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三章

ユックリ行くか急いで行くか

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「はぁ…はぁ…ざまぁみやがれ…」


ルイは数十体に囲まれたロボットを全て壊していた

だが同時に疲弊している様子が見られた



「…やけに途中から動きが露骨に悪かったな…機械だけあって故障でもしてたのか?」


ルイは戦っている最中のことを振り返る、確かに苦戦はしたがそれにしてはすんなりと制圧することができていた


「まぁ考えてもしゃーねー、アイ、ケンタ、キュー太郎、待ってろよ」


ルイはそう言うとこの空間に唯一ある出口らしき方向へ向かった










「ふぅ…姉さんは無事抜けったッスね」


ケンタは通路にあった隠し部屋の中でそう呟いた

そこにはいくつものスイッチがあり、何個がか押した形跡があった


「アイちゃんは……ひぇ…お相手さん消し炭になってるッス!なら大丈夫そうッスね!俺も急がないと!」


ケンタはそう言うと急いで廊下に戻り、通路を進んだ









「……この部屋、やっぱり見覚えがある……気がする」


アイは偽物の母親と対峙した後、部屋の中を見てまわっていた


「私…昔ここにいた気がする…たぶん」


「キュー!」


「キューちゃん!?どこにいたの!?心配したんだよー!」


アイはペンギンキューちゃんを抱きしめる

「キュ!キュ!キュ!」


「え?何かあるの…?」


アイはペンギンキューちゃんが何かを伝えたいことに気がつき、床に下ろす

するとスタスタと歩いていき、とあるデスクの引き出しの前で止まった


「……この中?…………これ、注射器?」


アイが引き出しを開けるとそこには何かに使われたであろう注射器があった

アイが触れると淡い緑に光り輝く


「……これが今回の攻略のになるってこと?……ルイさん達と合流したら相談してみよ」


「キュー‼︎」


アイは注射器を手に握り締め、今度は出口を探しに探索を始めた


試しに部屋の出入り口らしき扉を開けると、そこには暗闇の一本道が現れた


暗闇に伸びている一本の道、一本橋とも言えるその道は肩幅ぐらいしかないその道を歩くしかないと考えると、アイは少し戸惑った


「……いくしかないよね?そっ~と……」


アイはゆっくり渡ろうと一歩を踏み出した
すると



「おーい!!アイじゃねぇか!!」
「アイちゃん!!大丈夫ッスか!!」



その声に驚き、踏み外しそうになる



「わわわっ!!」



「大丈夫か!!てかケンタもいんのかー?」


「姉さんも元気そうっスねー!!」


辺りを見ると左右にも同じように道があり、そこには逸れたルイとケンタの姿があった


「キュ~!」


「キュー太郎も無事だな!」


右側にはルイ、アイよりも先に進んでいるようですでに向こう岸のまで後少しの所に来ていた


左側にはケンタ、一本橋に苦戦しているようで四つん這いになりながら進んでいるようだった


「ケンタてめぇ!!んな情けねぇことしてないでさっさと渡ってきやがれ!!」


「んなこと言わないでッスよ!!めっちゃ怖いんスよこれ!!」


二人は言い合いをしながらも着実に進んでいた



「……よし、私も!」


アイも意を決して一歩踏み出し、少しずつ歩いていく


「こ、こわい…」


「そうッスよねー!!ほんと!!」


「あ?そーかー?早く来いよ!!」


ルイはもう渡きって暇そうに眺めていた









「んしょ…んしょ…っん!!怖かった~!」

「キュ-‼︎」



「アイちゃん早いッス!!」


「テメェがおせーんだよ!!」



アイが渡りきったその瞬間だった




(ゴゴゴゴゴゴゴゴ)




「ひぇ!!なんスかぁ!!」


「すごい揺れ!」


「ケンタ気をつけろ!!」



大きな揺れに驚きケンタはガシっと橋にしがみつく



(ゴロゴロゴロゴロ)



「……う、後ろからなんか聞こえるんスけど!!」



「………」



「ヤバそうだな…」




「何!?何が起きてるの!!二人とも!!」



二人の反応が気になり、ケンタはそっと後ろを見る



「う、うわぁああああ!!助けてぇ!!」




ケンタの後ろ側から大きな岩が転がってきていた





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