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楽の戦士トーチの章
207.公務員の楽屋-4
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ミルノは少し考えるような素振りをしつつ、自ら淹れたハーブティーを一口飲む。
「私は素人ですから、実体については調査したうえ追って報告しますが……バーサクウルフの肝そのものについては、血抜きして干したものに強い興奮作用があります」
「……興奮作用っていうのは、それはつまり……?」
補助魔法の中に、効果として一時的に恐怖を緩和したり、攻撃性を増すようなものがあるにはあるが――
「単純に言えば麻薬の原材料ですね」
「あーやっぱり」
こういう場合に考えうる、一番わかりやすく良くない物が出てくる。
「気分が高揚するタイプの麻薬で、私でも知っているぐらいにポピュラーなものですね。依存性が強く、様々なバリエーションの物が出回っています」
「……端的に言って、それって高いの?」
「まあ、非合法薬物ですからね。公の相場が通用しないものですから、基本的に高額で取引されると思っていいです。もちろん物によっての価格の高低はあると思いますが」
「なるほど。なんかそれを聞いただけで、大分話がわかりやすくなったよ」
バーサクウルフの肝を取りに来ているのだとしたら、多少無謀な装備だったとしても頷けるし、以前出会った逆に装備が異様に整ったパーティーについても説得力が出る。
「私としては、むしろややこしくなりましたが……」
ミルノがうんざりしたように溜息を吐く。
「どういうこと?」
「少し危機感を持った方がいいですよ。バーサクウルフの肝によって生成される麻薬は、公に取引出来ないと私はさっき言いました」
「うん」
「それなりのルートがないと、物があってもさばく事が出来ないわけですよ。ただバーサクウルフの肝があれば大儲けというわけにはいかないんです。その冒険者たちがただの下っ端だとして、動かしている人がほぼほぼ存在しているわけですから」
「確かに、それはそうか」
と言いつつも、その取引が合法が非合法かなんて、あまり考えたことがなかった。
冒険者ってあんまりそういう線引きが曖昧なところがあるし、危機感を持てと言われても微妙な感じだ。売り込もうと思えば、いくらでも売れそうな気もするし。
ミルノがそんな俺の様子を見て、大きく息を吐く。
「私は素人ですから、実体については調査したうえ追って報告しますが……バーサクウルフの肝そのものについては、血抜きして干したものに強い興奮作用があります」
「……興奮作用っていうのは、それはつまり……?」
補助魔法の中に、効果として一時的に恐怖を緩和したり、攻撃性を増すようなものがあるにはあるが――
「単純に言えば麻薬の原材料ですね」
「あーやっぱり」
こういう場合に考えうる、一番わかりやすく良くない物が出てくる。
「気分が高揚するタイプの麻薬で、私でも知っているぐらいにポピュラーなものですね。依存性が強く、様々なバリエーションの物が出回っています」
「……端的に言って、それって高いの?」
「まあ、非合法薬物ですからね。公の相場が通用しないものですから、基本的に高額で取引されると思っていいです。もちろん物によっての価格の高低はあると思いますが」
「なるほど。なんかそれを聞いただけで、大分話がわかりやすくなったよ」
バーサクウルフの肝を取りに来ているのだとしたら、多少無謀な装備だったとしても頷けるし、以前出会った逆に装備が異様に整ったパーティーについても説得力が出る。
「私としては、むしろややこしくなりましたが……」
ミルノがうんざりしたように溜息を吐く。
「どういうこと?」
「少し危機感を持った方がいいですよ。バーサクウルフの肝によって生成される麻薬は、公に取引出来ないと私はさっき言いました」
「うん」
「それなりのルートがないと、物があってもさばく事が出来ないわけですよ。ただバーサクウルフの肝があれば大儲けというわけにはいかないんです。その冒険者たちがただの下っ端だとして、動かしている人がほぼほぼ存在しているわけですから」
「確かに、それはそうか」
と言いつつも、その取引が合法が非合法かなんて、あまり考えたことがなかった。
冒険者ってあんまりそういう線引きが曖昧なところがあるし、危機感を持てと言われても微妙な感じだ。売り込もうと思えば、いくらでも売れそうな気もするし。
ミルノがそんな俺の様子を見て、大きく息を吐く。
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