19 / 47
19.ノータッチ、プリーズ
しおりを挟む
街を出て1時間もたたないうちに洞窟に到着する。
街から近いなここ。街がぐるりと城壁で囲まれておらずに直線で来ることができるとしたら30分ちょっとくらいの距離だと思う。
近くの木の下に馬車を停車させ馬を繋いでいる変な紳士の動きなど気にせず、台車を引っ張って洞窟の入口に立つ俺たちである。
「台車を引っ張ったまま移動してもよさそうかな」
「様子を見ながらの方がいいよー。ここに置いておいて後から取りに戻るといいんじゃないかなー」
「分かった。そうしよう。ランタンだけ出しておいた方がいいよな」
「必要ないぜ。サボるつもりだから、これくらい手伝わせてくれ」
台車に括り付けたランタンに手をやるが、ドニが待ったをかけてきた。
リレーのバトンのような棒を握った彼が呪文を唱える。
「ナイトサイト」
俺とパルヴィ、ドニに光が降り注ぐ。
何も変わっていないように思えるが……はて。
「外にいるのと同じように見えるようになる。効果時間は3時間だ。最後は徐々に暗くなってくるから分かりやすいぜ」
「お、おお。魔法すげえ」
「お前さんの謎の力の方がよっぽどえげつない」
「そ、そうかな。ははは」
補助魔法って一口に言っても暗視効果があるものとかいろんな魔法があるんだな。
俺にも魔法を身に着けることができるだろうか? 武芸は今更どうにもならないかもしれないけど、魔法なら超能力との相性もよい気がする。
「転移の力のこと? あたしも修行したら使えるようになるのかなー?」
「どうだろう。やってみる?」
「うん!」
「ドニもどうだ? 可能性は低いと思うけど、やるだけやってみるってことで」
「秘術をあっさりと。いいのか?」
「俺以外にも使えるようになれば、俺にとっても嬉しい」
これは素直な気持ちだ。俺だけの特権として超能力を使うことができるってのも悪くはない。
お金を稼ぐに希少性ってのは重要な要素だからな。だけど、俺の目的は金儲けでも、名声を稼ぐことでもない。
梓と今井を救い出すことなのだ。
最終的にあの場所へ立てるのは俺一人。だから、仲間がどれほど強くなろうが、彼らを救い出せるわけじゃあないんだ。
しかし、超能力を使うことができる者が増えたとしたら、俺が想像もしなかった使い方や修行方法を編み出してくれるかもしれない。
ドニもパルヴィも戦闘経験が豊富だ。
彼らが超能力を使えるようになるかどうかは可能性が低いにしても、使えるようになった時に新たな手法を考案してくれる可能性は高い。
あわよくば俺も魔法を……すみよん風に言えばギブアンドテイクだな。うん。
「何をぼーっとしているのかね。そんなことでは日が暮れてしまうよ。はははは」
馬繋ぐの早いな。颯爽とねちっこい視線を送りつつ「アディオス」なんて言いそうな感じで気障に人差し指と中指をくっ付け横に振るドンカスターであった。
当たり前のようにパーティなんて概念など彼にはなく、一人集団から離れズンズン進んで行く。
「ランタンも持たずに。ドニ、あのおっさんにナイトサイト? だっけ」
「必要ねえ。格好と態度はあれだが、あいつは一応、ソロだってのにSランクの依頼まで受領できるんだぜ」
「一人で全部やれる実力があるのは分かったけど……真っ暗闇を進んで行くのはさすがに慢心し過ぎじゃないか?」
「逆だぜ。ソロだから、頼れるのは自分のみ。準備は怠らねえ。心配すんな。一緒に行動する限りはどんないけ好かねえ奴でもサポートする」
放っておいてもいいってことだな。
微妙に聞きたいこととドニの回答がズレていたことに首を捻るが、大丈夫なのならいいか。
そこへ右から顔を寄せたパルヴィが耳元で囁く。ち、近い。別にドンカスターに聞こえても構わないと思うのだけど。
「あの親父はナイトサイトのアミュレットを持っているんだと思うよー」
「護符? 装備しているだけでナイトサイト……ええと暗視の効果があるってこと?」
「うん。もしかしたら装備にエンチャントしているかもだけど」
「そんなこともできるのか。俺も欲しいなそれ」
「ちょっとお高いよー。街に帰ったら案内するね」
「ありがとう」
「ゾエさん、たまにあたしと距離を取ろうとする。迷惑に思ってたり?」
「そんなことないって。気のせいだよ」
「そうかな」
「そうだって」
「分かった♪」
それだよそれ。距離が近いんだって。ほら、俺とドニの距離感を見てみろよ。
