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45.山なんてなんのその
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「病とは何かしら。外傷によらずに死滅すること?」
「それはそれで極端だな。体調不良になったり、そんな感じ?」
「分かった。確かに使うわ、だけど、食べる時だけ。稀だけど外敵に抵抗する時にも使うかしら」
「察しがついた。麻痺毒のことか」
「そうよ。獲物を新鮮に保つことができるわ。蜘蛛は腐敗の進んだ肉を食べることはできないから」
蜘蛛は獲物を捕獲する時に麻痺で動けなくしてから巣に連れて帰るか、その場で生きたまま捕食する。
状態異常という意味では同じだけど、バリアスで発生している病とは完全に別物だ。
彼女らが原因だったとしたらどうしようと不安がよぎったが、杞憂だった。
「そういや、蜘蛛が積極的に人間を襲うことってあるの?」
「接触すれば襲うわ。弱肉強食は世の常でしょ?」
「その点についてはノーコメントだ。つっても、ドロテアからは引いてくれたし俺からこれ以上何か要求することはないから安心してくれ」
「蜘蛛たちは私たちの勢力圏に戻ってる。ニンゲンが侵入して来たら、襲うかもね。まあ、蜘蛛と接触する前に他に食べられちゃうかも」
「さらっと怖い事を言うな……ほんとに」
「あらそう?」
彼女にとっては牛でも羊でも人間でも同じこと。理屈では分かっているのだけど、なかなか慣れないよ。
そういや、アリアドネって肉を食べてなかったよな? 彼女だけ肉食ではないのだろうか?
『腹が減ってきたぞ』
「肉はもう少し待て。あ、アイテムボックスの中で食べててもいいぞ」
『これから跳躍だったか。そうだな。中に入っておこうか。碌な獲物もいない』
「なら、私も入っておこうかしら。果物を適当に頂いてもいい?」
移動の時のメンバー構成をどうするか悩んでいたことが嘘みたいだ。駄竜の食欲に乾杯。
アリアドネはやっぱり果物が好みらしい。木の実の成る木を植えているからいくらでもどうぞ。
結局、駄竜とアリアドネから特にこれといった情報を聞くことはできなかった。
もし何か知っていたらラッキー程度だったから、全く問題無だ。
◇◇◇
「ひゃああああ! ちょっと高く飛び過ぎたー!」
「あ、危ないです! 前、前を見てください!」
「山なんて俺の敵じゃねえ!」
「きゃ、きゃああ!」
なんて感じでキャッキャウフフしていたら、二つくらい高い山を越えた。
ええと地図によるともう一つ渓谷を越えればぐっとバリアスに近づくのか(ベルヴァ情報)。直線で進んでいるのでグングン行けるけど、迂回していったらかなりの距離になるんじゃないか?
一週間だっけ、それくらいかかるのも納得だ。乗合馬車でなく徒歩なら更に倍以上かかるわけか……。
広大な領土を持つ王国だなあと思っていたけど、険しい道のために時間がかかるってのが正確なところのようだ。
それにしても……。
切り立った崖の下は真っ暗で何も見えない。どんだけ深い谷なんだよ、と下をチラ見しつつ崖を蹴る。
向かいにある崖を反対側の足先で蹴り、大きく上へ跳躍した。
お、おおお。
視界が開ける。一面のタンポポ畑だー。
ストンと無事着地する。着地の時は注意が必要でなるべくベルヴァに衝撃がいかないように膝を上手く使って力を受け流す。
「大丈夫?」
「はい。問題ありません。ドラゴニュートは案外頑丈に出来てますので」
「人間だったら骨が折れるくらいかな?」
「人間ではないので……すいません。ですが、ヨシタツ様は平気ですので平気なのでは?」
純真な瞳で見つめられても困っちゃうわよ。
コホンとワザとらしい咳をしてそっと彼女を降ろす。
そうかあ。ベルヴァがドラゴニュートだったから平気だったのかあ。自分の身体能力についてはそれこそ数万回試行錯誤を繰り返し、把握した。
把握はできているのだけど、元々の自分の体だったなら……という想像ができなくなってしまったんだ。
感じる衝撃が以前と異なるのだから、想像ができない。俺が物理や数学にもう少し詳しければ……ぐ、ぐぐう。残念ながら四則計算が限界である。
ならば、もう一度「時の止まる空間」でお勉強に励んで、と一瞬だけ考えたけど、無駄だと分かりあっさりと考えを捨てた。
大袈裟に頭を抱える俺をベルヴァがじっと見つめていたことに気が付く。
「い、いや。何でもない。ベルヴァに怪我が無くてよかったなっと」
「いつもお気遣いありがとうございます! ですが、問題ありません。ヨシタツ様から頂いたポーションがございますので!」
尻尾をピンと立てポーションを掲げるベルヴァ。
ええ子や。涙が出てきそう。不甲斐ない父さんですまんなあ。ごめんよお。佐枝子お。
……やべえトリップしてた。慎重で思慮深い俺としたことが……。
ベルヴァに袖を引かれて正気に戻る。
彼女の視線の先を追うと、一面のタンポポが目に入った。
黄色に染まった草原は力強く、美しい。風によってタンポポの黄色い花が揺れ、俺の頬も撫でる。
「こういうのもたまにはいいな」
「はい」
腰を降ろすと、ベルヴァも隣にちょこんと座った。
しばらく無言で揺れるタンポポの花を眺め肩を寄せ合う。
いつもはここで駄竜の邪魔が入るのだが、幸い奴はアイテムボックスの中で惰眠を貪っている。
一面のタンポポより美しい景色なんてごまんとあるだろう。だけど、この時の俺にとってこの景色は何よりも惹きつけられるものだったんだ。
幼き日の原風景を垣間見た……は言い過ぎか。
一抹の哀愁を覚え、ふうと小さく息を吐く。
そんな俺の手をベルヴァがぎゅっと握りしめる。
「ん?」
「も、申し訳ありません。なんだか、ヨシタツ様が遠くへ行ってしまうような気がして」
「何というか、この景色を見ていると寂しさが募って来てさ。悪い意味じゃないよ」
「郷愁というものでしょうか?」
「そんなところ、かな」
「私には懐かしむ郷愁というものがありませんので、ヨシタツ様のことを誤解してしまいました」
首を振り、彼女の手を握り返す。
対する彼女はもう一方の手をその手に重ねて、俺の肩に顔を乗せる。
もうしばらくしたら、動こう。あと少しだけ、この景色を眺めていたい。
――と、結構な時間を過ごしたのだけど、その日のうちにバリアス付近まで到着してしまった。
ここから馬車に乗って街まで行く予定だ。明日の昼までには到着する見込みである。
「それはそれで極端だな。体調不良になったり、そんな感じ?」
「分かった。確かに使うわ、だけど、食べる時だけ。稀だけど外敵に抵抗する時にも使うかしら」
「察しがついた。麻痺毒のことか」
「そうよ。獲物を新鮮に保つことができるわ。蜘蛛は腐敗の進んだ肉を食べることはできないから」
蜘蛛は獲物を捕獲する時に麻痺で動けなくしてから巣に連れて帰るか、その場で生きたまま捕食する。
状態異常という意味では同じだけど、バリアスで発生している病とは完全に別物だ。
彼女らが原因だったとしたらどうしようと不安がよぎったが、杞憂だった。
「そういや、蜘蛛が積極的に人間を襲うことってあるの?」
「接触すれば襲うわ。弱肉強食は世の常でしょ?」
「その点についてはノーコメントだ。つっても、ドロテアからは引いてくれたし俺からこれ以上何か要求することはないから安心してくれ」
「蜘蛛たちは私たちの勢力圏に戻ってる。ニンゲンが侵入して来たら、襲うかもね。まあ、蜘蛛と接触する前に他に食べられちゃうかも」
「さらっと怖い事を言うな……ほんとに」
「あらそう?」
彼女にとっては牛でも羊でも人間でも同じこと。理屈では分かっているのだけど、なかなか慣れないよ。
そういや、アリアドネって肉を食べてなかったよな? 彼女だけ肉食ではないのだろうか?
『腹が減ってきたぞ』
「肉はもう少し待て。あ、アイテムボックスの中で食べててもいいぞ」
『これから跳躍だったか。そうだな。中に入っておこうか。碌な獲物もいない』
「なら、私も入っておこうかしら。果物を適当に頂いてもいい?」
移動の時のメンバー構成をどうするか悩んでいたことが嘘みたいだ。駄竜の食欲に乾杯。
アリアドネはやっぱり果物が好みらしい。木の実の成る木を植えているからいくらでもどうぞ。
結局、駄竜とアリアドネから特にこれといった情報を聞くことはできなかった。
もし何か知っていたらラッキー程度だったから、全く問題無だ。
◇◇◇
「ひゃああああ! ちょっと高く飛び過ぎたー!」
「あ、危ないです! 前、前を見てください!」
「山なんて俺の敵じゃねえ!」
「きゃ、きゃああ!」
なんて感じでキャッキャウフフしていたら、二つくらい高い山を越えた。
ええと地図によるともう一つ渓谷を越えればぐっとバリアスに近づくのか(ベルヴァ情報)。直線で進んでいるのでグングン行けるけど、迂回していったらかなりの距離になるんじゃないか?
一週間だっけ、それくらいかかるのも納得だ。乗合馬車でなく徒歩なら更に倍以上かかるわけか……。
広大な領土を持つ王国だなあと思っていたけど、険しい道のために時間がかかるってのが正確なところのようだ。
それにしても……。
切り立った崖の下は真っ暗で何も見えない。どんだけ深い谷なんだよ、と下をチラ見しつつ崖を蹴る。
向かいにある崖を反対側の足先で蹴り、大きく上へ跳躍した。
お、おおお。
視界が開ける。一面のタンポポ畑だー。
ストンと無事着地する。着地の時は注意が必要でなるべくベルヴァに衝撃がいかないように膝を上手く使って力を受け流す。
「大丈夫?」
「はい。問題ありません。ドラゴニュートは案外頑丈に出来てますので」
「人間だったら骨が折れるくらいかな?」
「人間ではないので……すいません。ですが、ヨシタツ様は平気ですので平気なのでは?」
純真な瞳で見つめられても困っちゃうわよ。
コホンとワザとらしい咳をしてそっと彼女を降ろす。
そうかあ。ベルヴァがドラゴニュートだったから平気だったのかあ。自分の身体能力についてはそれこそ数万回試行錯誤を繰り返し、把握した。
把握はできているのだけど、元々の自分の体だったなら……という想像ができなくなってしまったんだ。
感じる衝撃が以前と異なるのだから、想像ができない。俺が物理や数学にもう少し詳しければ……ぐ、ぐぐう。残念ながら四則計算が限界である。
ならば、もう一度「時の止まる空間」でお勉強に励んで、と一瞬だけ考えたけど、無駄だと分かりあっさりと考えを捨てた。
大袈裟に頭を抱える俺をベルヴァがじっと見つめていたことに気が付く。
「い、いや。何でもない。ベルヴァに怪我が無くてよかったなっと」
「いつもお気遣いありがとうございます! ですが、問題ありません。ヨシタツ様から頂いたポーションがございますので!」
尻尾をピンと立てポーションを掲げるベルヴァ。
ええ子や。涙が出てきそう。不甲斐ない父さんですまんなあ。ごめんよお。佐枝子お。
……やべえトリップしてた。慎重で思慮深い俺としたことが……。
ベルヴァに袖を引かれて正気に戻る。
彼女の視線の先を追うと、一面のタンポポが目に入った。
黄色に染まった草原は力強く、美しい。風によってタンポポの黄色い花が揺れ、俺の頬も撫でる。
「こういうのもたまにはいいな」
「はい」
腰を降ろすと、ベルヴァも隣にちょこんと座った。
しばらく無言で揺れるタンポポの花を眺め肩を寄せ合う。
いつもはここで駄竜の邪魔が入るのだが、幸い奴はアイテムボックスの中で惰眠を貪っている。
一面のタンポポより美しい景色なんてごまんとあるだろう。だけど、この時の俺にとってこの景色は何よりも惹きつけられるものだったんだ。
幼き日の原風景を垣間見た……は言い過ぎか。
一抹の哀愁を覚え、ふうと小さく息を吐く。
そんな俺の手をベルヴァがぎゅっと握りしめる。
「ん?」
「も、申し訳ありません。なんだか、ヨシタツ様が遠くへ行ってしまうような気がして」
「何というか、この景色を見ていると寂しさが募って来てさ。悪い意味じゃないよ」
「郷愁というものでしょうか?」
「そんなところ、かな」
「私には懐かしむ郷愁というものがありませんので、ヨシタツ様のことを誤解してしまいました」
首を振り、彼女の手を握り返す。
対する彼女はもう一方の手をその手に重ねて、俺の肩に顔を乗せる。
もうしばらくしたら、動こう。あと少しだけ、この景色を眺めていたい。
――と、結構な時間を過ごしたのだけど、その日のうちにバリアス付近まで到着してしまった。
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