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二章
ユウキの一歩
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(ガチッ)
「あ…」
私の想いも虚しく、光の縄は上手く歯車を捉えることができなかった。
「あぁ…ルイさん、取れない…取れないよぉ!!」
「落ち着けアイ!アンタの光の力はちゃんと意識すれば制御できるはずだ!」
「う、うん…やってみる!」
その間もロボットは地面に突き刺した斧を再び振り上げ、今度は私に目掛けて振り落とそうとする。
「おい!オンボロ!!テメェの相手はこっちだ!魔引きァ!!」
ルイさんが叫ぶと近くにあった鉄パイプが引き寄せられ、その間に居たロボットにガンッと鈍い音鳴らしながら当たった。
(ギッ…ギギギッ)
ロボットは対象をルイさんに変更し、襲い掛かろうとする。
「ひっ…てか、姉さんが直接歯車を拾いに行けばいいんじゃないスか?」
「馬鹿っ!そしたらその間アイが危険になるだろーが!それともなにかぁ?テメェが引き受けてくれるってか?なぁ?」
「…うっし!姉さん!こいつボコボコにするッスよ!!」
「おう、その後はオメェをボコボコにしてやるよ」
ロボットはそのまま斧を振り落とす、ルイさんは華麗に横へ避け、再び近くにあった機材を引き寄せロボットにぶつける。
「っち…ロボだから当たり前に硬ぇな…、ケンタ!こいつ透視してなんかわかんねぇか!?」
「んな…こと言われても…」
ケンタ君の脚はガクガク震え、小鹿のように震えている。
(ガツッガツ)
「…ん、まだ、取れない…もっと集中して…」
「キュキュキュー!」
(ドゴッ!)
キューちゃんが勢いよく飛び出し、両足でドロップキックを放つ、しかしあまりにも硬い装甲に逆にキューちゃんの方が弾かれる。
そのキューちゃん目掛けて今度は斧を振り落とす。
「キュー太郎!!魔引き返し!!」
(ブンッ)
先ほど引き寄せたパイプを今度は戻し、斧を押し除けて起動を曲げた。
(ウィーン)
ロボットはあらためて攻撃対象を変えた…
その対象は…
「…えっ?おれぇ…」
(ギュイーン、ドゥン!)
キャタピラが一気に高速回転を始め勢いよくケンタ君目掛けて突進する。
「っ!?うわぁ!!!!
(あぶない!!!愛!!!!)
…お母さん?
一瞬お母さんが見えたような、そんな気がした
「あぶない!!!ケンタ君!!!」
(トンッ)
無意識だった
無意識に身体が動いてしまった
ケンタ君を庇い
ケンタ君の身体を押し退けて
今、目の前に斧が…
…あ、これ…し
「魔引き!!速達!!」
(グンッ‼︎カーン‼︎)
目の前を高速で何かが高速で通り過ぎた。
「……え?」
「…ぐっ…うぅ……」
(ブシュー…)
「る、ルイさん!?血が!!」
ロボットの反対側で腕から血を流すルイさんの姿が目に入った。
「ぅ…心配すんな…ちと、早く引き寄せすぎただけだ…擦り傷だよ…」
目の前のロボットの手には折れた斧が握られていた。
おそらくルイさんの魔引きで何かを引き寄せて壊したのだろう。
ロボットは自分の獲物を無くした為か、周りをキョロキョロ見渡していた
「あ…ぁ、アイちゃん……?」
「ケンタ君…無事でよかったわ…」
「……姉さん?」
「…あんまぼーっとすんじゃねぇ、疲れちまうだろ」
「………っ!?ごめんス…お、おれ…」
「大丈夫だよ…大丈夫だから」
私はポンとケンタ君の頭を撫でた。
「……ぐすっ…う…俺、情けないスね、女の子がこんなに頑張ってくれてるのに…姉さんなんて怪我までして…」
「擦り傷だぁ!!怪我じゃねぇ!!」
「…ルイさん、擦り傷も怪我よ」
(ウィーン)
武器は無くなったがロボットはまだ私たちを襲うつもりだ。斧はなくてもあのスピードで突進でもされればからひとたまりもない。
「……姉さん、アイちゃん、ごめんス……そして俺の言うこと信じて動けるスか?」
「ケンタ君?…うん!大丈夫!」
「……好きにしろ」
ケンタ君は一度自分の脚を拳で殴ると鋭い目つきへと変貌する。
「……今まで簡単な暗視とか透視とかしかやってこなかったスけど、見極めてやるッスよ!このオンボロの全てを!!」
ケンタは大きく息を吐き、そして素早く息を吸い直した。
「…透かすだけじゃねぇ、もっと細部までてめぇの弱点見透かしてやらぁ!!不可侵の開示!!」
コウタ君の目がギラリと光ると辛そうな表情でロボットを観察する。目は次第に血走り始め、いつの間にか鼻血がこぼれ落ちていた。
「うっ……わ、わかったッス!、アイちゃん!!キャタピラの隙間にロープを入れるッス!!」
「う、うん!光手の蜘蛛糸!」
キャタピラの間に空いた僅かな隙間に光の紐を潜り込ませる、するとググググと鈍い音が聞こえキャタピラの駆動が止まった。
「姉さん!!レンズ後ろに小さなネジ!!16箇所!!」
「っち、あいよぉ!!魔引き!」
(ギュイーン)
ケースを外した時のようにロボットにあった細かなネジをどんどん外していく。
「キュー‼︎」
「キューさん!?あっ!外れたネジの箇所を思っ切り蹴るッス!!」
「キュー‼︎」
(ドカッ!!)
キューちゃんが蹴り込むとレンズが外れ、壊れた部品が辺りに散らばる。
「アイちゃん!!壊れた箇所からロープを伸ばして中にある物を引っ張るッスよ!」
言われた通りロープを入れると何かに引っ掛かるような感覚があった。
「え、えいっ!!」
(ガコンッ)
中から出てきたのは小さな黒い箱だった。
その箱目掛けてケンタ君が勢いよく目掛けて走り出す!
「……その勇気を称して、差し入れだ」
ルイさんが手を向けると鉄パイプが宙に舞う、ケンタ君がそのパイプを掴むとそのまま黒い箱目掛けて振り落とした。
(ガシャーン)
箱は壊れ中から電子的な破片が飛び散った。
「…はぁ…はぁ…、これで機能停止ッス」
「おう、モヤシっつたの取り消すぜ、やるなケンタ」
「えへへ、すごかったよ!ケンタ君!」
「へへっ、あれ?」
ケンタ君は膝から崩れその場に座り込んでしまった。
「……こ、こ、怖かったぁ~」
「……格好つかねぇなオマエ」
「あははは…」
私たちはボロボロになりながらも未知のロボットの討伐に成功した。
集めてた歯車もこれで全部集まる。
色々大変だったけどいよいよ終わりが見えてきた。
「……ったく、しまら…ねぇ…な…」
どさっ
…ルイさんが倒れた
「あ…」
私の想いも虚しく、光の縄は上手く歯車を捉えることができなかった。
「あぁ…ルイさん、取れない…取れないよぉ!!」
「落ち着けアイ!アンタの光の力はちゃんと意識すれば制御できるはずだ!」
「う、うん…やってみる!」
その間もロボットは地面に突き刺した斧を再び振り上げ、今度は私に目掛けて振り落とそうとする。
「おい!オンボロ!!テメェの相手はこっちだ!魔引きァ!!」
ルイさんが叫ぶと近くにあった鉄パイプが引き寄せられ、その間に居たロボットにガンッと鈍い音鳴らしながら当たった。
(ギッ…ギギギッ)
ロボットは対象をルイさんに変更し、襲い掛かろうとする。
「ひっ…てか、姉さんが直接歯車を拾いに行けばいいんじゃないスか?」
「馬鹿っ!そしたらその間アイが危険になるだろーが!それともなにかぁ?テメェが引き受けてくれるってか?なぁ?」
「…うっし!姉さん!こいつボコボコにするッスよ!!」
「おう、その後はオメェをボコボコにしてやるよ」
ロボットはそのまま斧を振り落とす、ルイさんは華麗に横へ避け、再び近くにあった機材を引き寄せロボットにぶつける。
「っち…ロボだから当たり前に硬ぇな…、ケンタ!こいつ透視してなんかわかんねぇか!?」
「んな…こと言われても…」
ケンタ君の脚はガクガク震え、小鹿のように震えている。
(ガツッガツ)
「…ん、まだ、取れない…もっと集中して…」
「キュキュキュー!」
(ドゴッ!)
キューちゃんが勢いよく飛び出し、両足でドロップキックを放つ、しかしあまりにも硬い装甲に逆にキューちゃんの方が弾かれる。
そのキューちゃん目掛けて今度は斧を振り落とす。
「キュー太郎!!魔引き返し!!」
(ブンッ)
先ほど引き寄せたパイプを今度は戻し、斧を押し除けて起動を曲げた。
(ウィーン)
ロボットはあらためて攻撃対象を変えた…
その対象は…
「…えっ?おれぇ…」
(ギュイーン、ドゥン!)
キャタピラが一気に高速回転を始め勢いよくケンタ君目掛けて突進する。
「っ!?うわぁ!!!!
(あぶない!!!愛!!!!)
…お母さん?
一瞬お母さんが見えたような、そんな気がした
「あぶない!!!ケンタ君!!!」
(トンッ)
無意識だった
無意識に身体が動いてしまった
ケンタ君を庇い
ケンタ君の身体を押し退けて
今、目の前に斧が…
…あ、これ…し
「魔引き!!速達!!」
(グンッ‼︎カーン‼︎)
目の前を高速で何かが高速で通り過ぎた。
「……え?」
「…ぐっ…うぅ……」
(ブシュー…)
「る、ルイさん!?血が!!」
ロボットの反対側で腕から血を流すルイさんの姿が目に入った。
「ぅ…心配すんな…ちと、早く引き寄せすぎただけだ…擦り傷だよ…」
目の前のロボットの手には折れた斧が握られていた。
おそらくルイさんの魔引きで何かを引き寄せて壊したのだろう。
ロボットは自分の獲物を無くした為か、周りをキョロキョロ見渡していた
「あ…ぁ、アイちゃん……?」
「ケンタ君…無事でよかったわ…」
「……姉さん?」
「…あんまぼーっとすんじゃねぇ、疲れちまうだろ」
「………っ!?ごめんス…お、おれ…」
「大丈夫だよ…大丈夫だから」
私はポンとケンタ君の頭を撫でた。
「……ぐすっ…う…俺、情けないスね、女の子がこんなに頑張ってくれてるのに…姉さんなんて怪我までして…」
「擦り傷だぁ!!怪我じゃねぇ!!」
「…ルイさん、擦り傷も怪我よ」
(ウィーン)
武器は無くなったがロボットはまだ私たちを襲うつもりだ。斧はなくてもあのスピードで突進でもされればからひとたまりもない。
「……姉さん、アイちゃん、ごめんス……そして俺の言うこと信じて動けるスか?」
「ケンタ君?…うん!大丈夫!」
「……好きにしろ」
ケンタ君は一度自分の脚を拳で殴ると鋭い目つきへと変貌する。
「……今まで簡単な暗視とか透視とかしかやってこなかったスけど、見極めてやるッスよ!このオンボロの全てを!!」
ケンタは大きく息を吐き、そして素早く息を吸い直した。
「…透かすだけじゃねぇ、もっと細部までてめぇの弱点見透かしてやらぁ!!不可侵の開示!!」
コウタ君の目がギラリと光ると辛そうな表情でロボットを観察する。目は次第に血走り始め、いつの間にか鼻血がこぼれ落ちていた。
「うっ……わ、わかったッス!、アイちゃん!!キャタピラの隙間にロープを入れるッス!!」
「う、うん!光手の蜘蛛糸!」
キャタピラの間に空いた僅かな隙間に光の紐を潜り込ませる、するとググググと鈍い音が聞こえキャタピラの駆動が止まった。
「姉さん!!レンズ後ろに小さなネジ!!16箇所!!」
「っち、あいよぉ!!魔引き!」
(ギュイーン)
ケースを外した時のようにロボットにあった細かなネジをどんどん外していく。
「キュー‼︎」
「キューさん!?あっ!外れたネジの箇所を思っ切り蹴るッス!!」
「キュー‼︎」
(ドカッ!!)
キューちゃんが蹴り込むとレンズが外れ、壊れた部品が辺りに散らばる。
「アイちゃん!!壊れた箇所からロープを伸ばして中にある物を引っ張るッスよ!」
言われた通りロープを入れると何かに引っ掛かるような感覚があった。
「え、えいっ!!」
(ガコンッ)
中から出てきたのは小さな黒い箱だった。
その箱目掛けてケンタ君が勢いよく目掛けて走り出す!
「……その勇気を称して、差し入れだ」
ルイさんが手を向けると鉄パイプが宙に舞う、ケンタ君がそのパイプを掴むとそのまま黒い箱目掛けて振り落とした。
(ガシャーン)
箱は壊れ中から電子的な破片が飛び散った。
「…はぁ…はぁ…、これで機能停止ッス」
「おう、モヤシっつたの取り消すぜ、やるなケンタ」
「えへへ、すごかったよ!ケンタ君!」
「へへっ、あれ?」
ケンタ君は膝から崩れその場に座り込んでしまった。
「……こ、こ、怖かったぁ~」
「……格好つかねぇなオマエ」
「あははは…」
私たちはボロボロになりながらも未知のロボットの討伐に成功した。
集めてた歯車もこれで全部集まる。
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どさっ
…ルイさんが倒れた
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