23 / 30
23.もがー
しおりを挟む
(パンダが)外へ繋がる扉を開き、カルミアと共に結界の外へ出る。
カルミアの指し示す方向にパンダが進む。
『パンダは笹が食べたいようです』
ところがどっこい、5分も歩かぬうちにパンダがガス欠になった。
……出る前に食べたよね?
全く。
パンダから二人揃って降りて、彼の口元に笹をばら撒く。
もっしゃもっしゃと食べ始めるパンダであった。
「相変わらずのマイペースだな」
「きっと私たちの緊張を解こうとしてくださったんです」
「そういうことにしておこう。なんのかんので、パンダには世話になっているからな」
「はい! 神獣あっての私たちです」
いろいろイラッとすることはあるけど、俺だってパンダの貢献度が極めて高いことは分かっている。
というより、村を構成するインフラのうち、基幹に当たるのがパンダパワーだ。
カルミアの言う通り、パンダあっての俺たちというのは言葉そのままなのである。
現代日本にたとえるなら、パンダは電気ガス水道だ。
一体で全部を補えるのだから、ガソリンがしょっちゅう必要なことくらい問題ないさ。
感謝の気持ちがあるから、今だってパンダから降りて餌を与えているわけだしな。
もしゃもしゃと食べるパンダの頭にそっと手を置く。
「もがー」
威嚇された。
それだけじゃなく、興奮しているようで後ろ足だけで立ち上がりバンザイポーズになっている。
あ、察した。
そうか、ちょっとした行き違いでパンダの機嫌を損ねていたのか。これまでもきっと、こういうシーンがあったはず。
パンダは喋るから、人間と同じような感覚で接していたけど彼は人間ではない。
地球にいるパンダ……とも違うけど、人間とは別の知的生命体なのである。
同じ人間であっても、国が違うだけで言葉が通じないし個々人で個性もまるで違う。
同じ種族でもかなりの個体差があるのだ。それが別種族になると、その差異は計り知れない。
森エルフから見たら人間は奇異に思えるだろう。それでも、俺たちは分かり合える。
「すまん。笹を奪うとかそんなつもりはなかったんだよ」
「にゃーん」
パンダがふてぶてしいからと歩み寄らなかったのは俺だ。
彼の方は俺に寄り添おうとして……い、たのに。ぐうう。
くっちゃくっちゃと笹を見せつけるようにして座り込むんじゃねえ。
いや、これは種族の違い。彼なりの俺へ対する感謝……。
『相変わらず、間抜け面だな。ひょろ憎、だそうです』
「こいつうう!」
「ダメですうう!」
すかさずカルミアが俺を後ろから羽交い絞めにしてくる。
関節が極まっているからビクともしないと思ったのだけど、彼女は手加減していたのかも。
これまでのパターンならこのままゴロゴロと地面に転がるのだけど、全く動かん。
『森エルフの細腕よりひょろい。ひょろ憎はひょろ憎、なようです』
パンダは右前脚で器用に笹を挟み、自分の顔の上まで持ってくる。
ひらりひらりと笹の葉が手から落ち、大きく開けたパンダの口に吸い込まれた。
「もう落ち着いたから」
「はい」
「すまんな。怒りっぽくて」
「いえ、レンさんが本気で神獣を叩こうとしていないのは分かっています」
「そ、そうだな」
「わたし、レンさんに……」
「ん」
「な、なんでもありません!」
座り込むパンダの後ろに隠れてしまうカルミアに、はてと首をかしげる。
そろっと顔を半分だけ出した彼女は困ったように眉根を寄せた。
しかし、そんな彼女もパンダのもふもふさにとらわれたようで、両腕を開きパンダにはしとしがみ付く。
森エルフたちに神獣、神獣と敬われているのだけど、彼らは気さくにパンダに触れたりする。
この辺も俺の感覚と違うんだよね。
ご神体とかになると、大胆に抱き着いたりなんてしないものという認識があったから、少し驚いている。
ひょっとしたら、パンダと長く暮らしているカルミアならではなのかもしれないけどね。
「パンダ。満腹になったか?」
『乗るがいい。ひょろ憎、だそうです』
四つ足で立ったパンダが首を向ける。
ガソリン補給完了だ。
走り始めたもののパンダにもう少しスピードを出せないの、と聞いたら奴はその場で速度を落とし立ち止まってしまう。
そして、珍しくパンダから俺に語りかけてきた。
『ひょろ憎は速度をあげるとひょろいから落ちる、ようです』
「確かにそうかも」
『素直でよろしい。パンダに任せておくがいいようです』
俺たちを乗せたまま、パンダが首を大きく上下に振る。
風を切る音がしたかと思うと、薄緑の光の球体が周囲を覆った。
「レンさん、しっかり掴まってください」
「お、おう?」
カルミアに促され、念のためにパンダの首へ両手を回しがしっとしがみ付く。
俺の動きに合わせ、彼女が上から覆いかぶさるようにして両手を俺の胸辺りに回す。
「にゃーん」
パンダの気の抜ける可愛らしい子猫のような鳴き声が聞こえた。
う、うおおおお。
何と言う速度だ。体感だけど時速60キロくらいは出ているんじゃないか。
車とは異なるから、思ったよりは速度が出ていないかもしれないけど、う、うおお。更に速度が上がったあ。
どうやら緑の光の膜は防護壁のようになっているらしく、俺とカルミアにはそよ風程度しか吹いてこない。
「カルミア、速いのは良いのだけど場所を示すことはできそうか?」
「問題ありません。このまま真っ直ぐで大丈夫です。一旦森を出ましょう」
「この森って結構な広さがあるんだったっけ」
「はい。大森林と呼ばれているくらいですから」
「し、しかし。これは速度オーバーじゃないのか、また速度が上がった」
「鳥より速いかもですね!」
やんややんやとカルミアと会話しているうちにも、流れるように景色が変わっていく。
悪路だってのに、物凄いスピードだ。
俺が街から馬車で森エルフの村まで来るのに……丸二日だったっけか。
森を抜けてから街までどれくらいの距離があるのか分からないけど、この速度だとあっという間に到着するんじゃないか?
◇◇◇
……速い、確かに速い。
手元の時計によると、二時間もかかっていない。
何で時計を持っているんだと思うかもしれないが、実は最初から持っていた。
安物のスポーツウオッチだけどさ。
転移した時、体に身に着けていたものはそのままだったんだ。といっても服以外は腕時計と首から下げているネックレスくらいだけど。
この腕時計も電池が尽きればそこで終了となる見込みである。
「森の外まで来たから良しとしよう」
「凄い速度でした! 感動です」
「そうだな。ガス欠がとても早いことを覚えておかないと」
「笹を食べている姿がいつもながら愛らしいです」
二人揃ってお座り状態で笹の葉を貪り喰らうパンダへ目を向けた。
カルミアの説明によると、森を抜けたら残りの距離は三分の一もないとのこと。
だったら、今日のところはここで野営にするとしようか。
俺は野営に慣れていないから、明るいうちからたっぷりと時間があることはありがたい。
カルミアの指し示す方向にパンダが進む。
『パンダは笹が食べたいようです』
ところがどっこい、5分も歩かぬうちにパンダがガス欠になった。
……出る前に食べたよね?
全く。
パンダから二人揃って降りて、彼の口元に笹をばら撒く。
もっしゃもっしゃと食べ始めるパンダであった。
「相変わらずのマイペースだな」
「きっと私たちの緊張を解こうとしてくださったんです」
「そういうことにしておこう。なんのかんので、パンダには世話になっているからな」
「はい! 神獣あっての私たちです」
いろいろイラッとすることはあるけど、俺だってパンダの貢献度が極めて高いことは分かっている。
というより、村を構成するインフラのうち、基幹に当たるのがパンダパワーだ。
カルミアの言う通り、パンダあっての俺たちというのは言葉そのままなのである。
現代日本にたとえるなら、パンダは電気ガス水道だ。
一体で全部を補えるのだから、ガソリンがしょっちゅう必要なことくらい問題ないさ。
感謝の気持ちがあるから、今だってパンダから降りて餌を与えているわけだしな。
もしゃもしゃと食べるパンダの頭にそっと手を置く。
「もがー」
威嚇された。
それだけじゃなく、興奮しているようで後ろ足だけで立ち上がりバンザイポーズになっている。
あ、察した。
そうか、ちょっとした行き違いでパンダの機嫌を損ねていたのか。これまでもきっと、こういうシーンがあったはず。
パンダは喋るから、人間と同じような感覚で接していたけど彼は人間ではない。
地球にいるパンダ……とも違うけど、人間とは別の知的生命体なのである。
同じ人間であっても、国が違うだけで言葉が通じないし個々人で個性もまるで違う。
同じ種族でもかなりの個体差があるのだ。それが別種族になると、その差異は計り知れない。
森エルフから見たら人間は奇異に思えるだろう。それでも、俺たちは分かり合える。
「すまん。笹を奪うとかそんなつもりはなかったんだよ」
「にゃーん」
パンダがふてぶてしいからと歩み寄らなかったのは俺だ。
彼の方は俺に寄り添おうとして……い、たのに。ぐうう。
くっちゃくっちゃと笹を見せつけるようにして座り込むんじゃねえ。
いや、これは種族の違い。彼なりの俺へ対する感謝……。
『相変わらず、間抜け面だな。ひょろ憎、だそうです』
「こいつうう!」
「ダメですうう!」
すかさずカルミアが俺を後ろから羽交い絞めにしてくる。
関節が極まっているからビクともしないと思ったのだけど、彼女は手加減していたのかも。
これまでのパターンならこのままゴロゴロと地面に転がるのだけど、全く動かん。
『森エルフの細腕よりひょろい。ひょろ憎はひょろ憎、なようです』
パンダは右前脚で器用に笹を挟み、自分の顔の上まで持ってくる。
ひらりひらりと笹の葉が手から落ち、大きく開けたパンダの口に吸い込まれた。
「もう落ち着いたから」
「はい」
「すまんな。怒りっぽくて」
「いえ、レンさんが本気で神獣を叩こうとしていないのは分かっています」
「そ、そうだな」
「わたし、レンさんに……」
「ん」
「な、なんでもありません!」
座り込むパンダの後ろに隠れてしまうカルミアに、はてと首をかしげる。
そろっと顔を半分だけ出した彼女は困ったように眉根を寄せた。
しかし、そんな彼女もパンダのもふもふさにとらわれたようで、両腕を開きパンダにはしとしがみ付く。
森エルフたちに神獣、神獣と敬われているのだけど、彼らは気さくにパンダに触れたりする。
この辺も俺の感覚と違うんだよね。
ご神体とかになると、大胆に抱き着いたりなんてしないものという認識があったから、少し驚いている。
ひょっとしたら、パンダと長く暮らしているカルミアならではなのかもしれないけどね。
「パンダ。満腹になったか?」
『乗るがいい。ひょろ憎、だそうです』
四つ足で立ったパンダが首を向ける。
ガソリン補給完了だ。
走り始めたもののパンダにもう少しスピードを出せないの、と聞いたら奴はその場で速度を落とし立ち止まってしまう。
そして、珍しくパンダから俺に語りかけてきた。
『ひょろ憎は速度をあげるとひょろいから落ちる、ようです』
「確かにそうかも」
『素直でよろしい。パンダに任せておくがいいようです』
俺たちを乗せたまま、パンダが首を大きく上下に振る。
風を切る音がしたかと思うと、薄緑の光の球体が周囲を覆った。
「レンさん、しっかり掴まってください」
「お、おう?」
カルミアに促され、念のためにパンダの首へ両手を回しがしっとしがみ付く。
俺の動きに合わせ、彼女が上から覆いかぶさるようにして両手を俺の胸辺りに回す。
「にゃーん」
パンダの気の抜ける可愛らしい子猫のような鳴き声が聞こえた。
う、うおおおお。
何と言う速度だ。体感だけど時速60キロくらいは出ているんじゃないか。
車とは異なるから、思ったよりは速度が出ていないかもしれないけど、う、うおお。更に速度が上がったあ。
どうやら緑の光の膜は防護壁のようになっているらしく、俺とカルミアにはそよ風程度しか吹いてこない。
「カルミア、速いのは良いのだけど場所を示すことはできそうか?」
「問題ありません。このまま真っ直ぐで大丈夫です。一旦森を出ましょう」
「この森って結構な広さがあるんだったっけ」
「はい。大森林と呼ばれているくらいですから」
「し、しかし。これは速度オーバーじゃないのか、また速度が上がった」
「鳥より速いかもですね!」
やんややんやとカルミアと会話しているうちにも、流れるように景色が変わっていく。
悪路だってのに、物凄いスピードだ。
俺が街から馬車で森エルフの村まで来るのに……丸二日だったっけか。
森を抜けてから街までどれくらいの距離があるのか分からないけど、この速度だとあっという間に到着するんじゃないか?
◇◇◇
……速い、確かに速い。
手元の時計によると、二時間もかかっていない。
何で時計を持っているんだと思うかもしれないが、実は最初から持っていた。
安物のスポーツウオッチだけどさ。
転移した時、体に身に着けていたものはそのままだったんだ。といっても服以外は腕時計と首から下げているネックレスくらいだけど。
この腕時計も電池が尽きればそこで終了となる見込みである。
「森の外まで来たから良しとしよう」
「凄い速度でした! 感動です」
「そうだな。ガス欠がとても早いことを覚えておかないと」
「笹を食べている姿がいつもながら愛らしいです」
二人揃ってお座り状態で笹の葉を貪り喰らうパンダへ目を向けた。
カルミアの説明によると、森を抜けたら残りの距離は三分の一もないとのこと。
だったら、今日のところはここで野営にするとしようか。
俺は野営に慣れていないから、明るいうちからたっぷりと時間があることはありがたい。
1
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
俺のチートが凄すぎて、異世界の経済が破綻するかもしれません。
埼玉ポテチ
ファンタジー
不運な事故によって、次元の狭間に落ちた主人公は元の世界に戻る事が出来なくなります。次元の管理人と言う人物(?)から、異世界行きを勧められ、幾つかの能力を貰う事になった。
その能力が思った以上のチート能力で、もしかしたら異世界の経済を破綻させてしまうのでは無いかと戦々恐々としながらも毎日を過ごす主人公であった。
異世界に来たらコアラでした。地味に修行をしながら気ままに生きて行こうと思います
うみ
ファンタジー
異世界に来たかと思ったら、体がコアラになっていた。
しかもレベルはたったの2。持ち物はユーカリの葉だけときたもんだ。
更には、俺を呼び出した偉そうな大臣に「奇怪な生物め」と追い出され、丸裸で生きていくことになってしまった。
夜に活動できることを生かし、モンスターの寝込みを襲うコアラ。
不親切にもまるで説明がないスキル群に辟易しつつも、修行を続けるコアラ。
街で買い物をするために、初心者回復術師にテイムされたふりをしたりして……。
モンスターがユーカリの葉を落とす謎世界で、コアラは気ままに生きて行く。
※森でほのぼのユーカリをもしゃるお話。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる