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第二十五話 小望月②
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「…………」
このまま黙っていた方が良さそうだった。兄はそんな俺の様子を気にすることもなく、もう既に先走りで濡れた先端に口づける。
「お前はどこもかしこもかわいいな」
そう微笑み、陰茎に話しかけるように言われ恥ずかしくなる。見られたくなくて脚を閉じようとするが、手で押さえられ恥部が兄の目の前へ曝け出される。
高ぶりに吸い付く唇。
兄がしようとしていることに気付いて俺は慌てて兄の腕を掴んだ。
「あ、あにうえ……!」
こんなされてばっかりは嫌だった。俺だって兄にしてあげたい。
けれど兄は俺の行動が羞恥心から来るものだと思っているのか止まることなくその先端を口に含もうとしていた。
「っあにうえ……!」
呼びかけてもやはり無駄。
こうなったら実力行使だ。
起き上がって兄の肩を押す。筋力が落ちたためかこんなことすらひどく力がいる。
ぼふんと寝具が沈む。覆い被さる俺に兄は予想外といった表情を浮かべていた。
「……お、俺もする」
なんだか拗ねる子どものような感じで言ってしまった。
恐る恐る手を下に伸ばす。露わになったそこは俺のものよりも断然大きくて、自分でああ言っておいて戸惑いを感じてしまった。
「無理しなくていいんだぞ」
体を起こしたまま俺の様子を窺っていた兄の声が上から降ってくる。
いや、男に二言はない。俺だって兄に気持ちよくなってもらいたいんだ。
なんだか目を開けたままだとまた戸惑ってしまいそうで、目をぎゅっと瞑って兄の大きなそれを口に含む。
「……ん、むぅ、んっ、ん」
やったことはないけどとりあえず舌を動かしてみる。ずっと口を開けたままは辛くて顎が痛くなりそうだったが、頑張って舌を陰茎に這わせる。
けれどあまり反応がない。
瞑っていた瞳を開けて見上げれば、兄は愛おしそうに目を細めながら頭を撫でてきた。
不満じゃなさそうだったが、俺が咥えているというだけで満足しているだけのように見える。
舐めるだけじゃ駄目ってことなのだろうか。
せっかく兄を気持ちよくさせたいのに出来ない。
どうしたらいいのだろうかと悩んでいると別にここだけが性器じゃないことを思い出す。
陰嚢をハムハムと軽く咥えて、反応を窺う。特に動きはない。
……もう少し咥え込んだ方がいいのだろうか。そして口に含み、ちゅうちゅうと吸っていると少し重くなったような気がした。もしかして悦んでくれているのだろうか。
手を添えてそこを揉み込み、口に入り切らなかった根本から先まで舐めてみる。すっと裏筋の辺りに舌を這わせるとビクッと脈動を感じた。ああ、こうすればいいんだ。
重点的に裏筋や他のいいところを舐めたり吸ったりして、ドクドクと脈動が強まるほどに悦んでくれているのだと嬉しくなって更に反応を求めようと舌を這わせる。次は手で包み込んで上下にさすってみようとすると突然肩を掴まれた。
「っもういいから……」
気付けば眉根を寄せて漏れる声を押し殺し、随分余裕のなさそうな表情を浮かべる兄がいた。
兄の見たことのない表情に俺はやめる気なんて更々起きなかった。
「いやだ」
聞き分けのない子どものようにそう言い放って一気に根本まで咥え込んだ。
苦しいけど我慢。
せっかくここまで育てたんだから最後までやりたい。
俺の中で謎の使命感が根付いていた。
喉に当たるまで咥えて大きくなった高ぶりに頬が膨らむ。そのまま口を動かしていると、急に頭を腰に押さえつけられた。
「っく──!」
「っぅむ──カハッ……!」
溜まりに溜まった熱が爆発する。苦しくて思わず口を離す。溢れた白い濁流が口の端からてらりと垂れる。
荒くなった息を整える俺にすぐさま兄が心配そうにそばに寄る。
「っすまない。やりすぎてしまった。ほらすぐに吐き出せ」
脱いで放っていた自身の服を兄が口元へ持っていく。
口に広がるそれは苦くてあまり美味しいとは言えない。けれど兄のものだと思うととても愛おしく、全て体に取り込みたいと思った。
ごくんと飲み込み、垂れた白濁もペロリと舐める。信じられないと言うような表情で兄がそれを見つめていた。
「兄上のなら全部欲しい。全部俺の中に欲しい」
さっきから疼いて仕方ない男にはないはずの場所をさすりながら、うっとりと目元を緩ませて兄に求める。
兄が息を呑む。
押し倒され、両手をベッドに縛り付けられる。途端、押し付けるように唇を重ね、中に兄の舌が入ってきた。
「っ……ずっと抑えていたのに。これじゃあ我慢が効かなくなるだろ」
切羽詰まっているような苦しげな兄に俺は誘うように囁いた。
「今日は調子がいいんだ。……だから俺の中に全部ちょうだい」
口内を舌が這い回る。貪るように舌を絡ませ、唇を離すと俺のだと主張するように首元に吸い付く。
もう我慢なんて言葉はそこにはなかった。
大きく脚を開かされ、後孔が兄の目の前に曝け出される。兄は取り出した香油を指に馴染ませると、そこへ塗り込むように指を動かし始めた。
そうして充分な滑りを借りて指が中に挿入ってくる。
「っふ…………」
痛くはないが、本来出すべき器官に受け入れているためか違和感を感じる。一本、二本と兄の指が増えていき、そのどれもが何かを探すようにバラバラに動く。
「っん──!」
ふと体がビクリと震えた。
「ここか」
兄の瞳が獲物を得たように細まる。
このまま黙っていた方が良さそうだった。兄はそんな俺の様子を気にすることもなく、もう既に先走りで濡れた先端に口づける。
「お前はどこもかしこもかわいいな」
そう微笑み、陰茎に話しかけるように言われ恥ずかしくなる。見られたくなくて脚を閉じようとするが、手で押さえられ恥部が兄の目の前へ曝け出される。
高ぶりに吸い付く唇。
兄がしようとしていることに気付いて俺は慌てて兄の腕を掴んだ。
「あ、あにうえ……!」
こんなされてばっかりは嫌だった。俺だって兄にしてあげたい。
けれど兄は俺の行動が羞恥心から来るものだと思っているのか止まることなくその先端を口に含もうとしていた。
「っあにうえ……!」
呼びかけてもやはり無駄。
こうなったら実力行使だ。
起き上がって兄の肩を押す。筋力が落ちたためかこんなことすらひどく力がいる。
ぼふんと寝具が沈む。覆い被さる俺に兄は予想外といった表情を浮かべていた。
「……お、俺もする」
なんだか拗ねる子どものような感じで言ってしまった。
恐る恐る手を下に伸ばす。露わになったそこは俺のものよりも断然大きくて、自分でああ言っておいて戸惑いを感じてしまった。
「無理しなくていいんだぞ」
体を起こしたまま俺の様子を窺っていた兄の声が上から降ってくる。
いや、男に二言はない。俺だって兄に気持ちよくなってもらいたいんだ。
なんだか目を開けたままだとまた戸惑ってしまいそうで、目をぎゅっと瞑って兄の大きなそれを口に含む。
「……ん、むぅ、んっ、ん」
やったことはないけどとりあえず舌を動かしてみる。ずっと口を開けたままは辛くて顎が痛くなりそうだったが、頑張って舌を陰茎に這わせる。
けれどあまり反応がない。
瞑っていた瞳を開けて見上げれば、兄は愛おしそうに目を細めながら頭を撫でてきた。
不満じゃなさそうだったが、俺が咥えているというだけで満足しているだけのように見える。
舐めるだけじゃ駄目ってことなのだろうか。
せっかく兄を気持ちよくさせたいのに出来ない。
どうしたらいいのだろうかと悩んでいると別にここだけが性器じゃないことを思い出す。
陰嚢をハムハムと軽く咥えて、反応を窺う。特に動きはない。
……もう少し咥え込んだ方がいいのだろうか。そして口に含み、ちゅうちゅうと吸っていると少し重くなったような気がした。もしかして悦んでくれているのだろうか。
手を添えてそこを揉み込み、口に入り切らなかった根本から先まで舐めてみる。すっと裏筋の辺りに舌を這わせるとビクッと脈動を感じた。ああ、こうすればいいんだ。
重点的に裏筋や他のいいところを舐めたり吸ったりして、ドクドクと脈動が強まるほどに悦んでくれているのだと嬉しくなって更に反応を求めようと舌を這わせる。次は手で包み込んで上下にさすってみようとすると突然肩を掴まれた。
「っもういいから……」
気付けば眉根を寄せて漏れる声を押し殺し、随分余裕のなさそうな表情を浮かべる兄がいた。
兄の見たことのない表情に俺はやめる気なんて更々起きなかった。
「いやだ」
聞き分けのない子どものようにそう言い放って一気に根本まで咥え込んだ。
苦しいけど我慢。
せっかくここまで育てたんだから最後までやりたい。
俺の中で謎の使命感が根付いていた。
喉に当たるまで咥えて大きくなった高ぶりに頬が膨らむ。そのまま口を動かしていると、急に頭を腰に押さえつけられた。
「っく──!」
「っぅむ──カハッ……!」
溜まりに溜まった熱が爆発する。苦しくて思わず口を離す。溢れた白い濁流が口の端からてらりと垂れる。
荒くなった息を整える俺にすぐさま兄が心配そうにそばに寄る。
「っすまない。やりすぎてしまった。ほらすぐに吐き出せ」
脱いで放っていた自身の服を兄が口元へ持っていく。
口に広がるそれは苦くてあまり美味しいとは言えない。けれど兄のものだと思うととても愛おしく、全て体に取り込みたいと思った。
ごくんと飲み込み、垂れた白濁もペロリと舐める。信じられないと言うような表情で兄がそれを見つめていた。
「兄上のなら全部欲しい。全部俺の中に欲しい」
さっきから疼いて仕方ない男にはないはずの場所をさすりながら、うっとりと目元を緩ませて兄に求める。
兄が息を呑む。
押し倒され、両手をベッドに縛り付けられる。途端、押し付けるように唇を重ね、中に兄の舌が入ってきた。
「っ……ずっと抑えていたのに。これじゃあ我慢が効かなくなるだろ」
切羽詰まっているような苦しげな兄に俺は誘うように囁いた。
「今日は調子がいいんだ。……だから俺の中に全部ちょうだい」
口内を舌が這い回る。貪るように舌を絡ませ、唇を離すと俺のだと主張するように首元に吸い付く。
もう我慢なんて言葉はそこにはなかった。
大きく脚を開かされ、後孔が兄の目の前に曝け出される。兄は取り出した香油を指に馴染ませると、そこへ塗り込むように指を動かし始めた。
そうして充分な滑りを借りて指が中に挿入ってくる。
「っふ…………」
痛くはないが、本来出すべき器官に受け入れているためか違和感を感じる。一本、二本と兄の指が増えていき、そのどれもが何かを探すようにバラバラに動く。
「っん──!」
ふと体がビクリと震えた。
「ここか」
兄の瞳が獲物を得たように細まる。
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