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バトル・ロワイアルでもするつもりなの?
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ビリビリと部屋中を震えさせる大声は、明らかに魔力で増幅されていた。
一気に雰囲気を台無しにされ、イーグルはがっくりと肩を落とすと同時に、ごく自然な動作で手を離す。
「この声は……ミアータ?」
テレジアの表情はすでに引き締まっている。
素早くイーグルが窓枠に立って状況を確認し、ミアータの姿を認めた。
「一人ですね。なにやら決闘装束のような様子ですが」
「どういうことなの……?」
「分かりませんが、俺が対応しましょうか?」
「いえ、私が行くわ。イーグルなら上手に追い払えるだろうけれど、彼女の場合、それだと問題の先送りにしかならない気がするの」
ややうんざりしながらも、タオルでまだ湿る髪の毛を巻き包み、玄関まで行く。
「たぁぁぁのぉおおおおっ! おふっ!」
「何度も大声を出さないでちょうだい。近所迷惑はなはだしいわよ」
また大声を出し始めたミアータのおでこを軽く叩き、テレジアは苦情を入れる。
ミアータは不満そうに頬を膨らませるも、正論のせいで何も言えなさそうだ。
まるで子供ね、とテレジアは内心で呆れつつも、その頭を軽く撫でた。
「とりあえず私に用事があるんでしょう? 寒いから家に入りなさい。お茶くらいはすぐに用意できるから」
「えっ、あ、え、入っていいんですか?」
ミアータが目を大きくさせて驚くのを見て、テレジアは怪訝になる。
「なんでよ? 別に貴女を家に入れちゃいけないルールなんてないわよ?」
「いや、でも、私、一般人……」
「客人よ。入りなさい」
言い淀むミアータを叱咤するように言い、家の中へ招き入れる。
すかさずイーグルが完璧な所作で迎え入れ、ミアータを応接間までエスコートした。予め風呂上がり用にお茶も用意されていたもだろう、良い香りがした。
ミアータに少しだけ遅れてテレジアがソファに座ると、すぐにイーグルがお茶を持ってきた。
どうぞ、と促され、ミアータお茶を一口する。
「美味しいっ……」
「あら、嬉しいわね。ありがとう」
素直にテレジアが礼を言うと、ミアータはますます居心地が悪そうにした。
「あ、あのっ……」
「何でもじもじしてるのよ。さっきまでの威勢はどこへ置いてきてしまったの?」
「そういうわけじゃっ。ただ、意外だったというか、その」
「どうせ私が稀代の悪女だって噂を聞いて、思いっきり塩対応されるとでも思ったんでしょ? ありがちだわ。別に気にしてないけど、心外なのは事実ね」
「うぐっ……。ご、ごめんなさい」
「素直でよろしい。それで? 用件は何かしら」
お茶を口に含んでから聞くと、ミアータは居住まいをただす。
「あのっ。決闘していただきたくって」
「……決闘?」
いきなりぶっこんできたワードに、テレジアは怪訝になった。
「ごめんね? どうしてそういう流れになったのよ?」
「あの後、イクノ様と家に戻って、相談を受けたんです。テレジア……様が稀代の悪女と呼ばれていて、学院を乗っ取ろうとしてるから何とかしないといけないって。これからイクノ様は厳しく監視されるから動けなくなるから、私が代わりに頑張りなさいって……それで」
「それで?」
促すと、ミアータは真っすぐ顔を上げた。
「他の聖女候補生たちと会って話をつけてきました」
「あの《エース》と《アイドル》と《シスター》に?」
「……なんですか、それ」
「あだ名よ。いちいちシャルルだのティナだのルシアだの、名前なんて覚えてられなかったから」
「いや覚えてますよね?」
鋭いツッコミが入ったが、テレジアは受け流す。
それよりも、と、テレジアは内心で感心していた。
あの三人の聖女候補生――どう見てもクセが強い。
およそ学院の風紀には自ら悪影響を与えようとはしていないが、聖女としての資質は疑いたくなるような性格の持ち主ばっかりなのだ。
そんな三人と、こんなに早く話をつけてくるとは予想外だった。
「話を戻します。それで、決闘することにしたんです。全員で」
「全員で? バトル・ロワイアルでもするつもりなの?」
