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第三十一話
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アイスキャンディーを口に含むようにペロペロ舐める。だが何の反応も見せない。
「うーん。……もう直接挿入れようか」
服を脱いで棚にあるローションを取り出し、尻にたらりと垂らす。
「ふぅ……はぁ……」
龍一郎に跨いだまま後ろを解す。
しばらく何も入っていなかった後孔は指一本でもきつい。慎重に指を増やしていく。
普段あまり見ない無防備な寝顔がかわいい。性に乱れているというのに龍一郎は何も知らず眠ったまま。
「とうさん……」
演技を忘れて呟いてしまう。
触ってすらいない前からぽたりと先走りが溢れる。
三本まで中に埋められたところで、シュシュッと龍一郎のを扱いて軽く勃たせて手を添える。
「ん……」
流石に龍一郎も眉根を寄せる。だがまだ目を開ける素ぶりはない。
「龍一郎、俺も好きだから合意セックスだよな」
腰を浮かせ、後孔に当てて挿入を試みる。
「う、……ん」
ぷちゅぷちゅと上手く出来なくてズレてしまう。焦ったい。
「なんで挿入らないんだ──っああ!」
突然するっと挿入ってみっちりと広がる感覚に嬌声をあげる。
根本まで咥えた後孔は皺一つない。
貞操帯とは違う。本物の熱と大きさ。
下を見れば腹に埋まる龍一郎の形がうっすらと盛り上がっていた。なんだか愛おしく感じて腹を摩る。
「龍一郎、ほら全部挿入ったぞ」
パチュッパチュッパチュッ。
胸に手をつき、欲望のままに腰を浮き沈みさせる。
前立腺は虐められた感覚を思い出し、快楽を研ぎ澄ませていく。
「う……」
「あっ、あ、あっ!」
龍一郎もこのまま眠ることはやはり不可能で、目を覚ます寸前だ。でも絶頂は近い。
勇士はそのままぷっくりと腫れている弱点に性急にグッと押し当てる。
「ぁあああ──!」
ぷしゃあと潮を吹き、背を仰け反らせる。
龍一郎に勇士が倒れ込むのと彼が目を覚ますのはほぼ同時だった。
「勇士……」
「はぁはぁ……やっと起きた」
汗で張り付いた前髪、熱っぽい頬。そして下半身に感じるむっちりとした締め付け。
龍一郎がガバリと起き上がり、勇士の肩を押して退く。
「勇士、何を……」
やはり龍一郎は戸惑っているようだった。勇士は親友がするように笑ってみせる。
「何言ってんだよ、龍一郎。俺は勇気だよ」
龍一郎が愕然とする。「クソッ……」と言い放って立ち上がり、動揺した様子で髪をかきあげる。
龍一郎はきっと喜ぶだろうと思っていた。思っていたのとは違う反応に勇士は戸惑う。
「龍一郎、なぁ早く中にくれよ。中が寂しいんだ」
ベッドを這って龍一郎に近寄る。だが龍一郎にその気があるようには思えない。
焦った勇士は過激に傾く。
両手で股を開き、龍一郎にてらてらと濡れ、ひくつく後孔を見せつける。
ふと龍一郎の動きが止まり、勇士に釘付けになる。
「龍一郎、早くちょうだい。太いおちんぽで中いっぱい突いて」
ネットで知ってる限りの少ないワードを思い出して吐き出す。
龍一郎の見開いた瞳が勇士を射抜く。
「っ……勇士」
ごくりと龍一郎が唾を飲み込む。次の瞬間、視界が暗くなる。両手首はシーツに縫い止められ、覆い被さる龍一郎の背が勇士の姿を隠す。
「勇士、勇士……勇士」
龍一郎が勇士の体に激しく吸い付く。首から下腹部まで赤い花が散る。
「りゅ、龍一郎……」
突然のことに驚く。しかも龍一郎は勇気ではなく勇士と呼んでいた。
「うーん。……もう直接挿入れようか」
服を脱いで棚にあるローションを取り出し、尻にたらりと垂らす。
「ふぅ……はぁ……」
龍一郎に跨いだまま後ろを解す。
しばらく何も入っていなかった後孔は指一本でもきつい。慎重に指を増やしていく。
普段あまり見ない無防備な寝顔がかわいい。性に乱れているというのに龍一郎は何も知らず眠ったまま。
「とうさん……」
演技を忘れて呟いてしまう。
触ってすらいない前からぽたりと先走りが溢れる。
三本まで中に埋められたところで、シュシュッと龍一郎のを扱いて軽く勃たせて手を添える。
「ん……」
流石に龍一郎も眉根を寄せる。だがまだ目を開ける素ぶりはない。
「龍一郎、俺も好きだから合意セックスだよな」
腰を浮かせ、後孔に当てて挿入を試みる。
「う、……ん」
ぷちゅぷちゅと上手く出来なくてズレてしまう。焦ったい。
「なんで挿入らないんだ──っああ!」
突然するっと挿入ってみっちりと広がる感覚に嬌声をあげる。
根本まで咥えた後孔は皺一つない。
貞操帯とは違う。本物の熱と大きさ。
下を見れば腹に埋まる龍一郎の形がうっすらと盛り上がっていた。なんだか愛おしく感じて腹を摩る。
「龍一郎、ほら全部挿入ったぞ」
パチュッパチュッパチュッ。
胸に手をつき、欲望のままに腰を浮き沈みさせる。
前立腺は虐められた感覚を思い出し、快楽を研ぎ澄ませていく。
「う……」
「あっ、あ、あっ!」
龍一郎もこのまま眠ることはやはり不可能で、目を覚ます寸前だ。でも絶頂は近い。
勇士はそのままぷっくりと腫れている弱点に性急にグッと押し当てる。
「ぁあああ──!」
ぷしゃあと潮を吹き、背を仰け反らせる。
龍一郎に勇士が倒れ込むのと彼が目を覚ますのはほぼ同時だった。
「勇士……」
「はぁはぁ……やっと起きた」
汗で張り付いた前髪、熱っぽい頬。そして下半身に感じるむっちりとした締め付け。
龍一郎がガバリと起き上がり、勇士の肩を押して退く。
「勇士、何を……」
やはり龍一郎は戸惑っているようだった。勇士は親友がするように笑ってみせる。
「何言ってんだよ、龍一郎。俺は勇気だよ」
龍一郎が愕然とする。「クソッ……」と言い放って立ち上がり、動揺した様子で髪をかきあげる。
龍一郎はきっと喜ぶだろうと思っていた。思っていたのとは違う反応に勇士は戸惑う。
「龍一郎、なぁ早く中にくれよ。中が寂しいんだ」
ベッドを這って龍一郎に近寄る。だが龍一郎にその気があるようには思えない。
焦った勇士は過激に傾く。
両手で股を開き、龍一郎にてらてらと濡れ、ひくつく後孔を見せつける。
ふと龍一郎の動きが止まり、勇士に釘付けになる。
「龍一郎、早くちょうだい。太いおちんぽで中いっぱい突いて」
ネットで知ってる限りの少ないワードを思い出して吐き出す。
龍一郎の見開いた瞳が勇士を射抜く。
「っ……勇士」
ごくりと龍一郎が唾を飲み込む。次の瞬間、視界が暗くなる。両手首はシーツに縫い止められ、覆い被さる龍一郎の背が勇士の姿を隠す。
「勇士、勇士……勇士」
龍一郎が勇士の体に激しく吸い付く。首から下腹部まで赤い花が散る。
「りゅ、龍一郎……」
突然のことに驚く。しかも龍一郎は勇気ではなく勇士と呼んでいた。
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