いて浴室移動する。
 汗でべっとりして気持ち悪い。だが体を清める時間も龍一郎は待っていられなかったのだろう。
 雑に白濁を掻き出され、性急に雄を挿入れる。シャワーの雨が降り注ぐ中、龍一郎が両脚ごと腰を抱えて勇士の体を持ち上げる。
 勇士は雫の伝う背中を浴室の壁に預け、腕を龍一郎の首へ回し落ちないようにするのがやっとだ。
「っあ、っあ、ぁあ、あぁぁ」
 嬌声をあげ過ぎた喉は痛め、声が荒れてくる。勇士の体力も限界だった。
 体を寄せて、龍一郎の熱い吐息が耳に触れる。
「勇士……、っ……」
 数えきれない何回目かの熱を中に感じる。そこで勇士は意識を落とした。
 勇士は深く眠り気付くはずもなかったがその後も行為は続いていた。
「んあ、……っぁあ」
 勇士は眉間に皺を寄せ、ベッドの上で展翅のようにして留められる。
 龍一郎は執拗に中を責め、肌に唇を落とす。
「勇士……眠ってても感じてるのか? ふふ。かわいい顔してお前は淫乱だな」
 勇士は意識がなくとも体は奉仕を忘れず雄をきゅうと締め付ける。
 勇士の陰茎からはてらてらと先走りを垂らしても白濁は一切溢れていない。
 それは勇士が龍一郎の完全な雌になったことを示していた。
 龍一郎は品なく貪った。そうしてやっと欲が満たされた時には既に陽が昇っていた。
 もう寝室に昼の光が窓から差し込む頃、勇士は目を覚ます。
「ん、んん……」
 喉は枯れ、体は疲れ切って力が入らない。特に腰は慣れないことをしたからかずくずくと痛い。
 ふと締め付けられる感覚に勇士は自身を見回す。
「っ……」
 思わず息を呑む。
 見ると龍一郎が背後から勇士を抱きしめる形で眠っていた。
 間近に感じる暖かさと龍一郎の息遣いに勇士の心臓はバクバクと音を立てる。途端に思い出す情事の夜。勇士は顔を真っ赤にした。
(……でも)
 思い出す勇士にかけられた言葉の数々。
 龍一郎は何度も「勇士」と名前を呼んでいた。
 彼が求めていたのは親友である勇気だと思っていた。だがあの夜のことで全てが分かった。
 龍一郎が求めていたのは勇士だったのだ。
 途端に自身を抱く男に愛おしさが込み上げてきて腕に触れて口付ける。
 もう二人に不和はない。
 家に閉じ込めていたのも外部から守るために貞操帯で縛っていたのも自分のためだったのだ。こんなに愛されていたのだ、そんな実感が湧いてきて勇士は胸が震えた。
「勇士……」
 ふと龍一郎が寝言を呟き、抱く腕の力を強めて更に体を密着させる。顔を髪に埋める。だが勇士は中の違和感に動揺した。
「えっ……」
 まだ中に龍一郎のが挿入っている。
 だが困惑をする暇もなく、龍一郎は無意識なのだろうか腰を欲のままに動かし勇士の弱い部分を突く。
「ぁあっ……」
 散々虐められた前立腺はひとたまりもなく、勇士は声を漏らす。もう快楽を受け止める体力など勇士には残っていない。
 一度腕の拘束から逃げようと躍起になるが、龍一郎の力が強くて敵わない。
「んー、父さん起きて。腕離してよ」
 腕と格闘しながら龍一郎を起こそうと試みる。だが眠りは深いようだった。目覚める気配はない。
「父さん──っあ!」
 勇士は目を見開き、背を仰け反らせる。
 敏感なところを深く抉られたのだ。
「……父さん」
 力なく勇士は訴える。すると弱った子猫の鳴き声にすぐに駆けつける親猫のように龍一郎の意識は一気に浮上した。
「勇士……」
 幻でも見ているかのような様子で龍一郎が見つめる。勇士はもうない体力で「父さん、抜いて」と訴えた。
 龍一郎が気付いたのだろう。慌てて中に埋めていたものを抜く。
「んあ……」
 勢いが勢いで感じてしまう。
 だが龍一郎の様子がおかしいことにすぐに気付く。
 その龍一郎の表情を一言で表すなら「やってしまった」といった具合だ。
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