「いえ、私たち聖女候補生は学院を守るという結論で一致しました。そのためには、突如やってきた災厄、テレジア様を倒すしかないって話になって」
「災厄て」
「だから、まずは私たち四人で戦って、一番強い人がテレジア様に挑もうって話になったんです」
テレジアは相槌代わりに頷いて、腕を組む。ソファに深く背中を預け、大きいため息を漏らした。
「馬鹿馬鹿しいわね」
まさに一刀両断。
「なっ……!」
「そんなことして何になるの? 確かに一時的には団結するでしょうね。共通の巨大な敵がいて、協力しなきゃ倒せないという状況なら。正しい選択だもの。でもね」
怒りのままに反論しようとしたミアータより早く、テレジアは冷静に指摘していく。
「その後はどうするの?」
ミアータは当然即答できない。
「ま、何も考えてるワケないわよね。言っとくけど、悪を倒した後は平和に過ごしました。めでたしめでたし、なんておとぎ話だから成立するものよ」
「うぅっ……」
「仮に私をなんとか退けられたとして、貴女たちが内包している問題は何一つとして解決していないのよ?」
「そ、それはっ……」
「一般生徒と貴族との確執、貴族間の確執、宗教思想による確執。あなたが四人目の聖女候補生として覚醒し、イクノが擁立したことでより対立の溝は深くなったまであるのよ」
ミアータはいよいよ声も出せなくなった。
全て事実だ。もちろんそれは仕組まれたものでもあり、ミアータが責任を感じるものでもない。
だが、だからって全てを投げやりにはさせない。
テレジアの目的は学院の秩序と風紀を取り戻すこと。一時ではなく、ずっと。つまり生徒そのものが変わらなければ、意味がない。
「でも、でもっ。それだったら、イクノ様が!」
「確かに彼女は辺境伯の娘だし、教養もあると思うわ。でも……」
続きを口にしようとして、テレジアは全身で悪寒を感じ取る。
一瞬にして振り返る。
「イーグルっ!」
叫んだ直後、イーグルも跳ねるように振り返る。
窓ガラスが叩き割られたのは同時だった。激烈な勢いでイーグルが飛び掛かるが、それよりも侵入してきた影の方が速い。
きらり、と光る。
ぞくりと背筋に緊張が走る。
テレジアは瞬時に何かを判断し、ソファから飛び出す。
「ミアータ、危ないっ!」
テレジアは庇いながら叫び、その光るもの――ナイフを目前にした。
とす、と、軽い音がする。
一気に雰囲気を台無しにされ、イーグルはがっくりと肩を落とすと同時に、ごく自然な動作で手を離す。
「この声は……ミアータ?」
テレジアの表情はすでに引き締まっている。
素早くイーグルが窓枠に立って状況を確認し、ミアータの姿を認めた。
「一人ですね。なにやら決闘装束のような様子ですが」
「どういうことなの……?」
「分かりませんが、俺が対応しましょうか?」
「いえ、私が行くわ。イーグルなら上手に追い払えるだろうけれど、彼女の場合、それだと問題の先送りにしかならない気がするの」
ややうんざりしながらも、タオルでまだ湿る髪の毛を巻き包み、玄関まで行く。
「たぁぁぁのぉおおおおっ! おふっ!」
「何度も大声を出さないでちょうだい。近所迷惑はなはだしいわよ」
また大声を出し始めたミアータのおでこを軽く叩き、テレジアは苦情を入れる。
ミアータは不満そうに頬を膨らませるも、正論のせいで何も言えなさそうだ。
まるで子供ね、とテレジアは内心で呆れつつも、その頭を軽く撫でた。
「とりあえず私に用事があるんでしょう? 寒いから家に入りなさい。お茶くらいはすぐに用意できるから」
「えっ、あ、え、入っていいんですか?」
ミアータが目を大きくさせて驚くのを見て、テレジアは怪訝になる。
「なんでよ? 別に貴女を家に入れちゃいけないルールなんてないわよ?」
「いや、でも、私、一般人……」
「客人よ。入りなさい」
言い淀むミアータを叱咤するように言い、家の中へ招き入れる。
すかさずイーグルが完璧な所作で迎え入れ、ミアータを応接間までエスコートした。予め風呂上がり用にお茶も用意されていたもだろう、良い香りがした。
ミアータに少しだけ遅れてテレジアがソファに座ると、すぐにイーグルがお茶を持ってきた。
どうぞ、と促され、ミアータお茶を一口する。
「美味しいっ……」
「あら、嬉しいわね。ありがとう」
素直にテレジアが礼を言うと、ミアータはますます居心地が悪そうにした。
「あ、あのっ……」
「何でもじもじしてるのよ。さっきまでの威勢はどこへ置いてきてしまったの?」
「そういうわけじゃっ。ただ、意外だったというか、その」
「どうせ私が稀代の悪女だって噂を聞いて、思いっきり塩対応されるとでも思ったんでしょ? ありがちだわ。別に気にしてないけど、心外なのは事実ね」
「うぐっ……。ご、ごめんなさい」
「素直でよろしい。それで? 用件は何かしら」
お茶を口に含んでから聞くと、ミアータは居住まいをただす。
「あのっ。決闘していただきたくって」
「……決闘?」
いきなりぶっこんできたワードに、テレジアは怪訝になった。
「ごめんね? どうしてそういう流れになったのよ?」
「あの後、イクノ様と家に戻って、相談を受けたんです。テレジア……様が稀代の悪女と呼ばれていて、学院を乗っ取ろうとしてるから何とかしないといけないって。これからイクノ様は厳しく監視されるから動けなくなるから、私が代わりに頑張りなさいって……それで」
「それで?」
促すと、ミアータは真っすぐ顔を上げた。
「他の聖女候補生たちと会って話をつけてきました」
「あの《エース》と《アイドル》と《シスター》に?」
「……なんですか、それ」
「あだ名よ。いちいちシャルルだのティナだのルシアだの、名前なんて覚えてられなかったから」
「いや覚えてますよね?」
鋭いツッコミが入ったが、テレジアは受け流す。
それよりも、と、テレジアは内心で感心していた。
あの三人の聖女候補生――どう見てもクセが強い。
およそ学院の風紀には自ら悪影響を与えようとはしていないが、聖女としての資質は疑いたくなるような性格の持ち主ばっかりなのだ。
そんな三人と、こんなに早く話をつけてくるとは予想外だった。
「話を戻します。それで、決闘することにしたんです。全員で」
「全員で? バトル・ロワイアルでもするつもりなの?」
「いえ、私たち聖女候補生は学院を守るという結論で一致しました。そのためには、突如やってきた災厄、テレジア様を倒すしかないって話になって」
「災厄て」
「だから、まずは私たち四人で戦って、一番強い人がテレジア様に挑もうって話になったんです」
テレジアは相槌代わりに頷いて、腕を組む。ソファに深く背中を預け、大きいため息を漏らした。
「馬鹿馬鹿しいわね」
まさに一刀両断。
「なっ……!」
「そんなことして何になるの? 確かに一時的には団結するでしょうね。共通の巨大な敵がいて、協力しなきゃ倒せないという状況なら。正しい選択だもの。でもね」
怒りのままに反論しようとしたミアータより早く、テレジアは冷静に指摘していく。
「その後はどうするの?」
ミアータは当然即答できない。
「ま、何も考えてるワケないわよね。言っとくけど、悪を倒した後は平和に過ごしました。めでたしめでたし、なんておとぎ話だから成立するものよ」
「うぅっ……」
「仮に私をなんとか退けられたとして、貴女たちが内包している問題は何一つとして解決していないのよ?」
「そ、それはっ……」
「一般生徒と貴族との確執、貴族間の確執、宗教思想による確執。あなたが四人目の聖女候補生として覚醒し、イクノが擁立したことでより対立の溝は深くなったまであるのよ」
ミアータはいよいよ声も出せなくなった。
全て事実だ。もちろんそれは仕組まれたものでもあり、ミアータが責任を感じるものでもない。
だが、だからって全てを投げやりにはさせない。
テレジアの目的は学院の秩序と風紀を取り戻すこと。一時ではなく、ずっと。つまり生徒そのものが変わらなければ、意味がない。
「でも、でもっ。それだったら、イクノ様が!」
「確かに彼女は辺境伯の娘だし、教養もあると思うわ。でも……」
続きを口にしようとして、テレジアは全身で悪寒を感じ取る。
一瞬にして振り返る。
「イーグルっ!」
叫んだ直後、イーグルも跳ねるように振り返る。
窓ガラスが叩き割られたのは同時だった。激烈な勢いでイーグルが飛び掛かるが、それよりも侵入してきた影の方が速い。
きらり、と光る。
ぞくりと背筋に緊張が走る。
テレジアは瞬時に何かを判断し、ソファから飛び出す。
「ミアータ、危ないっ!」
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