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1章 ガームルド騎士国編
第7話 ガームルド家とトム・ガームルド
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僕達は、ガームルドの町の中心にあるお城に来ていた。
いや、王女様にしてみると来たと言うより帰ってきたに近いのかもしれないが。
ガームルド城は、城というより屋敷ってレベルの建物だが。
僕は失礼な事を考えながら城の中に入城していく。
「ジスカ様おかえりなさいませ。お連れの方もようこそお越しくださいました。」
城に入ると執事とメイドがこちらに歩いて挨拶してきた。
「ただいまセイム。こちらのガルム様に魔物に襲われて危ないところを助けて頂きましたの。お父様は、いらっしゃるかしら?」
王女様は、執事に僕の事を説明してくれた。
「なるほど。旦那様は、応接室にてお待ちになっております。何でもお嬢様が魔物に襲われたという話は冒険者からこのガームルドにも入ってきていますので。」
執事のセイムは、丁寧にそう答えた。
「分かりました。では、お父様のところに行きます。案内してください。」
王女様は、セイムさんに要件を伝えると急いで応接室に向かった。
「旦那様、セイムでございます。お嬢様がお戻りになられたのでお連れしました。」
セイムさんは、丁寧に業務をこなしている。
「どうぞ」
中から青年の声が聞こえる。
「失礼致します」
セイムさんが部屋の中の扉をあける。
「お父様、ジスカでございます。無事帰ってくる事が出来ました。」
王女様は、目に涙を溜めながらそう答えた。
「ジスカ良く無事で帰ってきてくれた。本当に良かった。」
青年は目に涙を溜めながら王女様に抱きついた。
親子の感動の再開に僕も感動していると
「ジスカところでそちらのお方は、どなたかな?」
僕の方を見ながら男性は、疑問を向ける。
目はとても厳しい目だ。
しかし、特に敵対する様な目ではなく嫉妬の様な目だ。
「お父様、こちらのお方は私が魔物に襲われて危ないところを助けて頂いたガルム様です。もし、ガルム様がいなければ私はこの世にいなかったかもしれません。」
王女様が僕の事を丁寧に説明してくれると青年が話しかけてくる、
「ジスカの危ないところを助けて頂いた様で本当にありがとう。僕はジスカの父でこのガームルド騎士国の王をしているトム・ガームルドと言います。これからよろしくね。」
トムさんは、僕にも弱腰でとても王様とは、思えない態度をしていたが、やはり娘を助けてもらったのが余程嬉しかったらしい。
「いえ、このガームルドの町に来る途中たまたま王女様を見つけたので助けただけなのでそこまで感謝されるような事は何もしていません。」
僕は、トムさんに特別変わった事はしていないので大丈夫だと伝えた。
「そう言ってくれるとこの後も助かる。
王女を助けたから領地をよこせとか言われたらどうしようとか失礼ながら考えていたのだ......」
トムさんは、頭をかきながら苦笑いした。
「お父様!!」
王女様が厳しい目でトムさんを見る
「まあまあ、ジスカそう言ってあげないで。トムも必死なのよこの国を守るために。」
2人が話していると奥の扉から王女様そっくりの女性が入ってきた。
「お母様!!!起き上がって大丈夫なのですか?」
王女様が慌てて女性の元にかけよる。
「大丈夫も何も、私の病気は、いつもの事よ。それにあなたの命の恩人にご挨拶もしないなんてありえないわ。」
女性は、そう言いながら僕の方に歩いてきた。顔色は、青白くかなり体調が悪そうだが、それでも物凄い美人だ。
「ガルム様。ジスカを助けてくれてありがとう。本当にありがとう...。
私の名前は、シスカ・ガームルドよ。
今回は本当に感謝しても感謝しきれないわ。」
シスカさんは、僕の手を掴んで物凄くお礼を言ってくれる。
「いえ、先程トムさんにも言いましたが。偶然通りかかったので、お助けしただけなのでお気になさらずに。」
僕は当たりさわりのない返事をする。
仮にも王族だ。粗相があっては失礼にあたる。
「トムもさっき言ったけどそう言ってくれると助かるわ。
我が国は、現在2つの大国に挟まれて危機的状況なのよ......。
そして、ジスカを助けて頂いたあなたにお願いするのも本当に申し訳ないのだけど1つ頼み事を聞いてほしいの。
お話だけでも聞いて頂けるかしら?」
シスカさんは、申し訳なさそうに僕に頭を下げた。
この頼みが、のちのガームルドを帝国まで押し上げる事になろうとは、この時の彼らは、いや、ガルム自身も夢にも思っていないだろう。
いや、王女様にしてみると来たと言うより帰ってきたに近いのかもしれないが。
ガームルド城は、城というより屋敷ってレベルの建物だが。
僕は失礼な事を考えながら城の中に入城していく。
「ジスカ様おかえりなさいませ。お連れの方もようこそお越しくださいました。」
城に入ると執事とメイドがこちらに歩いて挨拶してきた。
「ただいまセイム。こちらのガルム様に魔物に襲われて危ないところを助けて頂きましたの。お父様は、いらっしゃるかしら?」
王女様は、執事に僕の事を説明してくれた。
「なるほど。旦那様は、応接室にてお待ちになっております。何でもお嬢様が魔物に襲われたという話は冒険者からこのガームルドにも入ってきていますので。」
執事のセイムは、丁寧にそう答えた。
「分かりました。では、お父様のところに行きます。案内してください。」
王女様は、セイムさんに要件を伝えると急いで応接室に向かった。
「旦那様、セイムでございます。お嬢様がお戻りになられたのでお連れしました。」
セイムさんは、丁寧に業務をこなしている。
「どうぞ」
中から青年の声が聞こえる。
「失礼致します」
セイムさんが部屋の中の扉をあける。
「お父様、ジスカでございます。無事帰ってくる事が出来ました。」
王女様は、目に涙を溜めながらそう答えた。
「ジスカ良く無事で帰ってきてくれた。本当に良かった。」
青年は目に涙を溜めながら王女様に抱きついた。
親子の感動の再開に僕も感動していると
「ジスカところでそちらのお方は、どなたかな?」
僕の方を見ながら男性は、疑問を向ける。
目はとても厳しい目だ。
しかし、特に敵対する様な目ではなく嫉妬の様な目だ。
「お父様、こちらのお方は私が魔物に襲われて危ないところを助けて頂いたガルム様です。もし、ガルム様がいなければ私はこの世にいなかったかもしれません。」
王女様が僕の事を丁寧に説明してくれると青年が話しかけてくる、
「ジスカの危ないところを助けて頂いた様で本当にありがとう。僕はジスカの父でこのガームルド騎士国の王をしているトム・ガームルドと言います。これからよろしくね。」
トムさんは、僕にも弱腰でとても王様とは、思えない態度をしていたが、やはり娘を助けてもらったのが余程嬉しかったらしい。
「いえ、このガームルドの町に来る途中たまたま王女様を見つけたので助けただけなのでそこまで感謝されるような事は何もしていません。」
僕は、トムさんに特別変わった事はしていないので大丈夫だと伝えた。
「そう言ってくれるとこの後も助かる。
王女を助けたから領地をよこせとか言われたらどうしようとか失礼ながら考えていたのだ......」
トムさんは、頭をかきながら苦笑いした。
「お父様!!」
王女様が厳しい目でトムさんを見る
「まあまあ、ジスカそう言ってあげないで。トムも必死なのよこの国を守るために。」
2人が話していると奥の扉から王女様そっくりの女性が入ってきた。
「お母様!!!起き上がって大丈夫なのですか?」
王女様が慌てて女性の元にかけよる。
「大丈夫も何も、私の病気は、いつもの事よ。それにあなたの命の恩人にご挨拶もしないなんてありえないわ。」
女性は、そう言いながら僕の方に歩いてきた。顔色は、青白くかなり体調が悪そうだが、それでも物凄い美人だ。
「ガルム様。ジスカを助けてくれてありがとう。本当にありがとう...。
私の名前は、シスカ・ガームルドよ。
今回は本当に感謝しても感謝しきれないわ。」
シスカさんは、僕の手を掴んで物凄くお礼を言ってくれる。
「いえ、先程トムさんにも言いましたが。偶然通りかかったので、お助けしただけなのでお気になさらずに。」
僕は当たりさわりのない返事をする。
仮にも王族だ。粗相があっては失礼にあたる。
「トムもさっき言ったけどそう言ってくれると助かるわ。
我が国は、現在2つの大国に挟まれて危機的状況なのよ......。
そして、ジスカを助けて頂いたあなたにお願いするのも本当に申し訳ないのだけど1つ頼み事を聞いてほしいの。
お話だけでも聞いて頂けるかしら?」
シスカさんは、申し訳なさそうに僕に頭を下げた。
この頼みが、のちのガームルドを帝国まで押し上げる事になろうとは、この時の彼らは、いや、ガルム自身も夢にも思っていないだろう。
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