14 / 52
13.そらのたび
しおりを挟む
絨毯や! ふかふかの絨毯が敷かれているぞ。
汚れた靴のまま進んでいいのか躊躇しつつも、プリシラが「わーい」とはしゃいでいたから慌てて追いかける。
「お、おい。そんなに走ったら誰かにぶつかる」
「えー。大丈夫だよー」
顔を後ろに向けたままスキップを踏み進むプリシラ。
確かにここは天井が高い広いロビーだけど、遮蔽物が無いわけじゃない。
椅子とテーブルが置かれている場所は衝立が置かれていて、お客同士がゆったりとすごせるように配慮がなされている。
あ、ほら。言わんこっちゃない。
衝立の影から出てきた人とプリシラがぶち当たった。
プリシラの頭が出て来た人のぷるるんとした双丘をぽふんと押す。
「あ、すいません」
なんで俺がと思いつつも、すかさず謝罪の言葉を述べる。
「いや、こちらも見ていなかった」
「イルゼ―」
「っと。プリシラとバルトロ殿か」
「うんー」
「こ、こら。擦り付けるな」
「鎧は着てないのー?」
「だから顔を……今は非戦闘時だからな」
プリシラの頭の動きにあわせて、クッションが形を変えて……。
言うことを聞かないプリシラに対し、イルゼは彼女の頭をぐわしと両手で掴み引き離した。
「イルゼ。気を使ってくれてありがとうな」
「いや、私も街でやることがあった。明朝、バルトロ殿に付き合って欲しいのだが」
「あ、ああ。そうだった。服を見に行く約束をしていたよな」
「そうだ。農作業のことはよく分からない。バルトロ殿、エスコートを頼む」
「分かった。とっておきの農具屋に案内するさ」
それなら俺もついでに農具を見ようかなあ。
わくわくしてきたあ。
鋤とクワも一本しかないし、予備や二人が使う分もいるしなあ。あ、そうそう。紐や網なんかもいるよな。
えっと、あとは……。
「ばー」
「……な、なんだよ……」
「あははは。驚いてるー」
「そ、そら。いきなり顔が目の前にあったら驚くって」
「難しい顔で何か考えてたから―」
「そ、そうだな。つい熱くなってしまっていた」
「明日はギルドの依頼じゃなかったのー?」
お、そうだった。
農具のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れていたぜ。
俺としたことが……。
「そ、そうだ。イルゼ、ギルドで依頼を受けて来たんだよ。買い物の後から動こうか」
「荷物が増えてしまう。それなら依頼をこなした後の方がよかろう」
「そ、そうか……」
く、くう。
お預けになってしまった……。イルゼの言うことはもっともなんだけど、致し方ない。
「そこのソファーで話を聞こう」
「分かった」
◆◆◆
ふかふかのソファーに腰かけると、ビシッとした黒服を着た男がすぐにやってきてメニューを置いて立ち去る。
チラッとお値段を見てみたら、さっきの酒場で食べた料理全てくらいの価格がびっしりと書かれていた……。たかがドリンク一杯だぞ。
「気にせず頼んでくれ。この宿は聖騎士なら無料なのだよ」
「ほ、ほう」
すげえな聖騎士。無料で宿に泊れて飲食ができる。
少しだけ聖騎士に憧れてしまった。
だが残念だったな、俺は農業の方が百倍好きだ。
聖騎士に成れもしないのに偉そうに心の中で思う俺であった。
基本的にお金は俺が出すつもりだったけど、無料とあればイルゼに甘えることにしようかな。
「注文は適当で。さっそくだけど、依頼の事について話をしたい」
「分かった」
「郊外の行方不明者の中にアルゴリア遺跡に連れ去られて者がいるらしい。だけど、アルゴリア遺跡まで行って真相を掴んだ者はまだいない」
「何! 無辜の民を攫うなど、不届きな奴らだ! 今すぐこの私が成敗してくれよう。この剣に誓って!」
「だああ。待て、待て」
いきなり立ち上がり、剣を抜こうとするもんだから慌ててイルゼの肩を掴みソファーに座らせた。
分かっていたけど、彼女はかなり直情的だ。
もうちょっと事の次第を調べてからとか思わないんだろうか……思わないんだろうな……。
「何をする! すぐに行かねばならぬだろう!」
「まず大前提として、アルゴリアの件があろうがあるまいが行方不明者が出ていることは分かっているよな」
「もちろんだとも! 嘆かわしいことだが、モンスターや野盗は滅しても次から次へと湧いて来るからな」
「だから、落ち着け。俺を睨んでも仕方ないだろ」
もういっそ説明しない方がいいかもしれない。
万が一、情報が誤っていた場合はそれはそれでよし。「人さらいはいなかった。完結、おめでとう」でいいや。
彼女もプリシラも実力は折り紙付き……いや、人智を越えるから、彼女らが危機に会う事はないだろう。
力を振るう場面だけ協力してもらえばいい。
そもそも、これは俺が金を稼ぐために受けた依頼だしな。協力してくれることに感謝しないと。
「それで、いつアルゴリアに立つのだ?」
やっぱりこうですよねえ。
話を聞く気はさらさらないらしい。ま、でも、これはこれで良い。余計なことに気を回さずに済む。
「今すぐでもいいぞ」
「そうだな。急ぐ方がいい」
もういいや、またループするしそれならとっとと行った方がいい。
「じゃあー。くあくあで行こー」
俺とイルゼの手をプリシラが引っ張る。
◆◆◆
高級なドリンクを飲まずに宿を後にした俺たちは、真っ直ぐに街の外へ向かう。
街が遠くなったところで、プリシラがぴゅーーーっと口笛を吹くとすぐにロック鳥のクアクアが空から姿を現した。
『くあああああ』
サイズがサイズだけに鳴き声もうるさい!
鼓膜がびりびりくる。
プリシラに続き、ぴょんとクアクアの背に乗りイルゼを上に引っ張り上げた。
「じゃーいこー。くあくあー!」
『ぐあっが!』
おどろおどろしい地の底から響くような咆哮を出したくあくあがばっさばっさと翼を羽ばたかせる。
ふわりと彼の体が浮き上がり、俺たちごと空へと舞い上がった。
「お、おおお! 空だ!」
初めてみる空の景色に感嘆の声をあげる。惜しむらくは、自分の体を支えるために握っているトサカの感触くらいだろうか。
ぶよぶよして気持ち悪い……。
「アルゴリアはあちらだ」
イルゼがその場で立ち上がり、背筋をぴしっと伸ばして細い指先を右に向ける。
「おー」
アルゴリア遺跡までは彼女に任せておいて大丈夫だな。
俺は情報の整理を行うとしよう。
腰のポーチからメモ帳を取り出し、ページを捲る。
うーむ。片手だとやり辛いな。
頑張ってメモ帳を見ようと首を捻るが……暗くてよく見えない。
それに、吹き抜ける風が強すぎてメモ帳が飛びそうだ。
「仕方ない。着いてからにするか」
諦めた俺は出したばかりのメモ帳をポーチに仕舞い込んだ。
ランタンの灯りがあれば、メモ帳を読むに支障がないからな。ここじゃあ、明かりも灯すこともできないし。
汚れた靴のまま進んでいいのか躊躇しつつも、プリシラが「わーい」とはしゃいでいたから慌てて追いかける。
「お、おい。そんなに走ったら誰かにぶつかる」
「えー。大丈夫だよー」
顔を後ろに向けたままスキップを踏み進むプリシラ。
確かにここは天井が高い広いロビーだけど、遮蔽物が無いわけじゃない。
椅子とテーブルが置かれている場所は衝立が置かれていて、お客同士がゆったりとすごせるように配慮がなされている。
あ、ほら。言わんこっちゃない。
衝立の影から出てきた人とプリシラがぶち当たった。
プリシラの頭が出て来た人のぷるるんとした双丘をぽふんと押す。
「あ、すいません」
なんで俺がと思いつつも、すかさず謝罪の言葉を述べる。
「いや、こちらも見ていなかった」
「イルゼ―」
「っと。プリシラとバルトロ殿か」
「うんー」
「こ、こら。擦り付けるな」
「鎧は着てないのー?」
「だから顔を……今は非戦闘時だからな」
プリシラの頭の動きにあわせて、クッションが形を変えて……。
言うことを聞かないプリシラに対し、イルゼは彼女の頭をぐわしと両手で掴み引き離した。
「イルゼ。気を使ってくれてありがとうな」
「いや、私も街でやることがあった。明朝、バルトロ殿に付き合って欲しいのだが」
「あ、ああ。そうだった。服を見に行く約束をしていたよな」
「そうだ。農作業のことはよく分からない。バルトロ殿、エスコートを頼む」
「分かった。とっておきの農具屋に案内するさ」
それなら俺もついでに農具を見ようかなあ。
わくわくしてきたあ。
鋤とクワも一本しかないし、予備や二人が使う分もいるしなあ。あ、そうそう。紐や網なんかもいるよな。
えっと、あとは……。
「ばー」
「……な、なんだよ……」
「あははは。驚いてるー」
「そ、そら。いきなり顔が目の前にあったら驚くって」
「難しい顔で何か考えてたから―」
「そ、そうだな。つい熱くなってしまっていた」
「明日はギルドの依頼じゃなかったのー?」
お、そうだった。
農具のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れていたぜ。
俺としたことが……。
「そ、そうだ。イルゼ、ギルドで依頼を受けて来たんだよ。買い物の後から動こうか」
「荷物が増えてしまう。それなら依頼をこなした後の方がよかろう」
「そ、そうか……」
く、くう。
お預けになってしまった……。イルゼの言うことはもっともなんだけど、致し方ない。
「そこのソファーで話を聞こう」
「分かった」
◆◆◆
ふかふかのソファーに腰かけると、ビシッとした黒服を着た男がすぐにやってきてメニューを置いて立ち去る。
チラッとお値段を見てみたら、さっきの酒場で食べた料理全てくらいの価格がびっしりと書かれていた……。たかがドリンク一杯だぞ。
「気にせず頼んでくれ。この宿は聖騎士なら無料なのだよ」
「ほ、ほう」
すげえな聖騎士。無料で宿に泊れて飲食ができる。
少しだけ聖騎士に憧れてしまった。
だが残念だったな、俺は農業の方が百倍好きだ。
聖騎士に成れもしないのに偉そうに心の中で思う俺であった。
基本的にお金は俺が出すつもりだったけど、無料とあればイルゼに甘えることにしようかな。
「注文は適当で。さっそくだけど、依頼の事について話をしたい」
「分かった」
「郊外の行方不明者の中にアルゴリア遺跡に連れ去られて者がいるらしい。だけど、アルゴリア遺跡まで行って真相を掴んだ者はまだいない」
「何! 無辜の民を攫うなど、不届きな奴らだ! 今すぐこの私が成敗してくれよう。この剣に誓って!」
「だああ。待て、待て」
いきなり立ち上がり、剣を抜こうとするもんだから慌ててイルゼの肩を掴みソファーに座らせた。
分かっていたけど、彼女はかなり直情的だ。
もうちょっと事の次第を調べてからとか思わないんだろうか……思わないんだろうな……。
「何をする! すぐに行かねばならぬだろう!」
「まず大前提として、アルゴリアの件があろうがあるまいが行方不明者が出ていることは分かっているよな」
「もちろんだとも! 嘆かわしいことだが、モンスターや野盗は滅しても次から次へと湧いて来るからな」
「だから、落ち着け。俺を睨んでも仕方ないだろ」
もういっそ説明しない方がいいかもしれない。
万が一、情報が誤っていた場合はそれはそれでよし。「人さらいはいなかった。完結、おめでとう」でいいや。
彼女もプリシラも実力は折り紙付き……いや、人智を越えるから、彼女らが危機に会う事はないだろう。
力を振るう場面だけ協力してもらえばいい。
そもそも、これは俺が金を稼ぐために受けた依頼だしな。協力してくれることに感謝しないと。
「それで、いつアルゴリアに立つのだ?」
やっぱりこうですよねえ。
話を聞く気はさらさらないらしい。ま、でも、これはこれで良い。余計なことに気を回さずに済む。
「今すぐでもいいぞ」
「そうだな。急ぐ方がいい」
もういいや、またループするしそれならとっとと行った方がいい。
「じゃあー。くあくあで行こー」
俺とイルゼの手をプリシラが引っ張る。
◆◆◆
高級なドリンクを飲まずに宿を後にした俺たちは、真っ直ぐに街の外へ向かう。
街が遠くなったところで、プリシラがぴゅーーーっと口笛を吹くとすぐにロック鳥のクアクアが空から姿を現した。
『くあああああ』
サイズがサイズだけに鳴き声もうるさい!
鼓膜がびりびりくる。
プリシラに続き、ぴょんとクアクアの背に乗りイルゼを上に引っ張り上げた。
「じゃーいこー。くあくあー!」
『ぐあっが!』
おどろおどろしい地の底から響くような咆哮を出したくあくあがばっさばっさと翼を羽ばたかせる。
ふわりと彼の体が浮き上がり、俺たちごと空へと舞い上がった。
「お、おおお! 空だ!」
初めてみる空の景色に感嘆の声をあげる。惜しむらくは、自分の体を支えるために握っているトサカの感触くらいだろうか。
ぶよぶよして気持ち悪い……。
「アルゴリアはあちらだ」
イルゼがその場で立ち上がり、背筋をぴしっと伸ばして細い指先を右に向ける。
「おー」
アルゴリア遺跡までは彼女に任せておいて大丈夫だな。
俺は情報の整理を行うとしよう。
腰のポーチからメモ帳を取り出し、ページを捲る。
うーむ。片手だとやり辛いな。
頑張ってメモ帳を見ようと首を捻るが……暗くてよく見えない。
それに、吹き抜ける風が強すぎてメモ帳が飛びそうだ。
「仕方ない。着いてからにするか」
諦めた俺は出したばかりのメモ帳をポーチに仕舞い込んだ。
ランタンの灯りがあれば、メモ帳を読むに支障がないからな。ここじゃあ、明かりも灯すこともできないし。
0
お気に入りに追加
1,057
あなたにおすすめの小説
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる