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6~男性視点

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 軽くシャワーを浴びて王宮に戻る。
「おめでとうございます。殿下」
「何がめでたいんだよ。なんで勝手なことをした!坂倉を日本に帰すぞ」
 そういうと魔術師は口の端を上げて不気味に笑った。
「おや、口づけをされなかったのですか?」
「は?」
「あのお嬢様が魔力0の状態で、あなたほどの魔力があれば口づけで元の世界に戻れましたのに」
「聞いてないぞ」
「おや、それは教育係が悪うございましたね。でも、もう魔力を注いでしまったのなら中途半端な状態では時空を超えられません。それこそ、魔力が浸透した部分のみがこちらに残り、その身が裂けるでしょうなぁ」
「……お前、まさかわざと教えなかったのか」
「頑張って、坂倉様には神子の御母となっていただきましょう」
「俺は……坂倉エリカをこの世界に縛り付けるつもりはない」
「あなたがそのつもりでも、もう彼女は帰れませんよ。そろそろ殿下もご自身の運命を受け入れてくださらねば」
「それは……また別の問題だ」
「殿下がそのご様子では、せっかくの神子の御母にもほかの者の魔力を定着させねばなりませんねぇ」

「お前っ、何言ってるかわかってんのか」

 俺は急いで離宮に戻った。
 よかった。坂倉エリカはおとなしくベッドに寝ていた。
 あの魔術師も含め、ほかの奴らも何を考えているかわからない。
 王子という立場に急に立たされた俺でさえ、まだ混乱してるのだ。坂倉エリカを神子の御母なんて冗談じゃない。彼女は日本に帰すんだ。
 とにかくここに、俺の目の届くところに、そうしないと何が起こるかわからない……



「殿下!大変です。エリカ様が!」
 世話を任せていたメイドが、駆け寄ってきた。
「どうした」
「魔力がなじんでおりませんご様子です」
「なんだと、なんでだ」
 俺は急いで部屋へ戻りながら理由を考える。
「失礼ですが、殿下。坂倉様は絶頂を迎えられなかったのでは……と」
「……ど、どういうことだ?」
「魔力の定着に絶頂は欠かせません。しっかりと何度も絶頂をお迎えにならないと……」
 なんという事だ。
 そんなこと教育係に教わってないぞ。俺の技術が足りないばかりに、彼女を危険な目にあわせていたとは。それよりもキス。あー、キスしときゃよかった。


「坂倉エリカ。ごめん。俺のせいでごめん」
 この前は、ただ入れることに必死だった。それだけじゃダメなんだ。
 いまにも消えてなくなりそうなエリカを後ろから抱きしめ、優しく撫でた。
 この世界から帰したい。でも帰したくない。
 俺の運命に彼女を巻き込んではいけない。
 そう思いながらも、彼女に触れる喜びを隠しきれない。
 彼女の心が俺にないことはわかってる……だけど、この世界から帰る方法を見つけるまで、その間だけでいい。体だけでも俺だけのものになればいいのに。
 俺の腕の中でビクビクと体を震わせ、大きく収縮する膣に得も言われぬ幸福を感じた。


 こうやって、二回目(と三回目と四回目もあるけど、一晩だから二回目としよう)の魔力定着は成功した。

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