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第九話
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「無理しないで。ここには俺たち以外誰もいないから声が漏れても大丈夫だよ」
そう噛んでいた唇に指先で触れて安心させようとするとバルタザールはビクリと体を震わせて、顔を背けたいのか目線を外す。
その反応がどんなにアレクシスを煽るのか彼は知らない。アレクシスは中心が熱くなるのを感じた。その強気な顔を辛抱たまらなくさせたい。なりふり構わず嬌声をあげるまで弄りたい。だが性的なことはしないと約束したため欲求を我慢して徹底的に穢れを拭いていく。
「っん、……ん、……っぅ……!」
胸がジリジリと赤くなるまで拭うとバルタザールは瞳を甘くし、声を抑えるのもやっとな様子で理性が溶けかけているようだった。この様子だともう暴れることは出来ないだろう。魔法を解いて仕上げに拭うとバルタザールは感じているのだろう、腰を無意識に揺らしていた。
もっと虐めたいけれどここまで拭えば穢れは取れているだろう。バルタザールの下に目線を向ける。
拘束しているから下を脱がすことは出来ない。枷を作る時に余った鉄を使い、魔法で鋏にしてそれで下を裂いていく。バルタザールは次にされることを予感したらしい。溶けかけた理性を取り戻し、アレクシスに訴える。
「俺は何も触られてない! 結局ヤらずに宿を出たんだ! だから──っ……!」
彼の口から直接的な言葉を聞いてブワッと暗い感情が湧いてくる。丁度鋏を下衣に入れるところだったからなのもあるだろう。バルタザールはアレクシスの激情巡る表情に恐怖から息を詰めていた。
もしかしたら自身の諸共切られるかもしれない。そんなことを恐れているのかちょきん、ちょきんと下衣を裂いている間、バルタザールは微動だにしなかった。
現れたそれは人を表すように男らしいもので下に触れる直前、またバルタザールが小さく反抗するが執拗に拭っていくと歯向かうよりじっとしている方が早く終わると思ったのか、目は閉じ、眉間に皺を寄せてぐっと口を結んで刺激に耐えていた。
ようやく綺麗にすると、バルタザールの竿は刺激で緩く勃ち上がっていた。それを恥ずかしそうに脚を閉じて隠しながら投げやり気味に言う。
「もう終わりでいいだろう。早く枷を外せ」
だがこのままバルタザールの言葉に従うわけにはいかなかった。
「寝たのは男? 女?」
「……男だ。だが寝てなんかいねぇ」
「意外。君は男に興味はないと思ってた」
「お前のために仕方なくだったんだよ」
「俺のため?」
「お前にとってこれから暮らすには人間のいない国の方がいいと思って獣人の国フラフィンについて調べてたんだよ。そこで男が、寝たらフラフィンについて教えるって言うんでそれで仕方なく。けど途中で嘘だってわかったから結局ヤらず帰って来たんだ」
バルタザールが自身の体を穢すのも厭わず自分のためにそこまでしてくれた。他人に中を犯されても仲間のためなら。自分だったらたとえ信頼する相棒のためだとはいえそんなことには踏み切れない。そうかと納得する。
(君は俺のことが好きだったんだね)
本人は気付いていないのかもしれない。だがそこまで出来るのは好きだからという理由以外見つからない。
「バルタザール、ありがとう。やっと君を心から理解出来た気がする」
バルタザールは言葉の意味がわからないのだろう、訝しげにしていた。だが納得したならそれでいいとバルタザールはあまり意味を考えずにアレクシスを急かせる。
「そうか、それならよかった。アレクシス、頼むからさっさと枷を外してくれ」
「バルタザール、君が俺と同じ気持ちなのが嬉しいよ」
「そうだな。だから早く……おい、何やってんだよ」
下を脱ぐと既にアレクシスの中心は熱が巡って勃っていた。バルタザールが顔色を変えて体を固まらせる。
「君には自分自身の気持ちに気付いて欲しいんだ。それに寝てないとは言っても中は弄られただろうから上書きしたい」
「お前何言って……。中って俺はそっち側じゃあ……」
「こんなかわいい人を中を弄りもせずみすみす逃すはずがないだろう」
バルタザールは迫るアレクシスにやめろ、話を聞け、弄られてなんかないと訴えていたが、本当にそうだとしても一つになってバルタザールに自分の気持ちに気付いて欲しいからやめるつもりはない。
それを彼も察知したのだろう。バルタザールは説得するのをやめて、逃れようと暴れるが無力にじゃらじゃらと鎖が鳴るだけだ。「クソッ」と口汚く焦るが、ピタリと熱を後孔に押し付けた瞬間、怯えたように体が強張る。初めては誰しも怖いものだろう。
魔法で粘液を出して、後孔を濡らす。
「慣らされてるだろうからそのまま挿入れるね。大丈夫、怖くないよ。最初はちゃんと優しくするから」
そう言って彼にキスをしようと思ったが、恥ずかしいのか顔を背けられたため、頬に軽く唇を落とし、安心させようと震える手を握る。
「ぁあっ……!」
ゆっくりと中に埋めていくとバルタザールは痛いのか顔を歪める。思ったより狭いな、なんて思いながら腰を進めていく。
「ああっ……ん、アレクシス……っぅう、やめてくれ」
バルタザールが苦しみながら懇願する。
そう噛んでいた唇に指先で触れて安心させようとするとバルタザールはビクリと体を震わせて、顔を背けたいのか目線を外す。
その反応がどんなにアレクシスを煽るのか彼は知らない。アレクシスは中心が熱くなるのを感じた。その強気な顔を辛抱たまらなくさせたい。なりふり構わず嬌声をあげるまで弄りたい。だが性的なことはしないと約束したため欲求を我慢して徹底的に穢れを拭いていく。
「っん、……ん、……っぅ……!」
胸がジリジリと赤くなるまで拭うとバルタザールは瞳を甘くし、声を抑えるのもやっとな様子で理性が溶けかけているようだった。この様子だともう暴れることは出来ないだろう。魔法を解いて仕上げに拭うとバルタザールは感じているのだろう、腰を無意識に揺らしていた。
もっと虐めたいけれどここまで拭えば穢れは取れているだろう。バルタザールの下に目線を向ける。
拘束しているから下を脱がすことは出来ない。枷を作る時に余った鉄を使い、魔法で鋏にしてそれで下を裂いていく。バルタザールは次にされることを予感したらしい。溶けかけた理性を取り戻し、アレクシスに訴える。
「俺は何も触られてない! 結局ヤらずに宿を出たんだ! だから──っ……!」
彼の口から直接的な言葉を聞いてブワッと暗い感情が湧いてくる。丁度鋏を下衣に入れるところだったからなのもあるだろう。バルタザールはアレクシスの激情巡る表情に恐怖から息を詰めていた。
もしかしたら自身の諸共切られるかもしれない。そんなことを恐れているのかちょきん、ちょきんと下衣を裂いている間、バルタザールは微動だにしなかった。
現れたそれは人を表すように男らしいもので下に触れる直前、またバルタザールが小さく反抗するが執拗に拭っていくと歯向かうよりじっとしている方が早く終わると思ったのか、目は閉じ、眉間に皺を寄せてぐっと口を結んで刺激に耐えていた。
ようやく綺麗にすると、バルタザールの竿は刺激で緩く勃ち上がっていた。それを恥ずかしそうに脚を閉じて隠しながら投げやり気味に言う。
「もう終わりでいいだろう。早く枷を外せ」
だがこのままバルタザールの言葉に従うわけにはいかなかった。
「寝たのは男? 女?」
「……男だ。だが寝てなんかいねぇ」
「意外。君は男に興味はないと思ってた」
「お前のために仕方なくだったんだよ」
「俺のため?」
「お前にとってこれから暮らすには人間のいない国の方がいいと思って獣人の国フラフィンについて調べてたんだよ。そこで男が、寝たらフラフィンについて教えるって言うんでそれで仕方なく。けど途中で嘘だってわかったから結局ヤらず帰って来たんだ」
バルタザールが自身の体を穢すのも厭わず自分のためにそこまでしてくれた。他人に中を犯されても仲間のためなら。自分だったらたとえ信頼する相棒のためだとはいえそんなことには踏み切れない。そうかと納得する。
(君は俺のことが好きだったんだね)
本人は気付いていないのかもしれない。だがそこまで出来るのは好きだからという理由以外見つからない。
「バルタザール、ありがとう。やっと君を心から理解出来た気がする」
バルタザールは言葉の意味がわからないのだろう、訝しげにしていた。だが納得したならそれでいいとバルタザールはあまり意味を考えずにアレクシスを急かせる。
「そうか、それならよかった。アレクシス、頼むからさっさと枷を外してくれ」
「バルタザール、君が俺と同じ気持ちなのが嬉しいよ」
「そうだな。だから早く……おい、何やってんだよ」
下を脱ぐと既にアレクシスの中心は熱が巡って勃っていた。バルタザールが顔色を変えて体を固まらせる。
「君には自分自身の気持ちに気付いて欲しいんだ。それに寝てないとは言っても中は弄られただろうから上書きしたい」
「お前何言って……。中って俺はそっち側じゃあ……」
「こんなかわいい人を中を弄りもせずみすみす逃すはずがないだろう」
バルタザールは迫るアレクシスにやめろ、話を聞け、弄られてなんかないと訴えていたが、本当にそうだとしても一つになってバルタザールに自分の気持ちに気付いて欲しいからやめるつもりはない。
それを彼も察知したのだろう。バルタザールは説得するのをやめて、逃れようと暴れるが無力にじゃらじゃらと鎖が鳴るだけだ。「クソッ」と口汚く焦るが、ピタリと熱を後孔に押し付けた瞬間、怯えたように体が強張る。初めては誰しも怖いものだろう。
魔法で粘液を出して、後孔を濡らす。
「慣らされてるだろうからそのまま挿入れるね。大丈夫、怖くないよ。最初はちゃんと優しくするから」
そう言って彼にキスをしようと思ったが、恥ずかしいのか顔を背けられたため、頬に軽く唇を落とし、安心させようと震える手を握る。
「ぁあっ……!」
ゆっくりと中に埋めていくとバルタザールは痛いのか顔を歪める。思ったより狭いな、なんて思いながら腰を進めていく。
「ああっ……ん、アレクシス……っぅう、やめてくれ」
バルタザールが苦しみながら懇願する。
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