囁き合う時にわざわざ相手の体には触れないだろ。パルヴィなりの距離感なのだろうけど、ギョッとしてしまう。
ノータッチ、プリーズ。
「じゃれるのは構わんが、警戒は怠るなよ」
「問題ない。ドニは何か感じたか?」
俺の場合は何をしてようが、第六感が目覚まし時計のように頭に鳴り響くとでも言えばいいか。
自分から探りに行くアクティブな能力じゃなくて、受信したら知らせるパッシブな能力なんだよな。
逆に探ろうとしても探れるものじゃないのが辛いところではある。
「いや。ジャイアントラットがいるのはもう少し奥だな。この洞窟は結構広くてよ。手当たり次第に探すとなると骨だ」
「水場か何かがあれば、そこで待ち伏せするとかがよいかもしれないか」
「ご名答。ドンカスターも同じ考えみてえだな。あいつ。『ゾエを見守る』とか言って自分でジャイアントラットを狩って、狩ったら帰りそうだな」
「は、はは」
ジャイアントラットは多数生息しているみたいだし、特に問題はないだろ。余りに度が過ぎるようだったら、「俺のため」という名目を利用してドンカスターにお引き取り願うとしよう。
散歩感覚で進んできたけど、入口から差し込む光が完全に届かなくなり本来なら真っ暗闇となっている。
ドニのナイトサイトの魔法の効果で、外と変わらぬくらい視界は良好だ。岩肌のゴツゴツとした様子まで色を含み完全に見えている。
暗視スコープだと色は判別できないから、魔法ってのがいかにすごいのか思い知らされたぜ。
ますます魔法に対する憧憬が沸き上がる俺であった。
◇◇◇
ドンカスターの後を追うようにして進むこと30分ほど。
道も天井も狭くなったり広くなったりしたが、しゃがむほどでもなく横向きになって何とか体を通すような場所もなかった。
ぴちゃん、ぴちゃんと水が落ちる音がかすかに聞こえてきて、そろそろ目的地が近いことを知らせてくれる。
前を行くドンカスターはそろそろ水場に着いた頃だろうか。彼と俺たちの距離は20メートルほど。
「いるぜ」
「うん」
一番最初に気が付いたのはドニ。彼の発言で気配感知に集中した様子のパルヴィが二歩ほど遅れてジャイアントラットの気配を察知したようだった。
俺は、まだだな。ジャイアントラットがこちらに敵意を向けておらず、俺の身が傷つくような状況にもなっていない。なので、第六感が反応しないってわけだ。
補うためにどうすればいいのかも考えている。
集中が必要になるが……意識を体内に向け念動力の糸を自分を中心にして蜘蛛の巣のように地面へ張り巡らせていく。
後ろが1メートル、前が2メートル半……が今のところ限界か。
これを応用して戦闘中は自分の体に糸を巻きつかせ攻撃を逸らすことにも使える。
パルヴィが弓を構え、ドニも右手にダガー、左手にバトンを握りジャイアントラットを迎え撃つ準備に入った。
さあ、いよいよだ。
街から近いなここ。街がぐるりと城壁で囲まれておらずに直線で来ることができるとしたら30分ちょっとくらいの距離だと思う。
近くの木の下に馬車を停車させ馬を繋いでいる変な紳士の動きなど気にせず、台車を引っ張って洞窟の入口に立つ俺たちである。
「台車を引っ張ったまま移動してもよさそうかな」
「様子を見ながらの方がいいよー。ここに置いておいて後から取りに戻るといいんじゃないかなー」
「分かった。そうしよう。ランタンだけ出しておいた方がいいよな」
「必要ないぜ。サボるつもりだから、これくらい手伝わせてくれ」
台車に括り付けたランタンに手をやるが、ドニが待ったをかけてきた。
リレーのバトンのような棒を握った彼が呪文を唱える。
「ナイトサイト」
俺とパルヴィ、ドニに光が降り注ぐ。
何も変わっていないように思えるが……はて。
「外にいるのと同じように見えるようになる。効果時間は3時間だ。最後は徐々に暗くなってくるから分かりやすいぜ」
「お、おお。魔法すげえ」
「お前さんの謎の力の方がよっぽどえげつない」
「そ、そうかな。ははは」
補助魔法って一口に言っても暗視効果があるものとかいろんな魔法があるんだな。
俺にも魔法を身に着けることができるだろうか? 武芸は今更どうにもならないかもしれないけど、魔法なら超能力との相性もよい気がする。
「転移の力のこと? あたしも修行したら使えるようになるのかなー?」
「どうだろう。やってみる?」
「うん!」
「ドニもどうだ? 可能性は低いと思うけど、やるだけやってみるってことで」
「秘術をあっさりと。いいのか?」
「俺以外にも使えるようになれば、俺にとっても嬉しい」
これは素直な気持ちだ。俺だけの特権として超能力を使うことができるってのも悪くはない。
お金を稼ぐに希少性ってのは重要な要素だからな。だけど、俺の目的は金儲けでも、名声を稼ぐことでもない。
梓と今井を救い出すことなのだ。
最終的にあの場所へ立てるのは俺一人。だから、仲間がどれほど強くなろうが、彼らを救い出せるわけじゃあないんだ。
しかし、超能力を使うことができる者が増えたとしたら、俺が想像もしなかった使い方や修行方法を編み出してくれるかもしれない。
ドニもパルヴィも戦闘経験が豊富だ。
彼らが超能力を使えるようになるかどうかは可能性が低いにしても、使えるようになった時に新たな手法を考案してくれる可能性は高い。
あわよくば俺も魔法を……すみよん風に言えばギブアンドテイクだな。うん。
「何をぼーっとしているのかね。そんなことでは日が暮れてしまうよ。はははは」
馬繋ぐの早いな。颯爽とねちっこい視線を送りつつ「アディオス」なんて言いそうな感じで気障に人差し指と中指をくっ付け横に振るドンカスターであった。
当たり前のようにパーティなんて概念など彼にはなく、一人集団から離れズンズン進んで行く。
「ランタンも持たずに。ドニ、あのおっさんにナイトサイト? だっけ」
「必要ねえ。格好と態度はあれだが、あいつは一応、ソロだってのにSランクの依頼まで受領できるんだぜ」
「一人で全部やれる実力があるのは分かったけど……真っ暗闇を進んで行くのはさすがに慢心し過ぎじゃないか?」
「逆だぜ。ソロだから、頼れるのは自分のみ。準備は怠らねえ。心配すんな。一緒に行動する限りはどんないけ好かねえ奴でもサポートする」
放っておいてもいいってことだな。
微妙に聞きたいこととドニの回答がズレていたことに首を捻るが、大丈夫なのならいいか。
そこへ右から顔を寄せたパルヴィが耳元で囁く。ち、近い。別にドンカスターに聞こえても構わないと思うのだけど。
「あの親父はナイトサイトのアミュレットを持っているんだと思うよー」
「護符? 装備しているだけでナイトサイト……ええと暗視の効果があるってこと?」
「うん。もしかしたら装備にエンチャントしているかもだけど」
「そんなこともできるのか。俺も欲しいなそれ」
「ちょっとお高いよー。街に帰ったら案内するね」
「ありがとう」
「ゾエさん、たまにあたしと距離を取ろうとする。迷惑に思ってたり?」
「そんなことないって。気のせいだよ」
「そうかな」
「そうだって」
「分かった♪」
それだよそれ。距離が近いんだって。ほら、俺とドニの距離感を見てみろよ。
囁き合う時にわざわざ相手の体には触れないだろ。パルヴィなりの距離感なのだろうけど、ギョッとしてしまう。
ノータッチ、プリーズ。
「じゃれるのは構わんが、警戒は怠るなよ」
「問題ない。ドニは何か感じたか?」
俺の場合は何をしてようが、第六感が目覚まし時計のように頭に鳴り響くとでも言えばいいか。
自分から探りに行くアクティブな能力じゃなくて、受信したら知らせるパッシブな能力なんだよな。
逆に探ろうとしても探れるものじゃないのが辛いところではある。
「いや。ジャイアントラットがいるのはもう少し奥だな。この洞窟は結構広くてよ。手当たり次第に探すとなると骨だ」
「水場か何かがあれば、そこで待ち伏せするとかがよいかもしれないか」
「ご名答。ドンカスターも同じ考えみてえだな。あいつ。『ゾエを見守る』とか言って自分でジャイアントラットを狩って、狩ったら帰りそうだな」
「は、はは」
ジャイアントラットは多数生息しているみたいだし、特に問題はないだろ。余りに度が過ぎるようだったら、「俺のため」という名目を利用してドンカスターにお引き取り願うとしよう。
散歩感覚で進んできたけど、入口から差し込む光が完全に届かなくなり本来なら真っ暗闇となっている。
ドニのナイトサイトの魔法の効果で、外と変わらぬくらい視界は良好だ。岩肌のゴツゴツとした様子まで色を含み完全に見えている。
暗視スコープだと色は判別できないから、魔法ってのがいかにすごいのか思い知らされたぜ。
ますます魔法に対する憧憬が沸き上がる俺であった。
◇◇◇
ドンカスターの後を追うようにして進むこと30分ほど。
道も天井も狭くなったり広くなったりしたが、しゃがむほどでもなく横向きになって何とか体を通すような場所もなかった。
ぴちゃん、ぴちゃんと水が落ちる音がかすかに聞こえてきて、そろそろ目的地が近いことを知らせてくれる。
前を行くドンカスターはそろそろ水場に着いた頃だろうか。彼と俺たちの距離は20メートルほど。
「いるぜ」
「うん」
一番最初に気が付いたのはドニ。彼の発言で気配感知に集中した様子のパルヴィが二歩ほど遅れてジャイアントラットの気配を察知したようだった。
俺は、まだだな。ジャイアントラットがこちらに敵意を向けておらず、俺の身が傷つくような状況にもなっていない。なので、第六感が反応しないってわけだ。
補うためにどうすればいいのかも考えている。
集中が必要になるが……意識を体内に向け念動力の糸を自分を中心にして蜘蛛の巣のように地面へ張り巡らせていく。
後ろが1メートル、前が2メートル半……が今のところ限界か。
これを応用して戦闘中は自分の体に糸を巻きつかせ攻撃を逸らすことにも使える。
パルヴィが弓を構え、ドニも右手にダガー、左手にバトンを握りジャイアントラットを迎え撃つ準備に入った。
さあ、いよいよだ。
0
お気に入りに追加
377
あなたにおすすめの小説
変わり者と呼ばれた貴族は、辺境で自由に生きていきます
染井トリノ
ファンタジー
書籍化に伴い改題いたしました。
といっても、ほとんど前と一緒ですが。
変わり者で、落ちこぼれ。
名門貴族グレーテル家の三男として生まれたウィルは、貴族でありながら魔法の才能がなかった。
それによって幼い頃に見限られ、本宅から離れた別荘で暮らしていた。
ウィルは世間では嫌われている亜人種に興味を持ち、奴隷となっていた亜人種の少女たちを屋敷のメイドとして雇っていた。
そのこともあまり快く思われておらず、周囲からは変わり者と呼ばれている。
そんなウィルも十八になり、貴族の慣わしで自分の領地をもらうことになったのだが……。
父親から送られた領地は、領民ゼロ、土地は枯れはて資源もなく、屋敷もボロボロという最悪の状況だった。
これはウィルが、荒れた領地で生きていく物語。
隠してきた力もフルに使って、エルフや獣人といった様々な種族と交流しながらのんびり過ごす。
8/26HOTラインキング1位達成!
同日ファンタジー&総合ランキング1位達成!
【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話
yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。
知らない生物、知らない植物、知らない言語。
何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。
臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。
いや、変わらなければならない。
ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。
彼女は後にこう呼ばれることになる。
「ドラゴンの魔女」と。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
《完結》転生令嬢の甘い?異世界スローライフ ~神の遣いのもふもふを添えて~
芽生 (メイ)
ファンタジー
ガタガタと揺れる馬車の中、天海ハルは目を覚ます。
案ずるメイドに頭の中の記憶を頼りに会話を続けるハルだが
思うのはただ一つ
「これが異世界転生ならば詰んでいるのでは?」
そう、ハルが転生したエレノア・コールマンは既に断罪後だったのだ。
エレノアが向かう先は正道院、膨大な魔力があるにもかかわらず
攻撃魔法は封じられたエレノアが使えるのは生活魔法のみ。
そんなエレノアだが、正道院に来てあることに気付く。
自給自足で野菜やハーブ、畑を耕し、限られた人々と接する
これは異世界におけるスローライフが出来る?
希望を抱き始めたエレノアに突然現れたのはふわふわもふもふの狐。
だが、メイドが言うにはこれは神の使い、聖女の証?
もふもふと共に過ごすエレノアのお菓子作りと異世界スローライフ!
※場所が正道院で女性中心のお話です
※小説家になろう! カクヨムにも掲載中
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる