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第二十話
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「ルイ゛~~」
俺の姿を見て団員がボロボロと涙を流しながら強く抱きつき、すりすりと頬を擦り寄せる。
「ルイ゛が無事でほんどうに゛よがっだぁ~~」
「オスカー、そんな汚い面であまりルイにそう抱きつくな。涙と鼻水でルイが汚れるだろうが」
「そうだ独り占めすんな!」
そうして抱きつくオスカーを団員が力づくで引き剥がす。身軽になると団員の一人が頭を優しく撫でる。
「ルイ、おかえり。またこうして無事に戻ってきてくれて俺たち嬉しいよ」
そう微笑んで俺を迎える団員たち。
誰も獣人になった俺を忌避する者はいない。
俺が獣人だと言うことは人伝に知っていただろうが、こうして実際目で見れば人から聞いた時とは違う感想を抱くものだろう。そう考えて、みんなのいる訓練所に来るまでとても不安だったが悩んでいたことが馬鹿に思うくらい団員たちは暖かった。
「うん、ただいま」
あ、そうだと俺を囲んでいたその輪の一人に話しかける。
「アドル、この服ありがとう」
アドルのおかげで今の俺は丈も合った服を身に纏っていた。彼がなんてことないように笑う。
「いいんだ。服を作るのは俺の趣味だから。ただ急ごしらえのものだから実用性しかないほんと面白味も何もない服だけどね」
「そんなことない。俺のためにわざわざ服を作ってくれて本当にありがとう。みんなも。俺のためにご飯持って来てくれたり、買い物までしてくれてとても助かったよ」
その言葉にみんながだらんと頬を緩ませる。
「いやいや、いいんだよ。団長が寝込んでるのに子ども一人だけで家に残すなんて出来るわけないじゃないか。逆にごめんな。本当は家の手伝いもしてやりたかったんだけど」
「そんなこと気にしなくていいよ。みんながしてくれたこと、俺本当に助かったんだから」
別の団員が訝し気に首を傾げる。
「そりゃあ団長が俺たちを家にあがらせるのを禁止したから仕方ないっちゃ、仕方ないんだろうけどよ。けどなんでルイに直接会うことすら団長は許さなかったんだ」
そう彼の言う通り、訓練所でこうしてみんなに会うまで直接会うことはなかった。様子を見に来てくれたみんなとは玄関の扉越しで会話をして、ご飯や調達してくれたものなんかは扉の前に置いて、みんなが帰った後に受け取っていた。
「ルイ゛~~」
乱暴に引き剥がされ地面に伏していたオスカーが再び起き上がり、泣きながら俺に抱きつく。
こうしてあの雨の日の後、みんなと実際に会うのは今日が初めて。
声だけじゃなく俺の姿を目に映して無事であることをオスカーは実感しているのだろう。
「オスカー、心配かけてごめんね」
なんとか慰めたくてよしよしと頭を撫でる。すると一斉にオスカーへの非難の声があがる。
「あっ! オスカーずるいぞ!! 自分ばっか甘えやがって!」
「今すぐ離れやがれ!」
「泣いてんのも嘘のくせにこのヤロー!」
けれどオスカーは周りを気にすることもなく、うわぁーんと涙を流し続けて俺の手に頭を擦り寄せる。
みんながまた一層彼を非難する声を強めるなか、先程首を傾げていた団員がまだ不思議そうにしながら疑問を吐く。
「そもそもなんで団長は家にあがらせなかったんだ?」
それに関しては俺も以前ヴィンセントに訊いた。
そしたら彼は情けなさそうに顔をしかめながらこう言った。
「自分のためとお前のためだ」
「俺のため?」
俺の姿を見て団員がボロボロと涙を流しながら強く抱きつき、すりすりと頬を擦り寄せる。
「ルイ゛が無事でほんどうに゛よがっだぁ~~」
「オスカー、そんな汚い面であまりルイにそう抱きつくな。涙と鼻水でルイが汚れるだろうが」
「そうだ独り占めすんな!」
そうして抱きつくオスカーを団員が力づくで引き剥がす。身軽になると団員の一人が頭を優しく撫でる。
「ルイ、おかえり。またこうして無事に戻ってきてくれて俺たち嬉しいよ」
そう微笑んで俺を迎える団員たち。
誰も獣人になった俺を忌避する者はいない。
俺が獣人だと言うことは人伝に知っていただろうが、こうして実際目で見れば人から聞いた時とは違う感想を抱くものだろう。そう考えて、みんなのいる訓練所に来るまでとても不安だったが悩んでいたことが馬鹿に思うくらい団員たちは暖かった。
「うん、ただいま」
あ、そうだと俺を囲んでいたその輪の一人に話しかける。
「アドル、この服ありがとう」
アドルのおかげで今の俺は丈も合った服を身に纏っていた。彼がなんてことないように笑う。
「いいんだ。服を作るのは俺の趣味だから。ただ急ごしらえのものだから実用性しかないほんと面白味も何もない服だけどね」
「そんなことない。俺のためにわざわざ服を作ってくれて本当にありがとう。みんなも。俺のためにご飯持って来てくれたり、買い物までしてくれてとても助かったよ」
その言葉にみんながだらんと頬を緩ませる。
「いやいや、いいんだよ。団長が寝込んでるのに子ども一人だけで家に残すなんて出来るわけないじゃないか。逆にごめんな。本当は家の手伝いもしてやりたかったんだけど」
「そんなこと気にしなくていいよ。みんながしてくれたこと、俺本当に助かったんだから」
別の団員が訝し気に首を傾げる。
「そりゃあ団長が俺たちを家にあがらせるのを禁止したから仕方ないっちゃ、仕方ないんだろうけどよ。けどなんでルイに直接会うことすら団長は許さなかったんだ」
そう彼の言う通り、訓練所でこうしてみんなに会うまで直接会うことはなかった。様子を見に来てくれたみんなとは玄関の扉越しで会話をして、ご飯や調達してくれたものなんかは扉の前に置いて、みんなが帰った後に受け取っていた。
「ルイ゛~~」
乱暴に引き剥がされ地面に伏していたオスカーが再び起き上がり、泣きながら俺に抱きつく。
こうしてあの雨の日の後、みんなと実際に会うのは今日が初めて。
声だけじゃなく俺の姿を目に映して無事であることをオスカーは実感しているのだろう。
「オスカー、心配かけてごめんね」
なんとか慰めたくてよしよしと頭を撫でる。すると一斉にオスカーへの非難の声があがる。
「あっ! オスカーずるいぞ!! 自分ばっか甘えやがって!」
「今すぐ離れやがれ!」
「泣いてんのも嘘のくせにこのヤロー!」
けれどオスカーは周りを気にすることもなく、うわぁーんと涙を流し続けて俺の手に頭を擦り寄せる。
みんながまた一層彼を非難する声を強めるなか、先程首を傾げていた団員がまだ不思議そうにしながら疑問を吐く。
「そもそもなんで団長は家にあがらせなかったんだ?」
それに関しては俺も以前ヴィンセントに訊いた。
そしたら彼は情けなさそうに顔をしかめながらこう言った。
「自分のためとお前のためだ」
「俺のため?」
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