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第20話 名前なら分かるモ
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130階。黒い馬のようなモンスターはこれまでで一番手強い。俺の場合は絡め手を使ってくる嫌らしいモンスターと相性がいい。
毒とか麻痺とか石化やらだな。デバフに対しては耐性が無く無力であるが、スキルで対抗できる。
やったら硬いモンスターは時間がかかるものの、鈍重なことが殆どで脅威ではない。
苦手としているのは正統派の小手先無しなモンスターだ。素早さに特化しておらず、中距離・近距離にも対応できスタミナが豊富で隙が少ない。
対峙している黒い馬はその全てを備えていた。
全長7メートルでスラリとした脚の蹄から膝下まで青白い炎をまとっており、たてがみも炎だ。頭からはユニコーンのような角が二本生え、青白い炎が渦巻いていた。
これまでボスといえどもさして苦戦してこなかったので、この先進むことに戦々恐々としている。
「っつ」
一息入れようと距離を取れば青い炎の弾丸が飛んできた。一発ではなく角に渦巻く炎が光ると新たな炎の弾丸が唸りを上げて迫りくる。
先ほどは躱して躱して、地面を転がりながらにじり寄った。
すると待ち構えていた蹄に蹴り飛ばされそうになったこところ間一髪で避けたんだ。
躱してもじり貧。
ボスを倒せば十分な休息が取れるから、ここで全力を使い一歩も動けなくなっても構わない。
行くぜ!
迫りくる弾丸の数は衰えを知らない。伏せの姿勢であれば当たらないことは先ほど分かったが、奴の弾丸が途切れるまで待つことは不可能。
十分な態勢が取れず近寄っても万全の態勢で待ち構える奴の攻撃をかいくぐってダメージを与えることは叶わない。
ならば、こうだ。
「スキル『鳴動』」
伏せた体勢のままスキル「鳴動」を発動。
全身がブルブル震え、1秒もたたないうちに震えが止まる。鳴動は短いながらも発動時に隙ができてしまうから、余り使ってこなかった。
青い炎の弾丸を二発やり過ごし跳ねあがるように立ち上がる。
「ここだ」
駆け出しつつ、右腕を右から左へ振るう。すると、俺の腕の外側から緑色の刃のようなものが生まれ真っ直ぐ飛んでいく。
緑色の刃が炎の弾丸と激突し、対消滅する。
その間にも距離を詰める俺。
新たな炎の弾丸が尚も俺に迫るが、左腕を振るい緑の刃で消し飛ばした。
次の一発は右脚を蹴り上げ緑の刃を出し凌ぐ。
都合三発の炎の弾丸を捌いたところで、ついに黒い馬へ肉薄することができた。
『ヒヒイイイイイン』
「喰らえ!」
左足を蹴り上げ最後の緑の刃が飛ぶ!
対する黒い馬は前脚の強烈な蹴りで緑の刃を叩く。
躊躇なく蹴るとは恐るべし。脚に多少傷がついているもののたいしたダメージにはなっていないみたいだ。
だが、十分引きつけることができた。
奴が緑の刃に気を取られている間に高く飛び上がった俺は叫ぶ。
「スキル『鳴動』、そして『ファング』」
全身が震え硬直するも俺の体は更に高い位置にまで登る。
右腕、左腕、右足、左足を順に振るい、緑の刃が無防備な奴の頭上から襲い掛かり、ざくりと切り裂く。
続いて落下する勢いをそのままに、奴の背中にファングを深々と突き立てた。
これが致命傷になり、黒い馬は光の粒となって消え、頭の中にメッセージが浮かぶ。
『スピード+
スタミナ++
力+
スキル「ランナー」を獲得しました』
「ふうう」
その場に座り込み大きく息を吐く。
スキル習得枠は常に一つ開けるようにしていて、使えそうなら入れ替えることにしている。
「ランナー」か。どんなスキルなのだろう。発動したら体感で分かるものとそうじゃないものがあるからなあ。
あくらをかく俺の膝の上へふてぶてしいマーモットが乗っかってくる。
『箱開けるモ』
「いきなりかよ」
『ボス部屋終わったモ』
「ボス部屋とか教えてもないのに知ってるんだな」
『物知りな「カラス」ほどじゃないモ。だけど、クラウディオよりは比べ物にならないくらい詳しいモ』
「ほんとかよ」
『嘘は言わないモ。おばかさんなクラウディオ』
「こ、こいつ……」
まだ息が整ってないってのに。
箱を開けるまで煩そうだから重い体を動かし、箱の蓋を開ける。
ついでに水袋を出し、頭から水をかぶり、水を口に含む。
マーモはさっそくとっておきのトマトをかじかじしている。ほんと呑気ななまものだよ。
聞いたことのない二つ名を持つ動物名が出てきたが、マーモと同じペットの一種かな?
「そうだ、マーモ」
『なんだモ』
「物知りな『カラス』ってのはマーモと同じような箱を出せるの?」
『出せないモ。カラスの固有スキルはゲートだモ』
「ゲート?」
『いつでも外に出ることができるモ。再開もできるモ』
「食糧を持ち込む必要もなく、休みたい時に安全に休むことができるのか」
そいつは良いな。物知りらしいし、ピンチになったらいつでもダンジョンから離脱も可能ときた。
こいつとチェンジできないかな?
『不穏なことを考えているモ?』
「いやいや、そんなことはないって。200階ボーナスでペットを選ぶことってできるのかな?」
『ランダムだモ』
「そっか……」
チェンジができたとしても、阻止されそうだし、マーモはマーモで箱の能力を持っているから役に立ってくれる。
ペットとしては可愛くないのだが、相棒としてなら良しだ。
マーモはモンスターからの攻撃を受け付けないので、ソロで進む俺との相性が良いからね。
「ザ・ワンのことに俺より詳しいんだっけ?」
『そうだモ』
「んじゃあ、今倒したボスの名前とか能力って分かる?」
『名前なら分かるモ。そいつはナイトメアだモ。中位種だモ』
「中位種?」
『ここに来るまでに似たような黒い馬がいたモ? ブラックホース、ナイトメア、ナイトメアロードと強くなるモ。馬型だとスレイプニルというのが強いモ』
モンスターが進化してランクアップしていくと考えておけばいいのか?
ベースとなるモンスターがいてパワーアップしていくので、ベースの能力を参考にすれば戦いやすくなるくらいに考えておけば良いみたいだ。
物知りなカラスなら詳細なステータスまで分かるんだろうか。
もう一つ、彼にそもそもなことを聞いてみよう。
毒とか麻痺とか石化やらだな。デバフに対しては耐性が無く無力であるが、スキルで対抗できる。
やったら硬いモンスターは時間がかかるものの、鈍重なことが殆どで脅威ではない。
苦手としているのは正統派の小手先無しなモンスターだ。素早さに特化しておらず、中距離・近距離にも対応できスタミナが豊富で隙が少ない。
対峙している黒い馬はその全てを備えていた。
全長7メートルでスラリとした脚の蹄から膝下まで青白い炎をまとっており、たてがみも炎だ。頭からはユニコーンのような角が二本生え、青白い炎が渦巻いていた。
これまでボスといえどもさして苦戦してこなかったので、この先進むことに戦々恐々としている。
「っつ」
一息入れようと距離を取れば青い炎の弾丸が飛んできた。一発ではなく角に渦巻く炎が光ると新たな炎の弾丸が唸りを上げて迫りくる。
先ほどは躱して躱して、地面を転がりながらにじり寄った。
すると待ち構えていた蹄に蹴り飛ばされそうになったこところ間一髪で避けたんだ。
躱してもじり貧。
ボスを倒せば十分な休息が取れるから、ここで全力を使い一歩も動けなくなっても構わない。
行くぜ!
迫りくる弾丸の数は衰えを知らない。伏せの姿勢であれば当たらないことは先ほど分かったが、奴の弾丸が途切れるまで待つことは不可能。
十分な態勢が取れず近寄っても万全の態勢で待ち構える奴の攻撃をかいくぐってダメージを与えることは叶わない。
ならば、こうだ。
「スキル『鳴動』」
伏せた体勢のままスキル「鳴動」を発動。
全身がブルブル震え、1秒もたたないうちに震えが止まる。鳴動は短いながらも発動時に隙ができてしまうから、余り使ってこなかった。
青い炎の弾丸を二発やり過ごし跳ねあがるように立ち上がる。
「ここだ」
駆け出しつつ、右腕を右から左へ振るう。すると、俺の腕の外側から緑色の刃のようなものが生まれ真っ直ぐ飛んでいく。
緑色の刃が炎の弾丸と激突し、対消滅する。
その間にも距離を詰める俺。
新たな炎の弾丸が尚も俺に迫るが、左腕を振るい緑の刃で消し飛ばした。
次の一発は右脚を蹴り上げ緑の刃を出し凌ぐ。
都合三発の炎の弾丸を捌いたところで、ついに黒い馬へ肉薄することができた。
『ヒヒイイイイイン』
「喰らえ!」
左足を蹴り上げ最後の緑の刃が飛ぶ!
対する黒い馬は前脚の強烈な蹴りで緑の刃を叩く。
躊躇なく蹴るとは恐るべし。脚に多少傷がついているもののたいしたダメージにはなっていないみたいだ。
だが、十分引きつけることができた。
奴が緑の刃に気を取られている間に高く飛び上がった俺は叫ぶ。
「スキル『鳴動』、そして『ファング』」
全身が震え硬直するも俺の体は更に高い位置にまで登る。
右腕、左腕、右足、左足を順に振るい、緑の刃が無防備な奴の頭上から襲い掛かり、ざくりと切り裂く。
続いて落下する勢いをそのままに、奴の背中にファングを深々と突き立てた。
これが致命傷になり、黒い馬は光の粒となって消え、頭の中にメッセージが浮かぶ。
『スピード+
スタミナ++
力+
スキル「ランナー」を獲得しました』
「ふうう」
その場に座り込み大きく息を吐く。
スキル習得枠は常に一つ開けるようにしていて、使えそうなら入れ替えることにしている。
「ランナー」か。どんなスキルなのだろう。発動したら体感で分かるものとそうじゃないものがあるからなあ。
あくらをかく俺の膝の上へふてぶてしいマーモットが乗っかってくる。
『箱開けるモ』
「いきなりかよ」
『ボス部屋終わったモ』
「ボス部屋とか教えてもないのに知ってるんだな」
『物知りな「カラス」ほどじゃないモ。だけど、クラウディオよりは比べ物にならないくらい詳しいモ』
「ほんとかよ」
『嘘は言わないモ。おばかさんなクラウディオ』
「こ、こいつ……」
まだ息が整ってないってのに。
箱を開けるまで煩そうだから重い体を動かし、箱の蓋を開ける。
ついでに水袋を出し、頭から水をかぶり、水を口に含む。
マーモはさっそくとっておきのトマトをかじかじしている。ほんと呑気ななまものだよ。
聞いたことのない二つ名を持つ動物名が出てきたが、マーモと同じペットの一種かな?
「そうだ、マーモ」
『なんだモ』
「物知りな『カラス』ってのはマーモと同じような箱を出せるの?」
『出せないモ。カラスの固有スキルはゲートだモ』
「ゲート?」
『いつでも外に出ることができるモ。再開もできるモ』
「食糧を持ち込む必要もなく、休みたい時に安全に休むことができるのか」
そいつは良いな。物知りらしいし、ピンチになったらいつでもダンジョンから離脱も可能ときた。
こいつとチェンジできないかな?
『不穏なことを考えているモ?』
「いやいや、そんなことはないって。200階ボーナスでペットを選ぶことってできるのかな?」
『ランダムだモ』
「そっか……」
チェンジができたとしても、阻止されそうだし、マーモはマーモで箱の能力を持っているから役に立ってくれる。
ペットとしては可愛くないのだが、相棒としてなら良しだ。
マーモはモンスターからの攻撃を受け付けないので、ソロで進む俺との相性が良いからね。
「ザ・ワンのことに俺より詳しいんだっけ?」
『そうだモ』
「んじゃあ、今倒したボスの名前とか能力って分かる?」
『名前なら分かるモ。そいつはナイトメアだモ。中位種だモ』
「中位種?」
『ここに来るまでに似たような黒い馬がいたモ? ブラックホース、ナイトメア、ナイトメアロードと強くなるモ。馬型だとスレイプニルというのが強いモ』
モンスターが進化してランクアップしていくと考えておけばいいのか?
ベースとなるモンスターがいてパワーアップしていくので、ベースの能力を参考にすれば戦いやすくなるくらいに考えておけば良いみたいだ。
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