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23.全力逃走
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「トランスファー」
「も、もう一丁! 超敏捷!」
二回連続で超敏捷を使った後、ハールーンに補給してもらい進む。
たが、黒い稲妻はもう目と鼻の先まで俺たちに迫って来ていた。
とんでもなく規格外に大きなブレスだったのかというと、そこまでではない。
広範囲と言えば広範囲なのだけど、せいぜい暴帝竜の口から扇形にニ百メートルに届かないといったところ。
しかしだな。俺をターゲットにしたのか、人一人分くらいの黒い稲妻が追って来るんだ。
超敏捷で離した距離をハールーンにトランスファーをかけてもらっている間につめてくる。
どんだけ、射程距離が長いんだよ!
逃げても逃げても追ってきやがるんだ。根競べだと逃げ続けていたけど、次のトランスファーで黒い稲妻に当たってしまう。
「やるしかないか。流水の特性ならば、いけるはず。だけど」
止まった時の中で、ハールーンとベルベットをおろし彼女たちから距離を取る。
やるぞ。
三、二、一……。
「流水!」
腕をクロスさせた流水の姿勢から、両手を前に出し黒い稲妻の塊を受け止める。
触れたが、何も感じない。音も発さなかった。
よっし、防いだ――。
え?
受け止めたはずの黒い稲妻は消滅せず、膨らみ一息に俺を飲み込む。
「な、何も見えん!」
当たればただでは済まないと思われた黒い稲妻の中にすっぽりと入った形になった俺であったが、視界が真っ暗闇に包まれただけで特に体へダメージはなさそうだ。
「ウィレム」
「ウィレムー!」
ハールーンとベルベットの声が聞こえてきたが、何だか随分と遠くに思える。
20メートルも離れていないはずなんだけどな。
◇◇◇
「どこだここ?」
妙な感覚だ。これが初めての経験だったのなら、何が起こったのか理解できぬまま大混乱していたかもしれない。
だけど、これで二度目となればすぐに落ち着くってもんだ。
黒い稲妻に包まれた俺はどこか知らない場所に転移したらしい。
しっかし、見慣れない景色だな。人工物、うーん、建物なのかも。
船着き場に近い、難しいな。
長方形の白っぽい箱があって、右手に支柱が並んでその上に屋根が取り付けられている。
壁がなく、野ざらしなので家でも厩舎でもないと思う。
妙なのは白い箱の左手は茶色の砂利が敷かれていて、鉄の棒……ええとトロッコを走らせるための、何だったか。
そうだレール。レールだよ。あれが立派になったようなものが敷設されていた。
トロッコをレールの上に乗せて走らせるんだよな。実物を一度だけみたことがある。坂をすごいスピードで下っていっていた。
ここは坂じゃないけど。平坦なところに太いレールがある。
建造物はそれだけで、他があるのかないのか分からん。200メートルも離れないうちに霞がかかったようになっていてその先が見えないんだ。
最も気になるのは建物でも霧でもない。
空だ。
最初に転移してきていらい、天井はぼんやりとした明るさがあって死者の大聖堂、魔獣の森共に同じような感じだった。
だけど、ここは雲があり太陽の光まで再現されている。「再現」されているということは一目でわかった。
何故なら、雲に動きがないからだ。
「それにしても何で夕焼け空なんだ? ずっとこれだと目が疲れる」
カサリと何かが動く僅かな音が耳に届く。
敵かと思ったが、気配からして違う。こちらに興味を持っていそうな、だが、積極的には関わってこない。
微妙な感じだ。
少なくとも、脅威となるような相手ではないと判断し警戒レベルを一段下げる。
だけど、完全には気を抜かない。刀の柄に手を当てたまま、気配を探る。
までもなかったか。
ふわふわと宙に浮いた黒い帽子がこちらに向かってくるではないか。
シルクハットのようにトップが高く、丸い帽子で前側の鍔が長い。
見慣れない形の帽子だった。
そいつは俺の前に来ると、底から黒い影のようなものが溢れ出し人型を形成する。
「何者だ?」
「来訪者とは珍しい。見ての通り、敵意はないし、そもそも私には君を傷つける手段もない。何しろ影なものでな」
大仰に肩を竦める仕草をする影は、口も無ければ目もないので表情が読めない。
うーん。様子を見てみるか。
「俺はウィレム。あなたは何者なんだ?」
「ここは『時の停留所』と私が名付けたのだよ。君は迷い込んだ子羊といったところさ」
話がまるで噛み合わないな。この手の手合いは苦手だ。
ハールーンならうまく彼から情報を引き出してくれそうだけど。残念ながらここに彼女はいない。
あの二人なら俺がいなくとも、生き抜くだけなら大丈夫。そこは心配なんかしていないさ。
だけど、できることなら一刻も早く合流したいところだ。
その前に。この厄介な相手から聞けることを聞き出し、ここから脱出しなきゃな。
「おや、もうお帰りかい?」
「出口はあるのか」
「時の停留所。君は停留所の意味を考えてみるといい」
「停留所? 聞いたこともない言葉なんだが、どんな意味があるんだ?」
「言葉のままさ。留まる場所。待っていれば、迎えがくる。私は行けないが、君はここの住人ではないのだから」
言葉を交わすことができないのに、通じていないのがこれほど歯がゆいとは。
少なくとも、出口があり、別の場所に移動できるってことだけは分かった。
「知っていたら聞かせてくれ。ここはコズミックフォージの迷宮の中なのか?」
「コズミックフォージ? ははは。あの中に入るなんて君の大きさだと無理だというものだ。君がこんな小さな小人なら話は別だが。実は小さく変身できたりするのかな?」
「小さな箱だって?」
「そうとも。コズミックフォージは手のひらに収まるほどの箱さ」
「俺はコズミックフォージが作ったのか中なのか分からないけど、迷宮と呼ばれるところにいた。ここもそうなのか?」
「ふむふむ。君にはまず前提がそもそも異なっているということを理解しなければならない。知りたいかな?」
「知りたいさ。俺はコズミックフォージを殴りつける、そしてここから外に出る。仲間と一緒にな」
「仲間かね。待っていると」
「そうだ」
「安心したまえ。どれだけここにいても、君の仲間はまだ一歩も動いてはいない」
話が繋がら過ぎて、情報の整理ができないぞ、これ。
いや、気を取り直して尋ねるとしよう。
前提だったか? まずはそこからだ。
「コズミックフォージとは何をしてくれるものなんだ?」
「ほおお。捉え方を変えたね。まさにその方向だよ」
「コズミックフォージは何かをするためのものってことか。となれば、誰かがコズミックフォージを使って迷宮を作った?」
「結果的に言えばそうなるのかな。意図したものではない、はずだがね」
「ええと。ちょっと待ってくれ。また話が飛躍しているじゃないか」
「そうかな? あれは何でも願いを叶えてくれる魔法の箱さ」
「何でもときたか」
コズミックフォージとはどんな願いでも叶えてくれる夢のような箱らしい。
ん、待てよ。
「帽子のあなたも、コズミックフォージに願ったのか?」
「ご名答。私は帽子ではなく影法師と呼んでくれた方がウキウキするかな」
「影法師。あなたは何を願った?」
「私はね。老いていくのが怖かった。だから願ったんだよ。老いぬ永遠の命をってね」
少しずつではあるが、コズミックフォージがどんなものなのか見えてきた気がする。
「も、もう一丁! 超敏捷!」
二回連続で超敏捷を使った後、ハールーンに補給してもらい進む。
たが、黒い稲妻はもう目と鼻の先まで俺たちに迫って来ていた。
とんでもなく規格外に大きなブレスだったのかというと、そこまでではない。
広範囲と言えば広範囲なのだけど、せいぜい暴帝竜の口から扇形にニ百メートルに届かないといったところ。
しかしだな。俺をターゲットにしたのか、人一人分くらいの黒い稲妻が追って来るんだ。
超敏捷で離した距離をハールーンにトランスファーをかけてもらっている間につめてくる。
どんだけ、射程距離が長いんだよ!
逃げても逃げても追ってきやがるんだ。根競べだと逃げ続けていたけど、次のトランスファーで黒い稲妻に当たってしまう。
「やるしかないか。流水の特性ならば、いけるはず。だけど」
止まった時の中で、ハールーンとベルベットをおろし彼女たちから距離を取る。
やるぞ。
三、二、一……。
「流水!」
腕をクロスさせた流水の姿勢から、両手を前に出し黒い稲妻の塊を受け止める。
触れたが、何も感じない。音も発さなかった。
よっし、防いだ――。
え?
受け止めたはずの黒い稲妻は消滅せず、膨らみ一息に俺を飲み込む。
「な、何も見えん!」
当たればただでは済まないと思われた黒い稲妻の中にすっぽりと入った形になった俺であったが、視界が真っ暗闇に包まれただけで特に体へダメージはなさそうだ。
「ウィレム」
「ウィレムー!」
ハールーンとベルベットの声が聞こえてきたが、何だか随分と遠くに思える。
20メートルも離れていないはずなんだけどな。
◇◇◇
「どこだここ?」
妙な感覚だ。これが初めての経験だったのなら、何が起こったのか理解できぬまま大混乱していたかもしれない。
だけど、これで二度目となればすぐに落ち着くってもんだ。
黒い稲妻に包まれた俺はどこか知らない場所に転移したらしい。
しっかし、見慣れない景色だな。人工物、うーん、建物なのかも。
船着き場に近い、難しいな。
長方形の白っぽい箱があって、右手に支柱が並んでその上に屋根が取り付けられている。
壁がなく、野ざらしなので家でも厩舎でもないと思う。
妙なのは白い箱の左手は茶色の砂利が敷かれていて、鉄の棒……ええとトロッコを走らせるための、何だったか。
そうだレール。レールだよ。あれが立派になったようなものが敷設されていた。
トロッコをレールの上に乗せて走らせるんだよな。実物を一度だけみたことがある。坂をすごいスピードで下っていっていた。
ここは坂じゃないけど。平坦なところに太いレールがある。
建造物はそれだけで、他があるのかないのか分からん。200メートルも離れないうちに霞がかかったようになっていてその先が見えないんだ。
最も気になるのは建物でも霧でもない。
空だ。
最初に転移してきていらい、天井はぼんやりとした明るさがあって死者の大聖堂、魔獣の森共に同じような感じだった。
だけど、ここは雲があり太陽の光まで再現されている。「再現」されているということは一目でわかった。
何故なら、雲に動きがないからだ。
「それにしても何で夕焼け空なんだ? ずっとこれだと目が疲れる」
カサリと何かが動く僅かな音が耳に届く。
敵かと思ったが、気配からして違う。こちらに興味を持っていそうな、だが、積極的には関わってこない。
微妙な感じだ。
少なくとも、脅威となるような相手ではないと判断し警戒レベルを一段下げる。
だけど、完全には気を抜かない。刀の柄に手を当てたまま、気配を探る。
までもなかったか。
ふわふわと宙に浮いた黒い帽子がこちらに向かってくるではないか。
シルクハットのようにトップが高く、丸い帽子で前側の鍔が長い。
見慣れない形の帽子だった。
そいつは俺の前に来ると、底から黒い影のようなものが溢れ出し人型を形成する。
「何者だ?」
「来訪者とは珍しい。見ての通り、敵意はないし、そもそも私には君を傷つける手段もない。何しろ影なものでな」
大仰に肩を竦める仕草をする影は、口も無ければ目もないので表情が読めない。
うーん。様子を見てみるか。
「俺はウィレム。あなたは何者なんだ?」
「ここは『時の停留所』と私が名付けたのだよ。君は迷い込んだ子羊といったところさ」
話がまるで噛み合わないな。この手の手合いは苦手だ。
ハールーンならうまく彼から情報を引き出してくれそうだけど。残念ながらここに彼女はいない。
あの二人なら俺がいなくとも、生き抜くだけなら大丈夫。そこは心配なんかしていないさ。
だけど、できることなら一刻も早く合流したいところだ。
その前に。この厄介な相手から聞けることを聞き出し、ここから脱出しなきゃな。
「おや、もうお帰りかい?」
「出口はあるのか」
「時の停留所。君は停留所の意味を考えてみるといい」
「停留所? 聞いたこともない言葉なんだが、どんな意味があるんだ?」
「言葉のままさ。留まる場所。待っていれば、迎えがくる。私は行けないが、君はここの住人ではないのだから」
言葉を交わすことができないのに、通じていないのがこれほど歯がゆいとは。
少なくとも、出口があり、別の場所に移動できるってことだけは分かった。
「知っていたら聞かせてくれ。ここはコズミックフォージの迷宮の中なのか?」
「コズミックフォージ? ははは。あの中に入るなんて君の大きさだと無理だというものだ。君がこんな小さな小人なら話は別だが。実は小さく変身できたりするのかな?」
「小さな箱だって?」
「そうとも。コズミックフォージは手のひらに収まるほどの箱さ」
「俺はコズミックフォージが作ったのか中なのか分からないけど、迷宮と呼ばれるところにいた。ここもそうなのか?」
「ふむふむ。君にはまず前提がそもそも異なっているということを理解しなければならない。知りたいかな?」
「知りたいさ。俺はコズミックフォージを殴りつける、そしてここから外に出る。仲間と一緒にな」
「仲間かね。待っていると」
「そうだ」
「安心したまえ。どれだけここにいても、君の仲間はまだ一歩も動いてはいない」
話が繋がら過ぎて、情報の整理ができないぞ、これ。
いや、気を取り直して尋ねるとしよう。
前提だったか? まずはそこからだ。
「コズミックフォージとは何をしてくれるものなんだ?」
「ほおお。捉え方を変えたね。まさにその方向だよ」
「コズミックフォージは何かをするためのものってことか。となれば、誰かがコズミックフォージを使って迷宮を作った?」
「結果的に言えばそうなるのかな。意図したものではない、はずだがね」
「ええと。ちょっと待ってくれ。また話が飛躍しているじゃないか」
「そうかな? あれは何でも願いを叶えてくれる魔法の箱さ」
「何でもときたか」
コズミックフォージとはどんな願いでも叶えてくれる夢のような箱らしい。
ん、待てよ。
「帽子のあなたも、コズミックフォージに願ったのか?」
「ご名答。私は帽子ではなく影法師と呼んでくれた方がウキウキするかな」
「影法師。あなたは何を願った?」
「私はね。老いていくのが怖かった。だから願ったんだよ。老いぬ永遠の命をってね」
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