23 / 28
三章
ツイオクの体験
しおりを挟む
「あぁ、なんだ!?この鏡だらけの部屋はよぉ!!」
ルイもアイと同じように鏡の部屋に居た
「……っち、なんだか落ち着かないぜ……」
すると鏡の中の自分がこちらを見つめてきた
「……ぁ?」
鏡の中のルイは正確にはこちらを見ていなかった
どうやらルイの背後を見つめているようだった
ルイが後ろを振り返るとそこには
「……陽介…?」
「……よぉ、瑠衣」
背後の鏡の中にルイの元旦那
ルイの元バディがそこには居た
「……また、飛ばされちゃったのかな?」
アイはまた真っ暗闇の中に居た、ここにきてから何度目の暗闇であろうか、もう驚くこともなく、静かにその場に立っていた
「……優しき光手」
アイは慣れた手付きで辺りを明るくする
「ここは、外……?いや、違う……」
明るくなって見えた光景はそこは道路、街灯、階段、いかにも外の景色だったがアイは外に出れてないと思った
何故ならそこに白鳥愛が今からだ
自分とは違う、もう一人のアイ、母親が事故にあった時の姿でいた
よく見るとここがあの事故があった場所、駅前だということがわかった
「……お母さん」
もう一人のアイの傍には血だらけの母親が横たわっていた
ぐったりとし、ピクリとも動かない
もう一人のアイはその側で泣いていた
「オカアサン……イヤダ……イナクナラナイデ……」
「……」
アイはしばらくずっとその光景を見つめていた
「……そう、これは私の記憶…私のトラウマ……私が思い出したく無い記憶」
アイはゆっくりともう一人のアイの元に歩き出す
「……でも、いつまでも泣いていられないのよ?……今の私にはルイさんがいる、ケンタ君がいる、キューちゃんがいる」
そういうともう一人のアイを白鳥愛を抱きしめた
「……辛いけど……悲しいけど、先に進むしか無いの……どんなに悲しんでもお母さんは戻ってこない、どんなに悔やんでも遅いの」
「……オカア……サン…、ワタシ……」
「貴女は私、辛いのはよくわかる…でも乗り越えなきゃいけないの、その先に私は行かなきゃいけないの……そんな気がするから」
「……アイ」
もう一人のアイはアイの瞳を覗き込む
「……シンジツヲシリタイ?」
「……え?」
「アナタガワスレテルモウヒトツノキオク」
「……思い出したい!」
「……ツライヨ?クルシイヨ?ソレデモ?」
「うん……私はその為にここまで来たの!」
「……ワカッタ」
もう一人のアイはニコッと笑うと光の粒子になった
その粒子がアイの中に入り込む
「ぅう……くっ……あ、あああああっ!!」
アイは頭を抱え苦しみ始めた
胸を押さえ冷や汗が溢れ出した
「はぁ…はぁ…ぁあ…私は…私はっ!」
「……私はアイだけど、アイじゃない?」
アイはここに来るまでのことを全て思い出した
ルイもアイと同じように鏡の部屋に居た
「……っち、なんだか落ち着かないぜ……」
すると鏡の中の自分がこちらを見つめてきた
「……ぁ?」
鏡の中のルイは正確にはこちらを見ていなかった
どうやらルイの背後を見つめているようだった
ルイが後ろを振り返るとそこには
「……陽介…?」
「……よぉ、瑠衣」
背後の鏡の中にルイの元旦那
ルイの元バディがそこには居た
「……また、飛ばされちゃったのかな?」
アイはまた真っ暗闇の中に居た、ここにきてから何度目の暗闇であろうか、もう驚くこともなく、静かにその場に立っていた
「……優しき光手」
アイは慣れた手付きで辺りを明るくする
「ここは、外……?いや、違う……」
明るくなって見えた光景はそこは道路、街灯、階段、いかにも外の景色だったがアイは外に出れてないと思った
何故ならそこに白鳥愛が今からだ
自分とは違う、もう一人のアイ、母親が事故にあった時の姿でいた
よく見るとここがあの事故があった場所、駅前だということがわかった
「……お母さん」
もう一人のアイの傍には血だらけの母親が横たわっていた
ぐったりとし、ピクリとも動かない
もう一人のアイはその側で泣いていた
「オカアサン……イヤダ……イナクナラナイデ……」
「……」
アイはしばらくずっとその光景を見つめていた
「……そう、これは私の記憶…私のトラウマ……私が思い出したく無い記憶」
アイはゆっくりともう一人のアイの元に歩き出す
「……でも、いつまでも泣いていられないのよ?……今の私にはルイさんがいる、ケンタ君がいる、キューちゃんがいる」
そういうともう一人のアイを白鳥愛を抱きしめた
「……辛いけど……悲しいけど、先に進むしか無いの……どんなに悲しんでもお母さんは戻ってこない、どんなに悔やんでも遅いの」
「……オカア……サン…、ワタシ……」
「貴女は私、辛いのはよくわかる…でも乗り越えなきゃいけないの、その先に私は行かなきゃいけないの……そんな気がするから」
「……アイ」
もう一人のアイはアイの瞳を覗き込む
「……シンジツヲシリタイ?」
「……え?」
「アナタガワスレテルモウヒトツノキオク」
「……思い出したい!」
「……ツライヨ?クルシイヨ?ソレデモ?」
「うん……私はその為にここまで来たの!」
「……ワカッタ」
もう一人のアイはニコッと笑うと光の粒子になった
その粒子がアイの中に入り込む
「ぅう……くっ……あ、あああああっ!!」
アイは頭を抱え苦しみ始めた
胸を押さえ冷や汗が溢れ出した
「はぁ…はぁ…ぁあ…私は…私はっ!」
「……私はアイだけど、アイじゃない?」
アイはここに来るまでのことを全て思い出した
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~
ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ
以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ
唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活
かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~
ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ
以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ
唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活
かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる