6 / 24
うん? じゃあやってみれば?
しおりを挟む
「ふざけないで、イーグルっ!」
事件は昼、皆が優雅にランチを楽しみ終え、ティータイムへ突入したあたりに起きた。
──がちゃんっ。とティーカップが割れる。
耳目が一気に集まる中、テレジアは涙目になってイーグルの頬を叩いた。
キッと睨まれても、イーグルの表情は冷えていた。
「……──君のワガママにはついていけないよ、もう」
シンと静まり返る空気の中、空しいばかりの声が響く。
「なら、勝手になさいましっ」
癇癪を起こしたかのように、テレジアは踵を返すと走り去っていく。慌てて取り巻きたちもテレジアを追いかけていった。
どよめきに近いようなざわめきが起こる。
ここ数日で、テレジアには注目が集まっていただけに余計だろう。ましてテレジアもイーグルも眉目秀麗で、仲睦まじい様子でもあったのだ。
一気にざわざわと噂をする女子たちを置いておいて、イーグルはため息をつく。
まるで、何かを諦めるかのように首を振って、座り込んだ。
かちゃん、と割れたティーカップの破片を集める。
そんな彼の手を制するように破片を拾ったのは、紫がかった髪の少女だった。しっかりと自分の見せ方を知っている顔の角度で、少女は微笑んだ。
「――アンゼル様?」
イーグルは少し驚いたように言う。
「素手で拾うのは、危険でしてよ。イーグルさん」
そう言いながら、手袋をはめたアンゼルが破片を回収する。ややあってから、学院の使用人が走ってきて後片付けを引き受けてくれた。
アンゼルは丁寧な仕草で使用人にお願いし、イーグルを目線だけで誘導する。
向かったのは違う階のテラス席だ。
すでに人払いは済まされているらしい。
気配らしい気配がなかった。
「ここなら静かにお話できるでしょう、イーグルさん」
「……はぁ、どのようなご用件で?」
「決まっていますわ。あなたを助けに参りましたの」
アンゼルはある意味で挑発するように、イーグルを見つめる。
並みの男であれば凋落されてしまうだろう魅力があった。
アンゼルも自覚があるのだろう。自信に満ち溢れている。
「助けに、とは?」
「テレジアさんのことです。ここ数日、噂は耳にしておりましたわ。彼女はとても活発で愛らしく、発言力がある。だからクラスでも人気者ですわ。しかしながら――とても苛烈でワガママな一面もある、と」
アンゼルはすぐ本題に入ってきた。
余計な話はしない、というよりも、弱っている様子のイーグルを一気に取り込んでしまおうという考えなのだろう。
悪い手ではない。
気分が落ち込んでいる間に、その落ち込む原因に切って入る。
そして同情してみせ、しかし相手はけなさない。巧みとも言える話術で、アンゼルはイーグルを抱き込もうとしてきていた。
「ええ、そうなんです。実は……婚約者ではあるのですが……」
そんな彼女につられるかのように、イーグルはあらゆる愚痴を零した。
アンゼルは丁寧に一つずつ聞き、情報を吟味していく。
「そう。大変だったのね。でももう安心してください、イーグル」
「え?」
「彼女への仕置きは私が行います。その上で、彼女との婚約を破棄し、私についてきてくださいまし。そのほうが必ず幸せになれますわ」
「アンゼル、様……」
「ええ、お任せくださいませ」
一瞬だけ、アンゼルは目の奥をギラりと光らせた。
◇ ◇ ◇
「婚約破棄、ですって?」
その二日後、イーグルはアンゼルの手引きのまま、花壇の広がる中庭にテレジアを呼び出すと、早々に婚約破棄を切り出した。
テレジアが動揺したように目を白黒させていると、アンゼルが出てくる。
「そういうことよ。婚約者一人大事にできないなんて、情けない限りね?」
「あ、貴女はっ……!」
「他にも色々と聞かせていただいたわ。貴女、色々とやっているようね。学院で少し目立てたからといって、足元をおろそかにしすぎではなくって?」
イーグルから聞き出した情報の中で、アンゼルは特に使えそうなものを列挙する。
それは、主にイーグルや自分自身の使用人への酷い扱いについてだった。中には口にするのも憚れるようなものなのに、アンゼルは淡々と口にしていく。
だからこそ反駁の間もなく、テレジアは追い詰められてしまった。
「そ、そんな……」
愕然と、テレジアはふらふらと足元がおぼつかなくなる。
「これを世間に公表すれば、貴女はどうなってしまうでしょうね? こんな極悪非道な行為をして、そして婚約破棄まで申し出されたとなれば」
「ダメよ、そんなことをされたら、私は破滅してしまうわっ!」
「ええ、そうでしょうね。おほほほっ。つまり、あなたの生殺与奪は私にある」
完全なマウントを取ってから、アンゼルは本性を露にするかのような顔を浮かべた。そして、イーグルさえも遠くにやって、二人っきりの空間を作りあげた。
「ではテレジア。貴女、たった今から私の下僕になりなさい」
「な、なんですって……!?」
「そうすれば、少なくとも学院での立場は保障して差し上げますわ。あ、でもメリッサたちからは離れていただきますけれどね。あ、それと。私のことはご主人様と呼ぶように。もちろん、忠誠の誓いの証として、靴を舐めてもらいますわ」
「そ、そんなことをして、どうするのよ」
「もちろん。気に入らないメリッサを徹底的になぶってなぶって台無しにして、そしてアイツになびく全ての人間を不幸のどん底に叩き落すためよ。生意気で感情的なメリッサが、私は嫌いなの」
にやぁ、と、アンゼルが悪魔のような笑顔になった。
「メリッサは、粗相をして失墜したわ。でもそれは、貴女のロビー活動によって同情を集めつつあり、なかったことのようになりつつある。それじゃあ困るのよ。いずれ学院を支配するのはこの私だもの」
饒舌にアンゼルは悪魔を語る。
ヘドが出そうだった。いや、ヘドが出た。テレジアはあっさりと演技をやめた。
「――つまり、自分自身がこのちっちゃい学院という空間で女王様になりたいから邪魔なのを消してさらにその取り巻きたちにネチネチした嫌がらせをしてマウントを取りたいってだけなのね?」
「……テレジア?」
露骨にアンゼルが機嫌を損ねる。
「貴女、そんな口をきいて良いのかしら? 貴女は下僕なのよ? それとも、公表されても良いわけ?」
「ん? 好きにしたらいいんじゃないかしら」
あっけらかんとテレジアは言う。
「だってそれ、全部作り話だもん」
「……な、なんですって? そ、そのような嘘をついて、どうにかなると思っていらっしゃるのかしら?」
「うん? じゃあやってみれば?」
動揺するアンゼルに、テレジアはまた軽く言う。
反撃の始まりだった。
「言っとくけど。あんたが私のことを色々と嗅ぎまわってたことは知ってるのよ? その証拠、見せてあげようか」
事件は昼、皆が優雅にランチを楽しみ終え、ティータイムへ突入したあたりに起きた。
──がちゃんっ。とティーカップが割れる。
耳目が一気に集まる中、テレジアは涙目になってイーグルの頬を叩いた。
キッと睨まれても、イーグルの表情は冷えていた。
「……──君のワガママにはついていけないよ、もう」
シンと静まり返る空気の中、空しいばかりの声が響く。
「なら、勝手になさいましっ」
癇癪を起こしたかのように、テレジアは踵を返すと走り去っていく。慌てて取り巻きたちもテレジアを追いかけていった。
どよめきに近いようなざわめきが起こる。
ここ数日で、テレジアには注目が集まっていただけに余計だろう。ましてテレジアもイーグルも眉目秀麗で、仲睦まじい様子でもあったのだ。
一気にざわざわと噂をする女子たちを置いておいて、イーグルはため息をつく。
まるで、何かを諦めるかのように首を振って、座り込んだ。
かちゃん、と割れたティーカップの破片を集める。
そんな彼の手を制するように破片を拾ったのは、紫がかった髪の少女だった。しっかりと自分の見せ方を知っている顔の角度で、少女は微笑んだ。
「――アンゼル様?」
イーグルは少し驚いたように言う。
「素手で拾うのは、危険でしてよ。イーグルさん」
そう言いながら、手袋をはめたアンゼルが破片を回収する。ややあってから、学院の使用人が走ってきて後片付けを引き受けてくれた。
アンゼルは丁寧な仕草で使用人にお願いし、イーグルを目線だけで誘導する。
向かったのは違う階のテラス席だ。
すでに人払いは済まされているらしい。
気配らしい気配がなかった。
「ここなら静かにお話できるでしょう、イーグルさん」
「……はぁ、どのようなご用件で?」
「決まっていますわ。あなたを助けに参りましたの」
アンゼルはある意味で挑発するように、イーグルを見つめる。
並みの男であれば凋落されてしまうだろう魅力があった。
アンゼルも自覚があるのだろう。自信に満ち溢れている。
「助けに、とは?」
「テレジアさんのことです。ここ数日、噂は耳にしておりましたわ。彼女はとても活発で愛らしく、発言力がある。だからクラスでも人気者ですわ。しかしながら――とても苛烈でワガママな一面もある、と」
アンゼルはすぐ本題に入ってきた。
余計な話はしない、というよりも、弱っている様子のイーグルを一気に取り込んでしまおうという考えなのだろう。
悪い手ではない。
気分が落ち込んでいる間に、その落ち込む原因に切って入る。
そして同情してみせ、しかし相手はけなさない。巧みとも言える話術で、アンゼルはイーグルを抱き込もうとしてきていた。
「ええ、そうなんです。実は……婚約者ではあるのですが……」
そんな彼女につられるかのように、イーグルはあらゆる愚痴を零した。
アンゼルは丁寧に一つずつ聞き、情報を吟味していく。
「そう。大変だったのね。でももう安心してください、イーグル」
「え?」
「彼女への仕置きは私が行います。その上で、彼女との婚約を破棄し、私についてきてくださいまし。そのほうが必ず幸せになれますわ」
「アンゼル、様……」
「ええ、お任せくださいませ」
一瞬だけ、アンゼルは目の奥をギラりと光らせた。
◇ ◇ ◇
「婚約破棄、ですって?」
その二日後、イーグルはアンゼルの手引きのまま、花壇の広がる中庭にテレジアを呼び出すと、早々に婚約破棄を切り出した。
テレジアが動揺したように目を白黒させていると、アンゼルが出てくる。
「そういうことよ。婚約者一人大事にできないなんて、情けない限りね?」
「あ、貴女はっ……!」
「他にも色々と聞かせていただいたわ。貴女、色々とやっているようね。学院で少し目立てたからといって、足元をおろそかにしすぎではなくって?」
イーグルから聞き出した情報の中で、アンゼルは特に使えそうなものを列挙する。
それは、主にイーグルや自分自身の使用人への酷い扱いについてだった。中には口にするのも憚れるようなものなのに、アンゼルは淡々と口にしていく。
だからこそ反駁の間もなく、テレジアは追い詰められてしまった。
「そ、そんな……」
愕然と、テレジアはふらふらと足元がおぼつかなくなる。
「これを世間に公表すれば、貴女はどうなってしまうでしょうね? こんな極悪非道な行為をして、そして婚約破棄まで申し出されたとなれば」
「ダメよ、そんなことをされたら、私は破滅してしまうわっ!」
「ええ、そうでしょうね。おほほほっ。つまり、あなたの生殺与奪は私にある」
完全なマウントを取ってから、アンゼルは本性を露にするかのような顔を浮かべた。そして、イーグルさえも遠くにやって、二人っきりの空間を作りあげた。
「ではテレジア。貴女、たった今から私の下僕になりなさい」
「な、なんですって……!?」
「そうすれば、少なくとも学院での立場は保障して差し上げますわ。あ、でもメリッサたちからは離れていただきますけれどね。あ、それと。私のことはご主人様と呼ぶように。もちろん、忠誠の誓いの証として、靴を舐めてもらいますわ」
「そ、そんなことをして、どうするのよ」
「もちろん。気に入らないメリッサを徹底的になぶってなぶって台無しにして、そしてアイツになびく全ての人間を不幸のどん底に叩き落すためよ。生意気で感情的なメリッサが、私は嫌いなの」
にやぁ、と、アンゼルが悪魔のような笑顔になった。
「メリッサは、粗相をして失墜したわ。でもそれは、貴女のロビー活動によって同情を集めつつあり、なかったことのようになりつつある。それじゃあ困るのよ。いずれ学院を支配するのはこの私だもの」
饒舌にアンゼルは悪魔を語る。
ヘドが出そうだった。いや、ヘドが出た。テレジアはあっさりと演技をやめた。
「――つまり、自分自身がこのちっちゃい学院という空間で女王様になりたいから邪魔なのを消してさらにその取り巻きたちにネチネチした嫌がらせをしてマウントを取りたいってだけなのね?」
「……テレジア?」
露骨にアンゼルが機嫌を損ねる。
「貴女、そんな口をきいて良いのかしら? 貴女は下僕なのよ? それとも、公表されても良いわけ?」
「ん? 好きにしたらいいんじゃないかしら」
あっけらかんとテレジアは言う。
「だってそれ、全部作り話だもん」
「……な、なんですって? そ、そのような嘘をついて、どうにかなると思っていらっしゃるのかしら?」
「うん? じゃあやってみれば?」
動揺するアンゼルに、テレジアはまた軽く言う。
反撃の始まりだった。
「言っとくけど。あんたが私のことを色々と嗅ぎまわってたことは知ってるのよ? その証拠、見せてあげようか」
10
お気に入りに追加
1,004
あなたにおすすめの小説
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】婚約破棄したら『悪役令嬢』から『事故物件令嬢』になりました
Mimi
ファンタジー
私エヴァンジェリンには、幼い頃に決められた婚約者がいる。
男女間の愛はなかったけれど、幼馴染みとしての情はあったのに。
卒業パーティーの2日前。
私を呼び出した婚約者の隣には
彼の『真実の愛のお相手』がいて、
私は彼からパートナーにはならない、と宣言された。
彼は私にサプライズをあげる、なんて言うけれど、それはきっと私を悪役令嬢にした婚約破棄ね。
わかりました!
いつまでも夢を見たい貴方に、昨今流行りのざまぁを
かまして見せましょう!
そして……その結果。
何故、私が事故物件に認定されてしまうの!
※本人の恋愛的心情があまり無いので、恋愛ではなくファンタジーカテにしております。
チートな能力などは出現しません。
他サイトにて公開中
どうぞよろしくお願い致します!


魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる