30 / 56
30.ギルドマスター
しおりを挟む
あれほどの騒ぎになったというのに、俺たちは部屋もそのままで宿泊できることになった。
更に店主の計らいで追加料金を支払うことなくもう一泊できることになったのだ。蜘蛛討伐で本来寛ぐはずの時間に寛ぐことができなかったから、と彼女は言ってくれた。
休みたいところではあるが、放置しておくわけにもいかないか。
残念ながらハムちゃんのことではない。ケラトルのことでもない。馬車を引いてくれたケラトルもアイテムボックスの中で時が止まったままだ。
ケラトルを労いたいところではあるが、後からだな……。
放置しておくわけにはいかないのは、アリアドネである。
洞窟から出る前に彼女にはアイテムボックスの中に入ってもらったんだ。彼女は人間社会で認識されている種族には含まれていない……はず。
穴の中から見知らぬ種族が出て来たら職質を受けることは確実。なので、見えないところにいてもらったというわけさ。
『おい、ヨシタツ。まさか、アリアドネを出そうとしておるまいな?』
「え、そうだけど?」
何を言ってんだこいつ?
駄竜ときたら、小さく炎を吐き俺の腹をペシペシと尻尾で叩いてくるではないか。
『一度出すと、二度と入らんぞ。あ奴は』
「そうは言っても、ずっと止まったままってのはさすがに……」
『我も経験したから分かるが、時が止まるというのはどれだけ長い時を留め置かれようと認識しない』
「まあ、そうだよな」
『ニンゲンの世界というものを理解せぬ我でさえ、望ましくないと分かるぞ?』
駄竜に言われずとも俺だってそれくらい分かっているよ。
言葉が通じぬ異形の姿をしたアリアドネが街中を歩いたとしたら、トラブルしか想像できない。
フード付きのローブを上から羽織れば、遠目には誤魔化せるだろう。
言葉が通じれば尚良し。うーん、でもなあ。
自分の立場になって考えてみると、時の止まった空間で外の時間が過ぎることを認識できぬまま放置される……絶対嫌だ、となる。
こんな時は一番人間社会に詳しいベルヴァに聞いてみるに限る。
ベッドにちょこんと腰かけた彼女に目を向けた。
「アリアドネの見た目で何とか誤魔化せそうな種族っているかな?」
「獣人は様々な見た目がございます……が、アリアドネ様のような触覚? が生えた種族となると」
「触覚は帽子をかぶるなりすれば隠せる。鎧のような甲殻も上から服を着るか鎧として誤魔化せると思うんだ」
「服装で、となりますと手袋をはめる、袖の長い服を着る……などすれば肌の質感も隠せますね」
「……ベルヴァさんもアリアドネにはしばらくアイテムボックスの中の方がいいと思う?」
「……ヨシタツ様のご判断が最良かと」
うん。ベルヴァの意見はよおく分かった。尻尾が「アリアドネを出すな」と言っている。
彼女の凛とした顔は真剣そのもので、俺の意思を尊重すると言ってくれているが、本音は尻尾が示していた。
ベルヴァの考えを整理すると、服装を何とかすれば街に溶け込むことは可能。俺が当初考えていたフード付きローブより自然な格好でも大丈夫だと分かったのは収穫だ。
とはいえ、現時点でアリアドネ用の服はない。
彼女には申し訳ないけど、もうしばらくアイテムボックスの中に入っててもらうか。ハムちゃんたちも時が止まったままなんだよね……。
スローライフ空間が整うまでは止まったままでいてもらうしかない。苦渋の決断である。
ハムちゃん……。
「ふああ。ごめん、ベルヴァさん、朝までそんなに時間はないけど、寝よう」
「はい。ヨシタツ様」
目を擦ったベルヴァはこてんとベッドに寝転がり、横向き(俺の方を向く)になるとすぐに寝息を立て始めた。
ベルヴァの息がかかる悩ましいシチュエーションにもすっかり動じなくなってきた俺がいる……。習慣の違いって恐ろしいよね。
向かい合わせで眠っていたら、何だか悶々としてしまうものじゃないか? 俺は既に克服したがな、ふふん。
彼女のおっぱいがもう少し大きかったらやばかったかもしれんがね。むにゅんがもにょんして服の隙間から見えたりしたらもう……。
◇◇◇
寝る前に何か変な事を考えていた気がするけど、考え始めたところで意識が遠くなって寝てしまったよ。
まあ、大事なことだったら、そのうち思い出すだろ。思い出さない考え事はどうでもいいことに違いない。問題ない、問題ない。
まず最初に向かったのは鍛冶屋である。ここで残った素材を売却して、ウサルンの店へ移動した。
翻訳のマジックアイテム「言葉の赤」を二個発注して、一路冒険者ギルドに向かう。
昨日と同じ調子で受付のところまで行くと、「お待ちください」と受付嬢が血相を変えて奥へと引っ込んで行く。
戻って来た彼女から「こちらへ」と個室に案内された。
蜘蛛の件がもう伝わっているのかな? と思い椅子に座って待っていたが、もしかしたら何かやらかしたのかもと不安がよぎる。
昨日の今日だし、無意識に犯罪行為に手を染めていたなんてこともないはずだ。ベルヴァも一緒だったから、問題ない。蜘蛛の件以外は有り得ない……よね?
ガチャリと扉が開く。
受付嬢の後ろからスキンヘッドの大柄な男が姿を現す。いかにもって感じの人だな。
ギルドマスターといえば、こんな風だろってのを体現したかのような見た目をしている。
「ギルドマスターだ。お前さんらの話は聞いているぜ」
ほら、やっぱりギルドマスターだよ!
内心、漫画で見るいかにもなギルドマスターに小躍りしながらも立ち上がって会釈をした。
俺に釣られるようにしてベルヴァも俺と並んで頭を下げる。
「はじめまして。良辰です。こちらはベルヴァです」
「初めまして。ベルヴァと申します」
「おう。昨日二人揃って登録してくれたんだよな。登録早々大活躍だったな!」
そう言って愉快そうに笑うマスターが座るのに合わせ、俺たちも腰を降ろす。
うんうん。そうだよな。やっぱり蜘蛛のことだった。
ホッとする反面、この後どんな話が飛び出すのか内心戦々恐々としている。
座るなり単刀直入にマスターが問いかけてきた。
「さっそくだが、穴の中にいた蜘蛛の体を持って帰ったと聞いている」
「はい。持って帰ってきてます」
「そいつを買い取らせてくれねえか? 街中にまで穴を掘って侵入してくるモンスターなんて前代未聞なんだよ。ちょいと研究をしとかなきゃってな」
「多少のお金になればくらいに考えていたので、買い取りでしたら喜んで売らせて頂きます」
「助かる。袋に詰め込んでいたものを全部買い取りでいいか?」
「もちろんです」
ドンと机の上に大きな袋を置く。
袋を手に取って中身をチラ見したマスターが満足そうに頷いた。
「見たことあるモンスターではあるな。こいつが穴を掘るのか」
「そうみたいです。俺は会ったことがないモンスターだったので、穴の中以外にどこにいるかとか知らないですが……」
「どんな動きをしていたかとか覚えているだけでいい。教えてもらえるか。……の前に。全部で5万ゴルダでいいか?」
「そんなに!? ありがとうございます!」
お、おおお。
焼却しかないかもと思っていた蜘蛛がこれほどの高価格で売れるとは。
鍛冶屋に寄ってお金を作る必要もなかったな。
更に店主の計らいで追加料金を支払うことなくもう一泊できることになったのだ。蜘蛛討伐で本来寛ぐはずの時間に寛ぐことができなかったから、と彼女は言ってくれた。
休みたいところではあるが、放置しておくわけにもいかないか。
残念ながらハムちゃんのことではない。ケラトルのことでもない。馬車を引いてくれたケラトルもアイテムボックスの中で時が止まったままだ。
ケラトルを労いたいところではあるが、後からだな……。
放置しておくわけにはいかないのは、アリアドネである。
洞窟から出る前に彼女にはアイテムボックスの中に入ってもらったんだ。彼女は人間社会で認識されている種族には含まれていない……はず。
穴の中から見知らぬ種族が出て来たら職質を受けることは確実。なので、見えないところにいてもらったというわけさ。
『おい、ヨシタツ。まさか、アリアドネを出そうとしておるまいな?』
「え、そうだけど?」
何を言ってんだこいつ?
駄竜ときたら、小さく炎を吐き俺の腹をペシペシと尻尾で叩いてくるではないか。
『一度出すと、二度と入らんぞ。あ奴は』
「そうは言っても、ずっと止まったままってのはさすがに……」
『我も経験したから分かるが、時が止まるというのはどれだけ長い時を留め置かれようと認識しない』
「まあ、そうだよな」
『ニンゲンの世界というものを理解せぬ我でさえ、望ましくないと分かるぞ?』
駄竜に言われずとも俺だってそれくらい分かっているよ。
言葉が通じぬ異形の姿をしたアリアドネが街中を歩いたとしたら、トラブルしか想像できない。
フード付きのローブを上から羽織れば、遠目には誤魔化せるだろう。
言葉が通じれば尚良し。うーん、でもなあ。
自分の立場になって考えてみると、時の止まった空間で外の時間が過ぎることを認識できぬまま放置される……絶対嫌だ、となる。
こんな時は一番人間社会に詳しいベルヴァに聞いてみるに限る。
ベッドにちょこんと腰かけた彼女に目を向けた。
「アリアドネの見た目で何とか誤魔化せそうな種族っているかな?」
「獣人は様々な見た目がございます……が、アリアドネ様のような触覚? が生えた種族となると」
「触覚は帽子をかぶるなりすれば隠せる。鎧のような甲殻も上から服を着るか鎧として誤魔化せると思うんだ」
「服装で、となりますと手袋をはめる、袖の長い服を着る……などすれば肌の質感も隠せますね」
「……ベルヴァさんもアリアドネにはしばらくアイテムボックスの中の方がいいと思う?」
「……ヨシタツ様のご判断が最良かと」
うん。ベルヴァの意見はよおく分かった。尻尾が「アリアドネを出すな」と言っている。
彼女の凛とした顔は真剣そのもので、俺の意思を尊重すると言ってくれているが、本音は尻尾が示していた。
ベルヴァの考えを整理すると、服装を何とかすれば街に溶け込むことは可能。俺が当初考えていたフード付きローブより自然な格好でも大丈夫だと分かったのは収穫だ。
とはいえ、現時点でアリアドネ用の服はない。
彼女には申し訳ないけど、もうしばらくアイテムボックスの中に入っててもらうか。ハムちゃんたちも時が止まったままなんだよね……。
スローライフ空間が整うまでは止まったままでいてもらうしかない。苦渋の決断である。
ハムちゃん……。
「ふああ。ごめん、ベルヴァさん、朝までそんなに時間はないけど、寝よう」
「はい。ヨシタツ様」
目を擦ったベルヴァはこてんとベッドに寝転がり、横向き(俺の方を向く)になるとすぐに寝息を立て始めた。
ベルヴァの息がかかる悩ましいシチュエーションにもすっかり動じなくなってきた俺がいる……。習慣の違いって恐ろしいよね。
向かい合わせで眠っていたら、何だか悶々としてしまうものじゃないか? 俺は既に克服したがな、ふふん。
彼女のおっぱいがもう少し大きかったらやばかったかもしれんがね。むにゅんがもにょんして服の隙間から見えたりしたらもう……。
◇◇◇
寝る前に何か変な事を考えていた気がするけど、考え始めたところで意識が遠くなって寝てしまったよ。
まあ、大事なことだったら、そのうち思い出すだろ。思い出さない考え事はどうでもいいことに違いない。問題ない、問題ない。
まず最初に向かったのは鍛冶屋である。ここで残った素材を売却して、ウサルンの店へ移動した。
翻訳のマジックアイテム「言葉の赤」を二個発注して、一路冒険者ギルドに向かう。
昨日と同じ調子で受付のところまで行くと、「お待ちください」と受付嬢が血相を変えて奥へと引っ込んで行く。
戻って来た彼女から「こちらへ」と個室に案内された。
蜘蛛の件がもう伝わっているのかな? と思い椅子に座って待っていたが、もしかしたら何かやらかしたのかもと不安がよぎる。
昨日の今日だし、無意識に犯罪行為に手を染めていたなんてこともないはずだ。ベルヴァも一緒だったから、問題ない。蜘蛛の件以外は有り得ない……よね?
ガチャリと扉が開く。
受付嬢の後ろからスキンヘッドの大柄な男が姿を現す。いかにもって感じの人だな。
ギルドマスターといえば、こんな風だろってのを体現したかのような見た目をしている。
「ギルドマスターだ。お前さんらの話は聞いているぜ」
ほら、やっぱりギルドマスターだよ!
内心、漫画で見るいかにもなギルドマスターに小躍りしながらも立ち上がって会釈をした。
俺に釣られるようにしてベルヴァも俺と並んで頭を下げる。
「はじめまして。良辰です。こちらはベルヴァです」
「初めまして。ベルヴァと申します」
「おう。昨日二人揃って登録してくれたんだよな。登録早々大活躍だったな!」
そう言って愉快そうに笑うマスターが座るのに合わせ、俺たちも腰を降ろす。
うんうん。そうだよな。やっぱり蜘蛛のことだった。
ホッとする反面、この後どんな話が飛び出すのか内心戦々恐々としている。
座るなり単刀直入にマスターが問いかけてきた。
「さっそくだが、穴の中にいた蜘蛛の体を持って帰ったと聞いている」
「はい。持って帰ってきてます」
「そいつを買い取らせてくれねえか? 街中にまで穴を掘って侵入してくるモンスターなんて前代未聞なんだよ。ちょいと研究をしとかなきゃってな」
「多少のお金になればくらいに考えていたので、買い取りでしたら喜んで売らせて頂きます」
「助かる。袋に詰め込んでいたものを全部買い取りでいいか?」
「もちろんです」
ドンと机の上に大きな袋を置く。
袋を手に取って中身をチラ見したマスターが満足そうに頷いた。
「見たことあるモンスターではあるな。こいつが穴を掘るのか」
「そうみたいです。俺は会ったことがないモンスターだったので、穴の中以外にどこにいるかとか知らないですが……」
「どんな動きをしていたかとか覚えているだけでいい。教えてもらえるか。……の前に。全部で5万ゴルダでいいか?」
「そんなに!? ありがとうございます!」
お、おおお。
焼却しかないかもと思っていた蜘蛛がこれほどの高価格で売れるとは。
鍛冶屋に寄ってお金を作る必要もなかったな。
44
お気に入りに追加
783
あなたにおすすめの小説
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
超時空スキルを貰って、幼馴染の女の子と一緒に冒険者します。
烏帽子 博
ファンタジー
クリスは、孤児院で同い年のララと、院長のシスター メリジェーンと祝福の儀に臨んだ。
その瞬間クリスは、真っ白な空間に召喚されていた。
「クリス、あなたに超時空スキルを授けます。
あなたの思うように過ごしていいのよ」
真っ白なベールを纏って後光に包まれたその人は、それだけ言って消えていった。
その日クリスに司祭から告げられたスキルは「マジックポーチ」だった。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる