AIN-アイン- 失われた記憶と不思議な力

雅ナユタ

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三章

ツイオクの体験

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「あぁ、なんだ!?この鏡だらけの部屋はよぉ!!」


ルイもアイと同じように鏡の部屋に居た


「……っち、なんだか落ち着かないぜ……」


すると鏡の中の自分がこちらを見つめてきた


「……ぁ?」



鏡の中のルイは正確にはこちらを見ていなかった

どうやらルイのを見つめているようだった


ルイが後ろを振り返るとそこには


「……陽介…?」


「……よぉ、瑠衣」


背後の鏡の中にルイの元旦那

ルイの元バディがそこには居た














「……また、飛ばされちゃったのかな?」


アイはまた真っ暗闇の中に居た、ここにきてから何度目の暗闇であろうか、もう驚くこともなく、静かにその場に立っていた



「……優しき光手ルミナス



アイは慣れた手付きで辺りを明るくする



「ここは、外……?いや、違う……」



明るくなって見えた光景はそこは道路、街灯、階段、いかにも外の景色だったがアイは外に出れてないと思った

何故ならそこにが今からだ
自分とは違う、もう一人のアイ、母親が事故にあった時の姿でいた

よく見るとここがあの事故があった場所、駅前だということがわかった



「……お母さん」


もう一人のアイの傍には血だらけの母親が横たわっていた

ぐったりとし、ピクリとも動かない

もう一人のアイはその側で泣いていた


「オカアサン……イヤダ……イナクナラナイデ……」


「……」


アイはしばらくずっとその光景を見つめていた


「……そう、これは私の記憶…私のトラウマ……私が思い出したく無い記憶」


アイはゆっくりともう一人のアイの元に歩き出す


「……でも、いつまでも泣いていられないのよ?……今の私にはルイさんがいる、ケンタ君がいる、キューちゃんがいる」


そういうともう一人のアイを白鳥愛を抱きしめた


「……辛いけど……悲しいけど、先に進むしか無いの……どんなに悲しんでもお母さんは戻ってこない、どんなに悔やんでも遅いの」


「……オカア……サン…、ワタシ……」


「貴女は私、辛いのはよくわかる…でも乗り越えなきゃいけないの、その先に私は行かなきゃいけないの……そんな気がするから」


「……アイ」


もう一人のアイはアイの瞳を覗き込む


「……シンジツヲシリタイ?」


「……え?」


「アナタガワスレテルモウヒトツノキオク」


「……思い出したい!」


「……ツライヨ?クルシイヨ?ソレデモ?」


「うん……私はその為にここまで来たの!」


「……ワカッタ」


もう一人のアイはニコッと笑うと光の粒子になった

その粒子がアイの中に入り込む



「ぅう……くっ……あ、あああああっ!!」


アイは頭を抱え苦しみ始めた

胸を押さえ冷や汗が溢れ出した



「はぁ…はぁ…ぁあ…私は…私はっ!」








「……私はアイだけど、アイじゃない?」





アイはここに来るまでのことを全て思い出した



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