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2.手加減スキルできりぬけろ
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声に導かれ、怪鳥はばっさばっさと嬉しそうに翼を震わせる。
よっし、奴の気が逸れているうちにここから脱出するとしよう。
怪鳥の足元から離れ、奴の全身が見えるところまで退避した。
しかし、その時、心臓が鷲掴みにされたような怖気を感じ全身が総毛だつ。
俺は怪鳥に「手加減スキル」を発動している。
それでも、ここまでの圧力を感じとるとは……一体どこから?
「くあくあ。あしに怪我してるー?」
あれだ。
あの舌ったらずな可愛らしい声の主が俺の全身を震わせているのだ。
怪鳥の身を案じ、怒りのオーラを発しているようだけど、あんなもの傷というのもおこがましい。
血が出るどころか、埃をかぶった程度だぞ。
それでも、彼女は黒いオーラを出しているではないか。
「どれだけ過保護なんだよ」と思うが、彼女にとってはそれだけあの怪鳥が大事な存在なのだろう。
長い絹糸のような薄紫の髪と背中から生えた蝙蝠のような翼を震わせ、愛おしそうに怪鳥の嘴を撫でている。
翼は動いていないけど、彼女は空中で静止していた。きっと魔法で飛行しているに違いない。
魔法で宙を翔けることができるなんて、そうお目にかかるものじゃあないけど、何もこんな時じゃなくていいじゃないか!
眺めるどころか、とっとと逃げ出したくて仕方がないよ……。
おっと、動揺して座り込んでいる場合じゃあない。
両の拳を胸の前で打ち合わせ、目を瞑る。
「発動せよ。『手加減』スキル」
彼女からの圧迫感が無くなった。今回も上手くいったようだな。
ふうと大きく息を吐き、ひょいっと立ち上がる。
「くあくあをいじめたのはお兄さん?」
「あ、いや。そいつから俺に襲い掛かって来たんだが」
「くあくあをいじめたらだめー!」
お、おいおい。まるで話を聞いちゃいねえ。
プルンとした小さな唇を開いた少女は、天に向かって両手を広げる。
あくびのときに伸びをする可愛らしい仕草に似ているけど……。
「ちょ、ちょっと待て!」
彼女の手のひらの上に赤黒い炎が渦巻き、どんどん大きさを増してきているじゃあないか。
な、なんだあの魔法。
色もさることながら、小柄な彼女より大きな球体にまでサイズが……。
渦巻く炎はまるで地獄の業火のよう。
手加減スキル発動中の俺なら喰らっても平気だけど、小高い丘である俺の周囲を少し離れると森なんだぞ。
もし、森へあの炎が直撃したとしたら大惨事になることは容易に想像できる。
「待て、本気で待て!」
「けしずみになっちゃえー。ヘル・ファイア!」
お、おお。俺の想像と魔法の名前が合致していた。
ってそんな呑気なことを考えている場合じゃない。
ど、どうする。
あ……気が動転していて忘れていた。
手加減スキルが発動中だという意味を。
目を閉じ、意識を内側へ向ける。
探せ。
未だ知らぬが頭の中に刻まれた知識を。
手繰り寄せろ。
アレに「手加減」する手段を。
物理には物理を。
魔法には魔法を。
全て、かすり傷にしてしまう手加減スキルの真の力を。
引き出せ!
これだ。
カッと目を見開き、右手をくるりと回転させ指先を鳴らす。
「行けえ。絶対零度の極限を。アイス・コフィン」
力ある言葉に応じ、俺の手のひらから沸き立つようにパラパラと細かい氷の粒子が舞う。
空気中の目に見えない水の雫が凍り付いたためだ。
見えない冷気はすぐに姿を現し、空のようなスカイブルーの塊になって放たれた地獄の火炎を包み込む。
パリイイン――。
澄んだ音が響き、氷がバラバラと崩れ去って地に注ぐ。
細かい氷の粒はぽかぽかな太陽の光に反射しキラキラと美しい光を放った。
「え……」
少女から驚きの声があがる。
地獄の業火は絶対零度によって相殺されたのだ。
大惨事を避けることができ、ほっとしたところで先ほど使った魔法について脳内知識を改めて確認する。
何も分からないままだと気持ち悪いしさ。
「うわあ……」
思わず嫌な声が出てしまった。
これは……酷い。
さっきのアイスコフィンとかいう魔法なんだけど、魔法ランクSSみたいだぞ。
これはトップランクの冒険者でも到達できない域の魔法ランクである。
あの子はアイスコフィンに比肩する魔法を先ほど使ったのだ。まるでピクニックに行くようにな。
おかしい。
怪鳥が出現してから、俺の世界が崩れ去っていくようだ。
大きな目を見開いている今がチャンス。
彼女のステータスを見てしまおう。
『名前:プリシラ
種族:エルダーデーモン
レベル:百二十二
状態:良好』
「百二十二だとおおお!」
今度は叫んでしまった。
誰だって驚くよ。こんなの!
何だよ。この冗談みたいなレベルは。
冒険者を含め、王国の人たちのレベル限界は百だと言われている。
天賦の才に恵まれた極一部の例外がいるとは聞くが……俺がこれまで会ったことのある冒険者の中だと、最高でレベル八十三。
王国一の冒険者なら、百近くはあるのかもしれん。
だけど、この子は軽くそれを超越しているんだ……。
なんだよ。エルダーデーモンって。
伝説に聞く魔族の中にあるという上位存在?
俺は生ける伝説になんて会いたくはない。この仕事を最後に冒険者を引退して畑を耕す予定だったのだから……。
「ねー。お兄さん」
「ポーションくらいなら持っている。それで勘弁してくれないか?」
絶対に関わり合いになりたくない不倶戴天の気持ちを持って、彼女へ向けポーションを差し出す。
「んー。お兄さん、すごーい」
「え、えっと……」
ポーションのことはスルーかよ。
唇に指先をあて、蠱惑的な微笑みを浮かべる少女に嫌な予感がびんびんする。
「すてーたすをみたのだー。わたしよりつよーい。すごーい」
「あ、うん……ポーションは要らない?」
「うんー。ねー、くあくあ」
『くああああ!』
首をぶんぶんと振る怪鳥であるが、サイズを考えて動いてくれよ。
こっちにまで風が来る……。
「わたしはプリシラ。お兄さんは?」
「俺はバルトロメウ」
「ばるとおお?」
「バルトロでいい」
「うんー。バルトロー」
何が嬉しいのかきゃっきゃと嬉しそうにばんざーいをする魔族の少女ことプリシラ。
俺の名前なんてステータスを見たのなら分かるだろうに。
「バルトロ―」
「俺はこの後、街に戻らないといけないんだ! またな!」
何かを言われる前に踵を返す。返すったら返す。
「そっかー。また後でねー」
不穏な言葉が聞こえたけど、これ以上彼女が魔法をけしかけてくる様子がないからこのままスタスタと立ち去ることにした。
森の中に入ったところで、緊張の糸が切れその場で膝を落とす俺なのであった……。
本当に勘弁してくれよ……俺は世界の強者になんて会いたくないんだ。
魔法を極めるとかこの世の理を紐解くとか一切興味がない。
そんなものよりクワの選別をしたい。
「座っている場合じゃねえな」
プリシラから視線を外し、およそ五分が経過した。
彼女にかかった手加減スキルの継続できる時間は残り約二十五分しかない。
完全に安全なところまでとっとと動かないと。
手加減スキルの思わぬ能力で命を拾った俺であったが、この後振りかかる災悪についてこの時の俺はまだ知る由もなかった。
「街へ向かうことにしよう」
一人呟き、走り始める。
よっし、奴の気が逸れているうちにここから脱出するとしよう。
怪鳥の足元から離れ、奴の全身が見えるところまで退避した。
しかし、その時、心臓が鷲掴みにされたような怖気を感じ全身が総毛だつ。
俺は怪鳥に「手加減スキル」を発動している。
それでも、ここまでの圧力を感じとるとは……一体どこから?
「くあくあ。あしに怪我してるー?」
あれだ。
あの舌ったらずな可愛らしい声の主が俺の全身を震わせているのだ。
怪鳥の身を案じ、怒りのオーラを発しているようだけど、あんなもの傷というのもおこがましい。
血が出るどころか、埃をかぶった程度だぞ。
それでも、彼女は黒いオーラを出しているではないか。
「どれだけ過保護なんだよ」と思うが、彼女にとってはそれだけあの怪鳥が大事な存在なのだろう。
長い絹糸のような薄紫の髪と背中から生えた蝙蝠のような翼を震わせ、愛おしそうに怪鳥の嘴を撫でている。
翼は動いていないけど、彼女は空中で静止していた。きっと魔法で飛行しているに違いない。
魔法で宙を翔けることができるなんて、そうお目にかかるものじゃあないけど、何もこんな時じゃなくていいじゃないか!
眺めるどころか、とっとと逃げ出したくて仕方がないよ……。
おっと、動揺して座り込んでいる場合じゃあない。
両の拳を胸の前で打ち合わせ、目を瞑る。
「発動せよ。『手加減』スキル」
彼女からの圧迫感が無くなった。今回も上手くいったようだな。
ふうと大きく息を吐き、ひょいっと立ち上がる。
「くあくあをいじめたのはお兄さん?」
「あ、いや。そいつから俺に襲い掛かって来たんだが」
「くあくあをいじめたらだめー!」
お、おいおい。まるで話を聞いちゃいねえ。
プルンとした小さな唇を開いた少女は、天に向かって両手を広げる。
あくびのときに伸びをする可愛らしい仕草に似ているけど……。
「ちょ、ちょっと待て!」
彼女の手のひらの上に赤黒い炎が渦巻き、どんどん大きさを増してきているじゃあないか。
な、なんだあの魔法。
色もさることながら、小柄な彼女より大きな球体にまでサイズが……。
渦巻く炎はまるで地獄の業火のよう。
手加減スキル発動中の俺なら喰らっても平気だけど、小高い丘である俺の周囲を少し離れると森なんだぞ。
もし、森へあの炎が直撃したとしたら大惨事になることは容易に想像できる。
「待て、本気で待て!」
「けしずみになっちゃえー。ヘル・ファイア!」
お、おお。俺の想像と魔法の名前が合致していた。
ってそんな呑気なことを考えている場合じゃない。
ど、どうする。
あ……気が動転していて忘れていた。
手加減スキルが発動中だという意味を。
目を閉じ、意識を内側へ向ける。
探せ。
未だ知らぬが頭の中に刻まれた知識を。
手繰り寄せろ。
アレに「手加減」する手段を。
物理には物理を。
魔法には魔法を。
全て、かすり傷にしてしまう手加減スキルの真の力を。
引き出せ!
これだ。
カッと目を見開き、右手をくるりと回転させ指先を鳴らす。
「行けえ。絶対零度の極限を。アイス・コフィン」
力ある言葉に応じ、俺の手のひらから沸き立つようにパラパラと細かい氷の粒子が舞う。
空気中の目に見えない水の雫が凍り付いたためだ。
見えない冷気はすぐに姿を現し、空のようなスカイブルーの塊になって放たれた地獄の火炎を包み込む。
パリイイン――。
澄んだ音が響き、氷がバラバラと崩れ去って地に注ぐ。
細かい氷の粒はぽかぽかな太陽の光に反射しキラキラと美しい光を放った。
「え……」
少女から驚きの声があがる。
地獄の業火は絶対零度によって相殺されたのだ。
大惨事を避けることができ、ほっとしたところで先ほど使った魔法について脳内知識を改めて確認する。
何も分からないままだと気持ち悪いしさ。
「うわあ……」
思わず嫌な声が出てしまった。
これは……酷い。
さっきのアイスコフィンとかいう魔法なんだけど、魔法ランクSSみたいだぞ。
これはトップランクの冒険者でも到達できない域の魔法ランクである。
あの子はアイスコフィンに比肩する魔法を先ほど使ったのだ。まるでピクニックに行くようにな。
おかしい。
怪鳥が出現してから、俺の世界が崩れ去っていくようだ。
大きな目を見開いている今がチャンス。
彼女のステータスを見てしまおう。
『名前:プリシラ
種族:エルダーデーモン
レベル:百二十二
状態:良好』
「百二十二だとおおお!」
今度は叫んでしまった。
誰だって驚くよ。こんなの!
何だよ。この冗談みたいなレベルは。
冒険者を含め、王国の人たちのレベル限界は百だと言われている。
天賦の才に恵まれた極一部の例外がいるとは聞くが……俺がこれまで会ったことのある冒険者の中だと、最高でレベル八十三。
王国一の冒険者なら、百近くはあるのかもしれん。
だけど、この子は軽くそれを超越しているんだ……。
なんだよ。エルダーデーモンって。
伝説に聞く魔族の中にあるという上位存在?
俺は生ける伝説になんて会いたくはない。この仕事を最後に冒険者を引退して畑を耕す予定だったのだから……。
「ねー。お兄さん」
「ポーションくらいなら持っている。それで勘弁してくれないか?」
絶対に関わり合いになりたくない不倶戴天の気持ちを持って、彼女へ向けポーションを差し出す。
「んー。お兄さん、すごーい」
「え、えっと……」
ポーションのことはスルーかよ。
唇に指先をあて、蠱惑的な微笑みを浮かべる少女に嫌な予感がびんびんする。
「すてーたすをみたのだー。わたしよりつよーい。すごーい」
「あ、うん……ポーションは要らない?」
「うんー。ねー、くあくあ」
『くああああ!』
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「わたしはプリシラ。お兄さんは?」
「俺はバルトロメウ」
「ばるとおお?」
「バルトロでいい」
「うんー。バルトロー」
何が嬉しいのかきゃっきゃと嬉しそうにばんざーいをする魔族の少女ことプリシラ。
俺の名前なんてステータスを見たのなら分かるだろうに。
「バルトロ―」
「俺はこの後、街に戻らないといけないんだ! またな!」
何かを言われる前に踵を返す。返すったら返す。
「そっかー。また後でねー」
不穏な言葉が聞こえたけど、これ以上彼女が魔法をけしかけてくる様子がないからこのままスタスタと立ち去ることにした。
森の中に入ったところで、緊張の糸が切れその場で膝を落とす俺なのであった……。
本当に勘弁してくれよ……俺は世界の強者になんて会いたくないんだ。
魔法を極めるとかこの世の理を紐解くとか一切興味がない。
そんなものよりクワの選別をしたい。
「座っている場合じゃねえな」
プリシラから視線を外し、およそ五分が経過した。
彼女にかかった手加減スキルの継続できる時間は残り約二十五分しかない。
完全に安全なところまでとっとと動かないと。
手加減スキルの思わぬ能力で命を拾った俺であったが、この後振りかかる災悪についてこの時の俺はまだ知る由もなかった。
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